手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

コロナと共にどう生きる

コロナと共にどう生きる 結局一年間、コロナに大騒ぎをして、大した解決も見ないまま、振り出しに戻った形になっています。コロナは依然として居座っています。唯一進展したことは、ワクチンが出来たこと。ワクチンのお陰で、みんなの顔つきは多少和らいでき…

独自の世界を作る 6

高円寺の立ち飲み屋さん 話は少し前になりますが、以前立ち食いそば屋さんだった店が大風で倒壊した話を書きました。その後どうなるのだろうと思ってみていると、新しい店が出来ました。立飲みの居酒屋です。何しろ奥行き1mしかない店ですから、できる商売に…

独自の世界を作る 5

独自の世界を作る 5 5、パーソナリティを備えている 結局長く生き残って活動しているマジシャンは、そのパーソナリティ(人格)が認められて、お客様から愛されているから生き残っていると言えます。逆に言えば、マジシャン自身がどんなパーソナリティを備…

今日はお休み

今日はお休み

独自の世界を作る 4

独自の世界を作る 4 3、方向性を見据えている(一昨日からの続き) 自身が何をしたいのかを早くに狙いを定めて、一点を集中して攻めて行くことは自分の世界を作り上げる上で、成功の近道になります。あれもできるこれもできると、ネタ数ばかり増やしてゆくと…

ジャパンカップ2021

ジャパンカップ2021 「独自の世界を作る」は、話半分ですが、今日だけジャパンカップについてお話しします。 3日前の3月23日、夜6時30分から、帝国ホテルの牡丹の間にて第20回、ジャパンカップが開催されました。まず、20回開催されたことが素晴らしいことと…

独自の世界を作る 3

独自の世界を作る 3 3、方向性を見据えている(昨日の続き) 私は20代のころ、マリックさんと接していて、およそ芸能で名前が出ることのない人なのだろう。と思っていたのですが、あれよあれよと言う間に、どんどん世間の話題を集めて知名度を得て。やがて…

独自の世界を作る 2

独自の世界を作る 2 昨日、「独自の世界を作る」ための5つのことをお話ししました。 1、独創性を持つ 2、優れた技術を持っている 3、方向をしっかり見据えている 4、人が見えている 5、パーソナリティを備えている 1、と2、は、この道で生きて行こうとする人…

独自の世界を作る 1

独自の世界を作る 1 このところのブログは、私の日常の些末な話ばかりが続きましたが、皆様には相当に退屈だったろうと思います。幸い体も、頭の中も徐々に回復してきましたので、ここでマジックの話をいたします。 タイトルにある「独自の世界を作る」と言…

昨日退院

昨日退院 皆様にご心配をおかけしましたが、私は昨日退院をしました。5泊6日の入院でした。入院していきなり一切の食事ができません。2日目に、直腸にできたポリープを取りました。直腸とは、大腸から肛門に続く短い通り道です。そこに内視鏡を入れて、直腸…

今日は休み

今日は休み 日曜日はブログを休みます。

鳥皮のたれ焼き

鳥皮のたれ焼き 昨日(18日)に女房と娘のすみれが訪ねて来たようです。訪ねてきてもコロナの感染があるため、面会謝絶です。無論このことは事前に伝えてあったのですが、とりあえず来てみたようです。 私のほうは、昨日からひたすら読書をしています。「志…

ひたすら読書

ひたすら読書 一昨日(17日)は手術で、麻酔が効いて一日ボヤっとしていましたが、昨日は、取り去ったポリープの跡から下血しないかどうか、様子見をするだけで何も用事がありません。それに丸一日食事ができません。一昨日よく寝すぎたために、昨日は少しも…

入院しました 2

入院しました 2 昨日(17日)の手術は、あっという間でした。朝の6時30分に、体内を洗浄する薬を2リットル飲まされました。3時間かけてゆっくり飲みます。そして、呑むとすぐに排便が始まります。私は12回の排便をしました。12回目は殆ど色のない水のような…

入院しました 1

入院しました 1 昨日(3月16日)昼に虎ノ門にある慈恵医大病院に入院しました。何度か慈恵医大には伺っていたのですが、どこに入院の病棟があるのか知りませんでした。いくつもある建物の本館の13階に私がお世話になる部屋がありました。 私は生まれてこの…

入院します

入院します 入院と言ってもたいしたことではありません。内視鏡で大腸のポリープを取るだけです。前にも一度取っていますので、内視鏡は慣れました。 それよりも驚いたのは、コロナ検査です。昨日入院を前にコロナ検査をするために慈恵医大病院へ行きました…

流れをつかむ 8

流れをつかむ 8 バブルがはじけた平成5年から、平成8年くらいまで、私は蝶を改案するために悪戦苦闘していました。言葉で語らずに蝶の一生を語るにはどうしたらいいのか、アトリエに籠ってずっと工夫し続けていたのです。 その答えは、いかに蝶を飛ばすかで…

ブログはお休み

ブログはお休み 日曜日はブログをお休みします。

流れをつかむ 7

流れをつかむ 7 こうして毎日私はアトリエに籠って、古い手順にアレンジを加えて行きました。私の活動を、「手妻を破壊している」。と言う人もありました。それに関しては一切反論しませんでした。私が破壊しているのか、復活させようとしているのかは、近い…

流れをつかむ 6

流れをつかむ 6 「紙卵」がいい手順で仕上がると、卵をはっきり印象付けるような前芸が欲しくなりました。常識的には「袖卵」を演じるべきなのでしょうが、私はこのころ袖卵と言う手妻に疑問を感じていました。 卵が4個5個と出てくる袖卵は、和の型が残って…

流れをつかむ 5

流れをつかむ 5 「お椀と玉」がどうにか形になると、次に「卵の袋」と「紙卵」を手掛けようと考えました。なぜお椀と玉や紙卵から改良を始めたのかと言えば、お椀と玉も、紙卵も、殆ど費用をかけずに、自分で道具や、仕掛けが作れるからです。いきなり、蒸籠…

流れをつかむ 4

流れをつかむ 4 手妻のアレンジを真剣に始めたのは平成5年からでした。無論、今までも手妻やマジックをアレンジする活動はずっと続けて来ました。然し、この時から小手先のアレンジではなく、手妻の歴史や、手妻の成り立ちを踏まえて、思い切った改良をしよ…

流れをつかむ 3

流れをつかむ 3 バブルがはじけると、日本人は急に自信を無くし、経済も低迷を続けます。このころを後に「失われた10年」と呼びました。でも決して無駄な10年ではありませんでした。 バブルは狂乱の時代でした。例えば保険会社などは毎月日本中の支店に勤め…

KSMC

KSMC 本当は今日は、「流れをつかむ」と題して、なぜ私がマジックの方向をイリュージョンから、手妻に切り替えたのか、その理由を細かく書こうと考えていたのですが、それは明日にします。 実は昨晩、KSMC(関東ステージマジックサークル)の発表会があり、…

ブログはお休み

ブログはお休み 日曜日はお休みです。

流れをつかむ 2

流れをつかむ 2 バブルがはじけたと感じたのは平成5年の5月からでした。5月6月7月と。事務所にいて一本もイリュージョンの仕事がかかってきませんでした。昔からのお付き合いの小さな仕事は時々来ます。しかしそれではチームを維持することはできません。当…

流れをつかむ 1

流れをつかむ 1 長くマジックの活動をしているといいときもあれば、うまくゆかないときも何度もありました。昭和57年に、オイルショックの影響で会社の接待費が大きく削られたときに、日本中に3万件もあったキャバレーが1,2年のうちにすっかり消えてしまい…

コロナは続くよどこまでも

コロナは続くよどこまでも このままで行くと、7日の緊急事態宣言は解除されずに、さらに2週間延長されそうです。意味のない延長だと思います。感染者がどれだけ減ったなら解除で、どれだけ増えたなら再延長なのですか、感染者が一週間以上連続で500人以下な…

時流を読む 7

時流を読む 7 実際、昭和の時代だったら、人の持っていないマジックを海外から仕入れてきていち早く演じる。人よりも不思議なことを考え出せる。それができるだけで十分生きて行けたのですが、平成以降はそれでプロを維持するのは難しくなりました。個性的な…

時流を読む 6

時流を読む 6 30代の私は、スペースイリュージョン、和風イリュージョン、水芸の3つのスタイルのイリュージョンショウを持って活動していました。どれも40分の構成です。その中で今も演じているのは、断片的な和風イリュージョンと、水芸です。 20代にひたす…