2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧
天一はお休み 日曜日はブログはお休みです
天一13 屈して伸びる 明治13年の千一前での西洋奇術旗揚げ興行以降、21年の東京進出まで、天一は何をしていたのでしょうか。この8年間はほとんど資料がなく、天一謎の時代です。わずかな資料を基に、私の推測も交えてお話ししましょう。 大道具も水芸も手に…
天一 12 東京進出まで 10年の思い 私が「天一一代」を書き上げたのは2012年でした。それから9年。今回、もう一度天一一代を読みなおしつつ、天一の足跡を書き綴ってみると、話の内容は大きくは違わないのですが、私自身が年齢が経っていますのでその時その時…
天一 11 芸の完成 天一は、ひたすら帰天斎や一登久の芸を見たり、道具を譲り受けるなどして、持ちネタを増やして行きます。帰天斎は、大阪の興行の後も関西方面のあちこちの劇場で半年くらい興行していたようです。天一は、帰天斎の興行先には必ず出かけて行…
天一 10 人生の進路を決定 天一にとって明治13年と言うのはエポックメーキングな年になりました。先ず、自らが立ち上げた西洋奇術の一座が人気を呼び、ようやく安定して活動ができるようになりました。次に、同じ時期に、帰天斎正一、中村一登久が道頓堀で興…
天一 9 帰天斎正一が元は落語家だったと言う話をしましたが、奇術師に転向したのは明治9年頃です。それからわずか4年で、西洋の大道具をいくつもそろえ、中座の大舞台で西洋奇術一座の興行をしています。 同様に、中村一登久です。一登久も謎の多い人です。…
天一 8 超えられない人 明治13年正月、千日前の小屋がけで天一は西洋奇術一座の看板を上げます。この時の天一は、音羽瀧寿斎を名乗っています。西洋奇術一座と言うのは、天一が初めてではありません。明治3,4年ころから既に西洋奇術を演じる奇術師はたくさ…
ブログはお休み 毎週日曜日はブログはお休みです。
天一 7 西洋奇術一座旗揚げ 昨日(21日)は、中華蒸籠(せいろう)を稽古しました。私は中華蒸籠を日本式に改めて演じています。本来日本には、緒小桶(おごけ)と言う三本筒の芸が江戸中期までありました。これは中華蒸籠の原型の奇術です。10年前にこれを…
天一 6 打ち合わせと小春軒 昨日(22日)は、夏以降のショウの企画の打ち合わせに行きました。この企画が決まれば、かなり長く大きな仕事が手に入ります。私のメリットだけでなく、若いマジシャンにも仕事を提供できます。そうなればそこから優れた人材も育…
天一 5 さて四国を離れ、意気揚々と和歌山に渡った天一は、大きな野心を抱いていたでしょう。和歌山で成功すれば、大阪までは目と鼻の先です。大阪で名を挙げて、日本一の剣渡りの大夫になろうと考えていたと思います。 和歌山に着くと、興行師が、「つい最…
天一 4 日々の活動 コロナウイルス騒動が始まり早1年です。この間私はブログを書き続けています。日曜日を除く毎日、原稿用紙にして7枚、約2800字を朝5時半に起きて、弟子の前田が来る9時までの3時間半、途中朝食時間を除いて2時間半、この間に原稿を書きま…
天一 3 指導の日々 昨日は踊りの稽古に行きました、今日は生徒さんが二人来ます。舞台はありませんが、道具の修理をしたり、稽古をしたり、指導をして、日々過ぎて行きます。今は舞台の仕事は発生しませんが、5月以降にはいろいろ依頼が来るようになりました…
天一 玉ひで公演 一昨日(16日)は、玉ひでの公演でした。初めが若手の演技で、前田は紙卵の手順。早稲田康平さんは、シルクや、ジャンボカードを使ったカード当てを演じました。今回から入った戸崎卓也さんはコーンとボール。これは珍しい演技です。こうし…
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天一 私は今から10年前に松旭斎天一の人生をまとめて、「天一一代」と言う本を出しました。日本の歴史の中で、最も成功した奇術師と言えば、江戸時代なら柳川一蝶斎、明治時代なら、松旭斎天一、大正昭和なら松旭斎天勝です。 天勝は亡くなった後も、芝居に…
スウェーデンはどこへ 玉ひで公演 明日(16日)は今年初めての玉ひでの公演です。今年も毎月一回公演いたします。 私の演技の前には、前田、早稲田康一さん、戸崎卓也さんが出演します。戸崎さんは、今回が初めてですが、今後も、二か月に一回ずつ出演してい…
カムイコタンの初雪 北海道を年に2回、キャバレー出演で回り始めたのとほぼ同じころ、九州四国中国地方のショウの出演をしているうちに、この地域のアマチュアさんと親しくなり、指導をすると、予想以上に喜ばれ、「年に2,3回指導で来てくれませんか」。と…
カムイコタンの初雪 さて、北海道の仕事をするためには車で道内を回ることが最適だと判断しました。私は学校を出てすぐに中古のブルーバードのワゴン車を買い、どこにでも乗って行きました。この車はボロでしたが、故障もせずよく走りました。然し、北海道を…
カムイコタンの初雪 またも古い話になりますが、私が20代でキャバレーに出演していたころ、北海道のキャバレーには毎年2度ほど出かけていました。一度出かけると、約一か月、道内を回ることになります。大学を卒業してすぐのころ、私は東京で一日、一晩に二…
才蔵 4 さて才蔵の話もそろそろまとめなければいけません。昭和の手妻師、一徳斎美蝶や、帰天斎正一は、大夫才蔵の形式を残して手妻を演じた最後の手妻師だったのですが、その後、大夫才蔵の形式は失われて行きました。 全く失われてしまったわけではなく、…
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才蔵 3 太夫と才蔵の掛け合いを何とか残そうと考え、これまで様々な手妻の台本を書いてきました。多くは、江戸時代に演じられていた作品を、わかっているところからふくらませて書き加えて行きました。 若狭通いの水、蒸籠、比翼連理の棒(チャイニーズステ…
才蔵 2 才蔵について書く予定が、色々入れ込みをして遅れてしまいました。才蔵とは、手妻の相方で、アシスタントや、助手とは少し違います。もっと経験豊富で、演技の中に深く入り込んで、大夫を助ける役目を担(にな)った人のことを言います。 今、マジッ…
緊急事態宣言 問題の根は何か 物事の根本がよくわからないまま、世間の騒ぎに乗せられて、みんな生活に大きな支障をきたしています。問題の根は何かがよくわかりません。医師が大騒ぎしていることをここに並べてみましょう。 1、病床数が足らなくて、医療が…
虎屋の羊羹 新年会 一昨日は、恒例の新年会を中止し、代わりに、大樹と、石井裕と、前田と私の4人で、寿司屋で一杯やりました。それぞれの顔を見て、コロナの状況下でも、何とか生きて行っているようで安心しました。 全く、年末のパーティーも、新年のイベ…
才蔵(さいぞう)1 手妻には才蔵と称する相方が出て来ます。手妻を演じる人は大夫と言います。大夫の対語が才蔵になります。大夫と才蔵は力関係では本来互角です。互いに力量がなければどちらの役も務まりません。 才蔵を今日のアシスタントと考えるのは間違…
新年会 近代日本奇術文化史 年末にお話ししましたように、暮れから正月にかけて、どこにも行かず、読書を続けています。「近代日本奇術文化史」。は簡単には読める本ではありませんが、およそ半分読みました。読み物の形式ではなく、百科事典のような形式で…
日曜日は休みます ブログはお休みです。
ヒョコ 式神 昨年末から、前田はヒョコの稽古をしています。ヒョコと言うのは割りばしで作った人型が、ひとりでに立ち上がって歩いたり、踊りを踊ったり、丸めた紙が、手のひらで踊ったり、腕を伝って動いたり、様々な不思議を見せます。 ヒョコの歴史は古く…