手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

スウェーデンはどこへ

スウェーデンはどこへ

 

玉ひで公演

 明日(16日)は今年初めての玉ひでの公演です。今年も毎月一回公演いたします。

私の演技の前には、前田、早稲田康一さん、戸崎卓也さんが出演します。戸崎さんは、今回が初めてですが、今後も、二か月に一回ずつ出演していただきます。玉ひでも時節柄、座席数を半分にして、消毒、検温などを徹底して公演しています。

 何にしても現在、舞台のできる場所が不足しています。私も、若いマジシャンも、このままでは演技を披露すべき場所がないまま消滅してしまいます。そうならないために、毎月の公演をしています。2月22日には久々に神田明神エドッコスタジオが復活します。何とか私のつてで、舞台ができるように工夫しています。

 どうぞマジック愛好家の皆様、一度足をお運びください。

 

 

スウェーデンはどこへ

 昨年3月、欧州各国がコロナウイルスの影響で、ロックダウンをする中で、スウェーデンのみが、「ロックダウンには根拠がない」。として、ロックダウンを否定して、国家間の行き来も規制せず、飲食店の営業も大きな規制を設けず、比較的自由な経済活動をしていました。

 スウェーデンには、ヨハン・ジェセック教授と言う、世界的に権威のある細菌学の教授がいて、教授の提言を受け入れて、国としてはあまり規制を掛けずに、経済を守りつつ、コロナの対策を考える方法を模索したのです。そのことはスウェーデン国民も支持していて、これまで緩い規制で日々を送っていたのです。

 ところが、第二波の感染が大きくなり、12月に至って、スウェーデン国王のグスタフ王が異例の声明を出し「スウェーデン方式は間違いだったのではないか」。と言うのです。日本と同様に、王(日本では天皇)が政治に口を挟まないことは慣例として守られていただけに、国内で波紋を呼び、スウェーデン方式は修正を余儀なくされています。

 然し、だからと言って多くのスウェーデン国民がロックダウンを望んでいるわけではありません。修正はあっても依然として、ジェセック教授は支持されています。と言うのも、今のコロナの大流行が続くのは、恐らく3月までだろうと予測されているためです。つまり温かくなれば、ウイルスは自然に減少すると考えられているのです。

 しかも、ワクチンが開発されれば、人の動揺もおさまり、徐々に通常の生活に戻って行くだろうと予測している人が多いのです。

 そうならあと二か月、スウェーデン方式が維持されれば、その結論が出るはずなのですが、周囲の反対者に押され、国王に危惧され、修正を余儀なくされています。

 

 もともとスウェーデン方式と言うのは、イギリスフランスのような、ロックダウン方式に反対してできたものです。「ロックダウンは意味がない、一時的に感染者が減少しても、ロックダウンを解除すればすぐにまた感染者が増える」。と言うものです。実際、夏に感染者が減少した後も、秋になって、またぞろ感染者が増えて行ったわけですから、ロックダウンは社会が疲弊するばかりで、効果は大して望めなかったことになります。

 実際多くの研究家の間でも、ロックダウンは失敗だったとする人が多いのです。日本は、ロックダウンこそしませんでしたが、自主規制と言う、半ば強制的な規制のお陰で、学校が休校になり、その後遺症は今も続いています。大学では未だ授業が殆ど再開されていません。そのため、クラブ活動も出来ず、スポーツ界も、またマジック界も、次の新人が出て来ないまま、継承も発展もままならずにクラブの維持すら危うくなるような打撃を受けています。

 コロナウイルスは、そもそも感染しにくいウイルスです。しかも若者に感染しくいウイルスです。それは初めから言われていたことなのに、学校を休校する理由なんてなかったのです。

 しかも、日本の場合は、ロックダウンではなく、自粛要請です。自分の判断で自粛をしているわけで、国の決定ではありませんから、保証が出ません。おかしな話です。自粛要請をするくらいなら、むしろロックダウンをしてもらったほうが、被害者の救済には役立ったはずです。自粛要請はあまりに中途半端な判断です。

 多くのマジシャンは、自粛要請で、10万円の支援金を貰いましたが、1年で10万円では生活ができません。生活できないまま、また今年に至って緊急事態宣言が出ています。どうやって生きて行ったらいいのでしょう。言葉ばかりが先行して、人の生活が無視されては生きては行けません。

 そうなら、スウェーデンのように、緩い規制で国の経済を守りつつ、コロナに対応して行くことのほうが賢明なはずです。何にしても今のやり方は中途半端です。飲食店の支援にしても、一軒一日6万円と言うのは、夫婦で営業している飲み屋さんならその支援金でやって行けるでしょうが、何人も人を使っている飲食店では何の足しにもなりません。その状況で、8時以降、営業をしてはいけない、営業したら店の名前を公表する、罰金を設ける。とは、何を言っているのでしょうか。

 罰則ばかりが先行して、保証が全くできていないではありませんか。飲食店に関連して、農家、出入りの企業、芸人はどうなりますか。

 

 コロナが爆発的に発生して、危険な状況にあると言いますが、本当ですか。昨年一年間の日本の死亡者の数は、コロナが流行する以前よりも減少しているのです。なぜ減少しているかと言うなら答えは明らかで、みんながうがい手洗い、マスクをするために、風邪や、肺炎、インフルエンザが流行らなくなってしまったからです。

 それは誠にめでたいことです。然し、その分、コロナが爆発的に増えたかと言うと他のウイルスが縮小した分を超えるほどには増えていないのです。

 更に、コロナウイルスで亡くなった人の平均年齢は、日本人が他の病気で亡くなる人達よりも高齢なのです。そうであるなら、コロナの死者は、ほとんどの場合が、高齢者か、持病がある人たちが亡くなっているのです。その人たちは、コロナだから亡くなったとは言い切れません。風邪でも肺炎でも、罹ればかなりの確率で命を落とす人たちなのではありませんか。

 無論みんながみんなそうだとは言えません。然し、数年前、インフルエンザが日に4万人も感染していた時でも、年末正月の宴会は続いていましたし、テレビはインフルエンザの感染者数をニュースにはしなかったのです。これから考えるなら、今のコロナの報道の仕方は異常です。この先、2月末にワクチンが出回り、3月になって、暖かくなれば、感染者は自然減少するでしょう。多くの医師もそう考えているようです。

 もう少し冷静にコロナを見守る気持ちが必要だと思います。

続く