手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

大谷選手への杞憂

大谷選手への杞憂 連日、連日良くもホームランを飛ばせるものだと思います。アメリカの新聞の見出しには、超人、宇宙人と書かれています。こんなスーパースターは大リーグにも、いまだかつて存在しなかったでしょう。打てば連日ホームラン、ピッチャーをすれ…

どうにも逃れられない

どうにも逃れられない 私にはどうしても完成させなければならない手妻の演技が幾つかあります。その中でも、もう15年も前に作り始めて、作っては壊し、作っては壊し、部分部分を直し、直しを繰り返し、いまだ舞台にかけていない作品があります。道具はほぼ完…

程よきところ

程よきところ ようやくオリンピックムードが盛り上がって来ました。100m走、200m走の出場者が決まり、いよいよ本番は目前なんだと、見ている側も緊張して見るようになりました。聖火リレーも、小遊三師匠が走っている姿を見て、「あぁ、噺家もオリンピックの…

ブログはお休みです

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誰に遺すか

誰に遺すか ブログではお伝えしませんでしたが、今月の初めから体調に異変がありました。幸い今は解決しました。その顛末をお話しします。 今月初め、右足の薬指の付け根が少しむずがゆく。「虫に刺されたのだろうか」。と思っていました。それが足の指の周…

町の風格 4

町の風格 4 ブルージュと言う古い町の、250年も前に建てた家を借り、しかもその家の二階に住み、床がきしむ音を立てながらも、それを気にもせず、そこに住むことに満足し、高価な家賃を払う。私はそうした生き方に憧れを抱きます。 つい最近、私の家は、トイ…

町の風格 3

町の風格 3 ブロック塀 日本の住宅街の景観を悪くしているのは電柱だけではありません。一番目に付くのはブロック塀です。日本人ほどデリケートな感性を持っていて、しかも深い美意識を備えている国民が、なぜ、寄りによってブロック塀を放置しているのか首…

町の風格 2

町の風格 2 道路斜線 ここで僭越(せんえつ)ながら土地の基礎的なお話を申し上げます。土地には住宅地や商業地など、建物の種類があらかじめ規制されてています。まったくの住宅地にカラオケ屋さんなどは建てられません。しかも土地には必ず、建蔽率(けん…

町の風格 1

町の風格 1 ほんの1年半前までは、インバウンドで世界から大勢の観光客が日本を訪れ、あちこちで「日本はすごい」、とか、「美しい」とか、絶賛されていました。実際話題が話題を呼んで、次から次と観光客が来たわけですから、あながちお世辞ではないとは思…

玉ひで感想

玉ひで感想 一昨日(19日)の玉ひで公演 一昨日、玉ひででマジックと手妻の公演を致しました。お客様は18名で満席です。(当日お越しにならなかったお客様が2名。間際のキャンセルは返金されません)。会場に空しく2名分の丼が残りましたが、終演後、司会の…

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ネットとマジック 2

ネットとマジック 2 どうもマジシャンのネットでの活動を見ていると、今までの舞台の活動をそのまま平行移動しているだけに見えます。そうした活動をネットで繰り返していても、今まで以上の観客の支持はつかめません。 今、現実は、コロナによって舞台の出…

ネットとマジック 1

ネットとマジック 1 コロナ禍でショウのチャンスが少ないために、多くのマジシャンがネットを利用して自らのマジックをアピールするために、画像を載せています。 自分の演技を載せることも、指導料を取ってマジック指導をすることも全く効果がないとは思え…

自主公演 2

自主公演 2 当初私は、1年間も玉ひでの公演を続ければ、コロナは解決し、今頃は、海外からのお客様が連日やって来て、1日2回の開催になっているのではないかと思っていました。いやそれ以上に、週2日間、1日2回、合計、月間8回の公演が達成できていただろう…

自主公演 1

自主公演 1 今、私が毎月一回行っている、玉ひでさんの座敷での手妻公演は、全く私の自主公演です。玉ひでさんにお願いして、お客様が食事をすると言うことで座敷をお借りする、それだけの条件で、座敷を使わせて頂いています。 幸いこの条件なら、私にとっ…

カズレーザーさんの野望

カズレーザーさんの野望 先日、私はマスコミの今の姿勢がおかしいと思い、オリンピックにケチをつけるのはよそうと書きました。それはどこのテレビ局でも、オリンピックをやめたほうが良いと言うことを大合唱していたためです。私はやると決めた以上、反対は…

あがり症って何 4

あがり症って何 4 あがり症の話もそろそろまとめなければいけません。 あがり症と言うのは、自分が平常心を保てなくなるほど緊張して、普通に舞台活動が出来なくなることを言うのだと思いますが、なぜそうなるのかと考えると、それは、自分自身が自分を緊張…

今日はお休みです

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あがり症って何 3

あがり症って何 3 私が、楽屋で吐き気がするほど緊張したのは、余りに多くのことを抱え込みすぎていたのです。慣れない手順を演じ、いい顔を見せて、いい青年を演じ、仕事に結びつけて、収入を上げたい。などとあれもこれも望みすぎていたのです。一度、背負…

あがり症って何 2

あがり症って何 2 昨日(10日)私があがり症であると言うことを書きました。しかし実際、私が、出番前にがちがちに上がって、手が震えたり、声が出なかったりすることはありません。普段の舞台でも、緊張することは少ないのです。それは、自分で自分をコント…

あがり症って何 1

あがり症って何 1 私は、普段、舞台に立つ前と舞台に立って演技しているときと、なるべく変わらないように振舞っています。周囲の人から、「よくそんな自然体でいられますね」。と言われます。10歳の時から舞台に立っていますので、もう56年。マジックをして…

だから言ったのに

だから言ったのに オリンピックの開催が50日を切りました。主催者、運営団体の人たちや、アスリート、支援者の皆さんは連日大忙しだと思います。やると決定したことです。とんでもない費用をかけて世界的なイベントを開催するわけですから、日本国民みんなで…

梅雨から夏へ

梅雨から夏へ ご報告が遅れましたが、家の改築が6月3日に終わりました。およそ20日間かかって、台所、風呂場、トイレ、洗面所が新しくなりました。水回りのすべてが新しくなったわけです。何より、この20日間。工事現場の中で生活をしなければならなかったの…

2日間のショウ

2日間のショウ 一昨日と昨日(6月5日6日)の二日間、小さなイベントに出演しました。日本橋の田源(たげん)さんと言う大きな呉服屋さん展示会のイベントでした。コロナの非常事態宣言のために日程変更などありまして、一時は開催も危ぶまれましたが、何とか…

今日はお休み

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踊り をどるなら 4

踊り をどるなら 4 日本舞踊が、歌舞伎から独立して、単独に舞踊として見られるようになったのは明治以降だそうです。それ以前は、歌舞伎の中で役者が演じていたわけで、専属の舞踊家と言うものはいなかったそうです。その舞踊は、役者の中で振り付けの才能…

踊り をどるなら 3

踊り をどるなら 3 まったく舞踊に興味のない人を舞踊の会に誘ってその感想を聞くと、「うまさの基準がわからない」。とか、「名人、上手の舞踊がなぜ名人と言われるのかわからない」。などと言う反応が返ってきます。 西洋の舞踊、例えば、バレーやジャズダ…

踊り をどるなら 2

踊り をどるなら 2 踊りはフリガナを振ると「おどり」と書きますが、明治以前は、「をどり」と表記しました。単語の頭に「を」を使うのは今では不自然に感じますが、実際はそう使いました。発音も、おどりを「うぉどり」と発音していたのでしょう。50音の発…

うなぎを食す

うなぎを食す 昨日(5月1日)ようやく風呂場が完成しました。丸一週間銭湯に通っていたため、昨晩、風呂に入って、「風呂のある生活がなんと贅沢なことか」、と改めて有難みを感じました。内壁はタイル張りの壁をすべて剥がし、琺瑯(ほうろう)引きの鋼板を…

踊り をどるなら 1

踊り をどるなら 1 舞踊は18の時から稽古を続けています。先生もこれまで何人か変わりました。初めは、上板橋の呉服屋のお嬢さんで、藤間勘加寿(ふじまかんかす)先生と言う若い先生に習いました。十年ほど習って、先生が引っ越されたのでそのまま稽古は終…