手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

芸能 芸術 の始まりは

言葉は時代とともに意味が変化して行きます。 芸術と言う言葉の意味も、この200年で大きく変わっています。芸能、演芸、芸術は何がどう違うか。ことさら業種を区別して、これは演芸、これは芸術とまことしやかに言う人がありますが、私はあまり意味はないと…

芸能 芸術 を書くつもりが

昨日、27日は昼に富士の指導をしました。なかなか会員が病気を恐れて集まらずに、5人で指導を致しました。どうも、コロナウイルスは、病気以上に、人の目が厳しくて、人は出歩かず、なかなか日常の生活に戻れないようです。こんなことで過大な対応をしている…

コロナ後の指導

昨日の、神田明神は、日向大祐さん、早稲田さん、村川さんの3人が見に来ました。 神田は広々したいい舞台ですので、本当なら、毎月、若手マジシャンのライブをやりたいくらいの気持ちです。実際そうなるといいと思います。私にもう少し力があれば、それくら…

十牛図 7

今日は昼から神田明神で公演があります。お弁当付きで5600円ですが、今からではお弁当は間に合いません。公演だけをご覧になるのであれば、3000円です。ご興味ございましたらお越しください。 さて、連日、禅の十牛図を解説していますが、そもそもマジックの…

十牛図 6

私は日本と言う国を愛する一人ですが、唯一日本人の他人を監視する目だけは辟易します。これはもう異常と言っていいくらいです。あまりに偏狭なものの考えで、自分以外の人を自分の尺度に閉じ込めて考えようとします。特に芸人などはこれではばかばかしい発…

十牛図 5

今週末は神田明神ですが、非常事態は解放されたとはいえ、人はおいそれとは遊びに出ません。どこの劇場も集客には苦労しています。「人を集めすぎてはいけない」。のだそうです。客席を2m以上お客様の感覚をあけろと言います。そんな必要がどこにあるのでし…

十牛図 4

今週金曜日、26日に、神田明神伝承館の地下一階にある江戸っ子スタジオで、私の公演があります。12時から食事、お弁当付きで、5500円、(鯛めし弁当です)。12時30分から公演が始まります。ご興味ございましたら、どうぞ東京イリュージョンまでご連絡くださ…

十牛図 3

昨日猿ヶ京の合宿から帰宅しました。これを面白いと感じてくれる若い人がかなりいると言うことがまだ日本のマジック界に希望が持てます。今や、アメリカやヨーロッパが息切れし、韓国が発展先の見えない状況になってきて、私は、次の時代にマジック界を背負…

猿ヶ京合宿のためお休み

今日20日と21日は猿ヶ京合宿のため、ブログはお休みです。 21日朝に調子が良ければ、十牛図の3を書きます。お楽しみに。

十牛図 2

明日から猿ヶ京でマジックの指導があります。10人のマジック好きが集まって、合宿をします。2日間、朝から晩までマジックの練習をして、手順物を2作程度習得します。稽古の間に、山歩きをしたり、温泉につかったりして、東京とは違う生活を満喫し、たっぷり…

明日は我が身

昨日は、名古屋のキャッスルホテルで水芸を演じてきました。広いパーティー会場で気持ちよく水芸の演技ができました。有難いと思います。長いこと舞台が出来なかったものですから、この先、舞台のチャンスが永遠に来ないのではないかと心配していました。で…

十牛図

私の文章の好きな人は、私がたびたび十牛図(じゅうぎゅうず)を例にとってマジシャンの成長過程を書いていますので、ご存知かと思います。禅の公案の一つかと思いますが、僧の修行の過程をわかりやすく絵解きしたものが十牛図です。これがマジックの修行に…

舞台活動開始 天一と水芸

先週12日、金曜日が神田明神、13日、土曜日が玉ひで、共に小さな舞台でしたが、明日は名古屋で水芸をいたします。そのため、朝から大道具を出して、荷物を組んでいます。こうした仕事はいつものことではありますが、コロナウイルスが間に入ったために久しぶ…

コロナは終息するか

私はここで度々コロナウイルスについて書いてきました。私は医療に詳しいわけではありません。たまたま数人の医師を知っているだけで、その医師が言うには、「コロナウイルスは流行り風邪だ」。と言うことと、「そのウイルスを治す方法が今のところない」。…

しごと初め 香港の引っ越し

昨日神田明神での公演は、コロナウイルスの騒ぎの後、初の舞台でした。2月以降に仕事がなくなり、ようやく、6月12日に仕事始めとなりました。人生で4か月半も舞台を休んだのは初めてです。神田明神は何とかうまく行きました。 その翌日、13日は、玉ひでの座…

火渡りの術

古代のマジックの中で最もポピュラーだったものに火渡りの術があります。但し、この術が、ヨーロッパにあったものかどうかは分かりません。東アジアからインドくらいまででよく演じられていたようです。火渡りは今日の感覚で言うなら危険術であり、当時も超…

古代のマジック 2

秦から唐に続く散楽(幻戯、百戯、散楽と続く)の歴史は、個々の芸能の内容は多少変わって行っても、歴代皇帝は芸能を守り続けて行きました。恐らく宮廷内に、スカウトマンがいて、巷で優れた芸人がいると聞くとすぐに見に行って、よければ年間契約をしたの…

黒いスーツケース

エースと言うカバンメーカーがあります。今はプロテカと言う名前のスーツケースをテレビ宣伝していますので、ご存知の方も多いかと思います。このメーカーで、今から15年前に最高級の皮を使ったスーツケースを2つ買いました。前々からいいスーツケースが欲し…

古代のマジック

須美様、植瓜術の誤字ご指摘ありがとうございました。 今週から舞台活動が始まります。半年近く舞台を休んだと言う経験は、私の人生では初めてです。12日が神田明神の伝統館です。13日は人形町の玉ひでです。どちらもお客様が待ち望んで下さっていて、結構人…

奈良の大仏と伝染病

疫病の蔓延 奈良と言えば一番人気の観光名所は東大寺の大仏でしょう。しかしなぜ奈良に大仏があるのかをご存じない人が多いようです。東大寺は、日本全国にある国分寺の総本山です。国分寺とは、聖武天皇が、742年に、全国に仏教を定着させるために、模範と…

指に足りない一寸法師

今は童謡を歌う人も少ないと思いますが、私の子供の頃は学校でも、テレビでも普通に動揺が歌われていました。その中で私は、一寸法師の歌と言うのが、子供のころからいい歌だなぁ、と思っていました。歌詞は「指に足りない一寸法師、小さな体で大きな望み、…

天職とは何か

人は何かをなそうと生きています。然し、その何かが何であるか、はっきりわかっている人がどれだけいるでしょうか。このことの最も顕著な例が、横田滋さんの人生ではないかと思います。昨日、横田滋さんは87歳で亡くなりました。 横田さんは日本銀行に勤務し…

伝統芸能が危ない 5

今日は朝から、月に一回の糖尿病の検査です。このところ病院通いが増えて、我ながら嫌になります。血液を抜いたり、血管の検査をしたり、午前中に様々な検査をしてずいぶん時間がかかります。私の主治医は石橋健一先生と言って、三軒茶屋で開業しています。…

巡り巡って同じこと

ロックダウンや、自粛要請を解除すれば、今まで潜んでいたコロナウイルスがまたぞろ這い出してきて感染者を増やすのは当然のことなのです。結局自粛要請と言うものは感染を引き延ばすだけのことで何ら根本的な解決にはなりません。 私はスゥエーデン方式のよ…

伝統芸能が危ない 4

昨日は浅草に出かけ、買い物をしました。ところが、そこで転んでしまったのです。右足を滑らして、足が左右に大きく広がり、また裂き状態で転びました。然し、その場は立ち上がって、大したこともなく、その後も買い物をしました。夕方に自宅に戻り、寝る段…

伝統文化が危ない 3

5、舞踊 6、邦楽 (続き) かつて、国立劇場の裏の出演者用の駐車場は、ズラリベンツが並んでいました。半分は歌舞伎俳優が乗る車であり、残り半分は邦楽演奏家が乗る車でした。バブルの頃の邦楽演奏家の収入は、伴奏者としてのミュージシャンとしては、最…

伝統芸能が危ない 2

江戸落語、上方落語 東京には落語協会と落語芸術協会の二つの落語家の組織があり、都内の4つの寄席と契約をして、交互に落語家を寄席に出しています。この二つの協会のどちらかに所属すれば、マジシャンでも寄席に出演できます。寄席のいい所は一年中出演の…