手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

コロナは終息するか

 私はここで度々コロナウイルスについて書いてきました。私は医療に詳しいわけではありません。たまたま数人の医師を知っているだけで、その医師が言うには、「コロナウイルスは流行り風邪だ」。と言うことと、「そのウイルスを治す方法が今のところない」。そして「しかし、もし罹ったら家で寝ていて直す以外にない」。また、「罹っても、体力のない老人か、または、合併症を発生していない限り、ほぼ治る」。「子供や若い人には罹りにくい」。という話を、数人の医師から聞いています。

 

学校閉鎖、非常事態宣言は過剰反応

 この話を聞いていままでの日本のウイルスへの対策を見ていると、まず、学校閉鎖は必要なかったのではないかと思います。日本中の小、中学校を半年も閉鎖することに何ら意味はなかったと思います。元々子供には掛かりにくいウイルスですし、多くの子供はほとんど地域から離れて活動することはありません。それを自宅待機させたことは、明らかな過剰反応だったと思います。

 そして、非常事態宣言と言うものも、全く意味がなかったのではないかと思います。

非常事態宣言によって、マスコミが騒いで、政治が騒いで、日本中大騒ぎの末に、会社を休業にし、人の集まる施設を休業し、そうして、多くの人に犠牲を強いて、表向きは数値上の感染者を減らしはしましたが、それでウイルスは撃退できましたか。

 その代償には国の経済がめちゃめちゃになっています。多くの企業、有名店、ライブハウスや、劇場、ホテルが倒産しています。

 非常事態宣言を支持していた、医学界の権威者や、ノーベル賞受賞者の先生は、なぜ、非常事態の末に、経済が疲弊することに気付かなかったのですか。私は初めから、非常事態宣言などしたら、国が崩壊すると言い続けました。奇術師ですらわかることが、なぜ政治家や科学者にわからないのですか。その理由は簡単です。一つの事象を捉えるのみで、人を見ていないからです。

 

人の生活があってこその病気対策

 社会は人の営みで成り立っていると言う大前提を理解していないのです。非常事態宣言をすれば、町の商店街の焼鳥屋のおやじが失業する。定食屋のおやじが失業する、銀座のクラブのママさんが失業する。レストランのオーナーが失業する。そこに出入りしているマジシャンが失業する。

 一人一人を見ていたなら、たいして世間に強い影響力を持った人たちではありませんから、彼らが失業することなどなんとも思っていないのです。政治家も科学者もテレビ局も、平気で彼らに犠牲を強いるのです。何の保証もせず、何の協力もせずに、しばらく我慢しろといいつつ、彼らの生活の息の根を止めるために、連日マイナスの情報を流し続けるのです。

 そこに悪意はないとは言わせません。感染者の数は報道しても、完治した人の数は報道しません。コロナウイルスに罹った人の数は報道しても、他の肺炎や、感染病の患者の数は報道しません。ことさらコロナウイルスだけがとんでもない危険なウイルスであるかのような報道ばかりしていました。然し、今になって見れば大した病気ではなかったのです。

 

我が身に返るウイルス

 しかしこのことはこの先になって大きな問題を生みます。秋口に第2のウイルスが出て、もう一度非常事態宣言をして、自粛を求めれば、今度は有名企業まで倒産することになるでしょう。旅行会社は勿論。航空機の企業も、デパートも、ショッピングセンターも、自動車メーカーすらも、このままでは倒産です。

 そうなれば、あれほどはしゃぎたてて毎日特集を組んでいたテレビ局も、不況で、企業が倒産すれば、スポンサーが集まらなくなり、一日何時間か放送休止になるかもしれません。病院も倒産するかもしれません。不景気になれば地方都市の税収も大きく減って、補助金や補填もできなくなります。そればかりか地方公務員の給料も遅配になる可能性もあります。公務員ならつぶれないと思っていた人たちも、意外にあっさり給料が減って愕然とするでしょう。その時、焼鳥屋のおやじの失業を他人事のように見ていた連中が、周り廻って生活できなくなってゆくのです。誰がいけないのでしょうか。

 事はコロナウイルスではないのです。何事も問題が起こった時に、まず人の生活を考えなければ国は成り立たないのです。コロナウイルスの死者を減らしても、会社や、店をつぶして自殺した人が感染患者を上回れば、それは政策が成功したとは言えないのです。そうであるなら、非常事態宣言は何ら意味がなかったことになるのです。

 

解決はスゥエーデン方式のみ

 私は前回書きました。非常事態宣言や、ロックダウンは一時期感染者を減らすことにはなりますが、非常事態を解除すれば、すぐにまた感染者は増えると。表向き、統計で、感染者を減らして見せても、意味はありません。ウイルスは必ず増殖します。なぜなら、いまだに特効薬もワクチンも見つかっていないのですから。

 無理に感染者を減らすことにあまり意味はありません。むしろ、スゥエーデン方式のように、普通に生活をして、企業も、レストランも普通に営業して、もし、ウイルスに罹ったなら、病院に行き、治療をし、自宅で静養し、直し、そして、免疫力を身につけて、その免疫力でコロナウイルスに立ち向かい、感染力を抑えて行く。

 こうする以外、解決の道はないのです。ただしこのやり方は、世界的には評判の悪いやり方です。一時的に感染者を増やすからです。然し、伝統的に、人類が、ウイルスに立ち向かってきた方法は、こうして生きてきたからです。どんなに死者を増やしても、特効薬や、ワクチンができない限りはこうして生きる以外手がなかったのです。

 昔と違い、今は医療も発達しましたし、衛生面でも発達していますから、百年前とは比べ物にならないくらい、感染者は少なくなっています。昔の医療は、不衛生な設備、院内感染、他の病気の併発などで、多くの死者を出していたのです。今は格段にそうした面は改善されていますから、人が普通に仕事をして、その中で病気を治して行けば、そう危険なことにはならずに、解決するはずです。

 特にアジアや日本のように、中国のウイルスに対して何らかの免疫力を持っている国々は、おいそれとは感染者を増やしません。それは現実に、感染者の数が証拠となっています。そうなら、極端なロックダウンや非常事態宣言をすることなく、やんわりスゥエーデン方式に切り替えたほうが正解と思います。実際日本の感染者が少ないのは、規制による効果ではなく、免疫力が功を奏しているからではないかと思います。

 この先再度、非常事態宣言など考えないことです。そうでないと、本当に、とんでもない大不況が訪れるようになります。現に、アメリカも、イギリスも、フランス、イタリアも、中国、韓国も、国の経済が極めて危険な状態に来ています。このままではどこの国も、町の景観は崩れてしまい、経済は崩壊します。ウイルス対策に懸命になっている間に、みすぼらしい最貧国に落ちてしまいます。

そうならないために、もう一度、一人一人の生活を見つめ直すべきです。

続く