手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

カズレーザーさんの野望

 カズレーザーさんの野望

 

 先日、私はマスコミの今の姿勢がおかしいと思い、オリンピックにケチをつけるのはよそうと書きました。それはどこのテレビ局でも、オリンピックをやめたほうが良いと言うことを大合唱していたためです。私はやると決めた以上、反対は控えて、なるべく応援したらどうかと書きました。テレビのコメンテーターと称する人たちが、あまりに聞き苦しい発言をするため、不快感を感じ申し上げたわけです。

 昨日、カズレーザーさんが、私が書いたこととほぼ同じことを、視点を変えてテレビで語っていました。つまり、「オリンピックをやめろと言った局は、それが真面目に練習しているアスリートの気持ちをどれほど憤慨させているのか気付かないんですかね。彼らがメダルを取ったりしたら、オリンピックをやめろと言ったテレビ局の取材には応じない可能性もあるし、番組に出場することを拒否するアスリートが出るかも知れないことを知っているのですね」(大意)。

 カズさんは表現の仕方がうまいと思います。私のような直接的な話し方をせずに、湾曲にいいながら、行き過ぎたマスコミの発言に警鐘を鳴らしています。そしてみんなによくわかるように説明しています。頭のいい人です。

 カズさんは、初めは漫才をしていて、その後人気が出てから、クイズの回答者になって、その知識の豊富さを世間に認められています。それはそれで素晴らしいことです。

 然し、最近のカズさんの行動を見ていると、おやっ、と思うことがいくつか出て来ています。ひょっとしてこの人は、お笑いの世界にとどまる人ではないのかも知れません。視野はもう少し先を眺めていて、遠大な構想を描いているのかも知れないのです。

 

 それは、カズさんが自衛隊に出かけて、体験入隊をしたり、自衛隊の最新鋭の戦車や、ジェット機を紹介して、その性能を褒めたり。自衛隊に敬意を持って、訓練する姿を憧れのまなざしで見る番組をやっていたのです。

 テレビに自衛隊を持ち込むことはタブーです。それは,今も自衛隊の置かれている立場が不明確で、自衛隊の存在そのものを否定する人さえいるからです。本来は憲法を改正して、立場を明確にさせなければいけません(おっと、うっかりしたことは言えません)。でも、このことは、日本中の大概の大人は気付いています。然し、そのことを表立って誰も言い出せずにいたのです。日本人はあえて自衛隊の話題を避けています。

 それを大胆にも番組に取り入れて、しかも、まるで子供が戦車や飛行機に憧れているかのように、自衛隊の兵器を解説していました。あの姿は、一歩間違えたらすぐに右翼だと指を刺されそうなために、みんなあえてしないのですが、私のような年齢の大人なら、みんな、子供の頃はプラモデルで第二次世界大戦時代の最強兵器を作って遊んでいたのです。

 大和や武蔵のプラモデルを買って来て、ドキドキしながら作った思い出は今も忘れません。なぜドキドキしたか、それは、これほど優れた兵器が子供の小遣いで手に入ったからです。戦車も、戦闘機も同じです。ゼロ戦や隼の形の美しさは子供ながら惚れ惚れしました。スピットファイヤーも、グラマンも、ユンカースも作っていてぞくぞくするような名機でした。ロンメルと言うドイツ軍の戦車の強そうな顔つきは今も忘れられません。カズさんはそんな子供の気持ちを素直に番組にしたのです。

 当然反対者は出たはずです。然し、彼はあえて世間のタブーに挑戦しています。良いことは良い、面白いことは面白いと、自分の感情を素直に語ろうと考えているのでしょう。

 

 私はこの先、カズさんが日本国内にある様々なタブーに切り込んで行って、独自の解釈を打ち立てるのではないかと思っています。カズさんにすれば当たり前の考えが、実際には、一言語るとたちまち、右翼だの軍国主義者だのと言って、内容も聞かずに天から否定するような人たちがいます。

 何でもかでも政府のすることを否定して、否定することが知識人だと考えている人がいます。オリンピックをやめろと言った人たちも同じです。自衛隊違憲だからと言って認めない人たちも同じです。どうもカズさんはこの先、そうした人たちと戦おうとしているのではないかと思います。彼は彼なりの語り口を持って日本の知識人を切り崩して行くのではないかと思います。

 私の推測も交えてではありますが、この先、カズさんが行動して行く道が私なりに見えます。あっさり右翼とレッテルを張られないように、今、カズさんは危ない道をうまく歩いています。ひょっとしてこの人は10年後には、自民党と並ぶ大政党を打ち立てて、大きく日本を変えてゆくのかも知れません。

 自民党が踏み込もうとして、遅々として踏み込めない壁を壊して、新たな保守政治を作り出すのかも知れません。橋下徹さんがやろうとして結局尻切れになってしまった新保守政治。

 カズさんは、今は赤いスーツを着て、クイズの回答者になって、三枚目になって人気を集めていますが、それは本心ではないでしょう。明らかにこの人はもう一つ先を見ています。将来的には新保守の旗頭に立つ人なのかもしれない、と私は見ています。この先のカズさんの行動を期待して見て行きたいと思います。

続く