手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

入院しました 2

入院しました 2

 

 昨日(17日)の手術は、あっという間でした。朝の6時30分に、体内を洗浄する薬を2リットル飲まされました。3時間かけてゆっくり飲みます。そして、呑むとすぐに排便が始まります。私は12回の排便をしました。12回目は殆ど色のない水のような便でした。これで大丈夫です。

 朝食も昼めしも食べられません。代わりに点滴を打ちます。生まれて初めての点滴です。私はずっと病気とは無縁の生活をしていましたので、病院の小道具はどれも新鮮です。血糖値の測定も、毎日一回来ます。何も食べていないので、血糖値は100でした。健康体です。

 考えてみれば。糖尿病の血糖値を下げようと思ったら、食事をしなければいいのです。あれも食べたい、これも食べたいと思って、何でも食べるから血糖値が上がるのです。日頃如何に余計なものを食べているかと言うことです。

 と言ってしまえばその通りなのですが、食べることの欲求には逆らえません。あれが食べたい、これが食べたいと思うから、日々の仕事に励めるのです。食をやめてしまうくらい情けないことはありません。

 午後1時半に手術室に行きました。手術と言っても体に傷をつけるわけではありません。肛門から内視鏡を入れて、腫物を見つけて、内視鏡についているはさみで切り取ってゆきます。実際私はその作業を見ていません。

 手術台に上がるとすぐに麻酔をかけられ、目が覚めると、病室のベッドに寝かされていました。その間、まったく何が起こったのか記憶にありません。

 ただし今回は、少し麻酔が強かったようで、目を覚ますともう夕方4時半でした。そして、少し頭がくらくらします。まだ麻酔が残っているのでしょう。

 

 さて、さっそく、読みたい本を読もうとしますが、頭が文字を受け付けません。まったく意識のないまま手術が終わったのですが、恐らく体は相当疲労していたのでしょう。やけに体がだるいのです。文字がかすみます。仕方なく目を閉じると、1時間くらい寝てしまい、また目を覚まします。目を覚ましたなら、本でも読もうかと思いますが、それは体が受付ません。結局寝るしかありません。

 そんなことを繰り返し、深夜まで寝たり起きたりを繰り返していました。ブログでも書こうと思って、パソコンを空けますが、どうも気力がありません。結局、寝たり起きたりを今日(18日)の朝まで繰り返しました。

 こんな生活は生まれて初めてです。何にもしないのは楽でいいのですが、どうもこのまま年を取ってゆくようで落ち着きません。

 昨晩は食事もありませんでした。点滴が生命線です。なんとも寂しい話です。今日一日は傷がふさがるのをひたすら待ちます。排便に血が混じっていてはだめです。私の努力でどうにかなる話ではありません。静かにしているほかはありません。

続く