手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

ヒカキン木村花裏表

 今朝は一番に皮膚科に行きました。高円寺の駅近くにきょうオープンした城皮膚科です。行ってみると私が患者一号でした。お医者様は中国人のようでした。だいぶ良くなっていたので問題はありませんでしたが、左目が腫れているため、眼科に行ったほうが良いと言われ、そのあと、すぐに高円寺北眼科に行きました。二か所病院に行って、薬をもらうとずいぶんの種類の薬が集まりました。これを全て時間通りに正確に飲めるかどうか。簡単ではありません。それでも、顔の腫れは取れ、快方に向かっています。

 

 私はブログを始めるにあたっていくつか自身が心に決めたことがあります。詳細は別の機会に話しますが、その一番大切な一つは、返信しないことです。全くしないわけではありません。住所と名前がはっきりわかる人以外には返信をしません。そうでない人は野次馬です。野次馬は相手の返事を受けて、更なる中傷を加えます。中傷に腹を立てて反発すれば、それを揚げ足取りして、仲間の野次馬が一層騒ぎ出します。うまいストレスのはけ口を手に入れたとばかりに、悪口の大合唱に変わり、やがて「言った」「言わない」に変わります。そんな人たちを相手にしてはいけません。

 ブログであれ、youtubeであれ、ツイッターであれ、不特定多数の人を相手にするときはよく気を付けなければいけません。何に気を付けるのか、相手は自分が身を隠していることをいいことにいじめや妨害を平気で仕掛けてきます。そんな時に、自分が正しく真面目に活動していればそんな被害は受けないと思っていると、それが落とし穴なのです。相手はとんでもない理由でいじめを仕掛けてきます。

 私も経験のあることですが、私が会ったこともない人から。「藤山嫌い」。と言われます。舞台の仕事をしていればそんなことはしょっちゅうです。いちいち気にしていては仕事ができません。「偉そう」、とか、「マジック界を仕切っている」。とか。「なんとなく嫌い」とか。要するに見た目で決めて、あとは完全否定するのです。こうした人にどんなに誠実に接しても結果は同じです。私をストレスのはけ口に利用しているわけです。理性で判断ができない人たちなのです。

 つまり、タレントであることは、それだけで知名度なり収入があるわけですから、そこに妬みや僻みが発生します。決して自分自身がお高く留まっていなくても、「なんとなく嫌い」と言われるのです。

 ところがそんな人に限って、私が何か成功して、世間が評価してくれるようになると、手のひらを返したように擦り寄ってきます。妙に古くからの仲間だった話をします。昔から私を嫌っていたことは知っています。でも仲間だったことはありません。ところが、ここで冷たくあしらうとたちまち敵に回ります。敵に回すと小さな嫌がらせをします。仕方なく写真を撮るくらいはします。でも全く油断のできない人たちです。

 

 先日亡くなった木村花さんはこうしたファン、アンチファンの嫌がらせの重圧で亡くなったのでしょう。お気の毒です。ファンもアンチファンも実は表裏一体です。特定のタレントを追いかけていて、そのタレントにあった時に、素通りされたと言うだけでアンチファンになる人がいます。ファンの人の価値判断は自分なのです。自分を認めてくれた時にはファンになり、拒否されればアンチに回ります。それをいちいち気遣っていては生きては行けません。どこかで区切って考えなければタレントとしてやって行けないのです。愛する人も嫌う人も同じ人であることを忘れないことです。

 マジシャンであれ、俳優であれ、歌手であれ、タレントとして生きる人は、自分が愛されているのは虚像に対してであって、自分自身でないことをはっきり知ることです。その上で、無理に虚像を作ろうとせず、無理にタレントを意識しようとせず、常に自身を客観的に見ることです。そして、ファンに積極的に近づかないことです。

 よくよく気をつけて、お客様として接するか、少し親しくなっても決してべたべた付き合わないように注意することです。

 人の付き合いはどんな場合でもそうですが、片方が、知名度や収入を得てしまうと対等な付き合いはできなくなります。友達付き合いと言うのは難しいものです。それができるのは、売れる前から付き合っていた仲間のみです。

 ファンとタレントの関係では一層難しいものです。どんなに親しく付き合っても限界があります。友達、親友と捉えることはよしたほうがいいのです。それは、長くおつき会いするためのは絶対に必要なことなのです。

 

 さて今回の花さんと対極にあるのがヒカキンさんでしょう。ヒカキンさんのこの数年の活躍は誰もが認めるところです。youtuberでここまで名前を成す人が出るとはだれも思わなかったはずです。しかしそのためには大変な苦労を重ねて来ています。真似ようとしてできることではありません。

 特に彼は仲間の地位向上のためか、小池百合子都知事と渡り合ったり、医療機関に1億円を寄付したりと、随分目立った活動をしています。金があるから出来る。と言ってしまえばその通りですが、それもこれも一つ一つの動画の積み重ねで作った資金です。それを思い切って使う姿勢は素晴らしいと思います。

 但し、気を付けないと、ここも危険な連中にたかられる可能性があります。そもそもyoutubeそのものが不安定なジャンルです。うまく長く続けばいいのですが、コンピュータの世界は危ういです。長く成功を維持していくことを期待します。などと月並みなまとめをしてしまいました。

 

 私は6月13日、たまひでで公演を再開します。親子丼のコースを食べながら江戸の手妻を見る会です。11時30分オープン。12時から会食、13時からショウ。

お食事の合間に、弟子の前田将太、日向大祐、ザッキーが出演します。事前予約は東京イリュージョンまで。03-5378-2882

 

 神田明神でも手妻の公演をいたします。6月12日、26日、伝統館の地下一階、エドッコスタジオで公演。

11時30分から、鯛めし弁当が付きます。食事付き5600円。要予約

03-5378-2882まで