手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

7月23日

7月23日

 

 私はまだ大阪にいます。本来なら昨日中に東京に戻っていなければいけません。それがどうして大阪にいるのかと言うと、昨日朝、新幹線の車両事故で東海道新幹線が完全に運航停止になってしまったからです。

 線路を管理するための車両が追突事故を起こしたと言うことで、全く動かなくなってしまいました。実は私が朝,新大阪駅にいたときに既に事故が起きていて、マスコミの取材のためのカメラが新大阪駅の改札にびっしりと並んでいたのです。

 その時は、何が起こったのか、さっぱりわかりませんでした。誰か有名人が大阪に来るのだろうか、と思って見ていました。思えばこの時に早めに対策を立てて、帰りの切符を手配しておけばよかったのです。この先、まさか新幹線が大きなトラブルにつながるとは思ってもいませんでした。

 7月22日は午前中から大阪で指導を致しました。大阪はプロマジシャンが4人集まっての指導ですので、個人レッスンが多く、内容が複雑で、結構手間がかかります。それでもおよそ15時半くらいには終了する予定でした。

 ところが、どうも指導の終了間際になって、新幹線が動いていないことに気付きます。東京行きのチケットは既に買い求めてあります。発車時刻は18時です。但し、線路の復旧が18時にできるかどうかの見込みがはっきりしません。

 キタノ大地さんが、いろいろ調べてくれて、どうやら18時17分発の列車が東京に行きそうだと言う情報を得ました。それなら稽古場を17時に立って、新大阪に行こうと言うことになりました。キタノさんの運転する車で新大阪に向かい。切符売り場に行くとその当たりは大混雑です。

 既に17時を過ぎていますので、18時に東京行きが出るのは不可能のようです。周囲に尋ねると、18時代、19時代でも復旧は無理だと言うことです。困りました。どうしても22日中に東京に戻らないと用事がたくさんあります。そこで深夜の寝台車。サンライズはどうかと、切符売り場に尋ねますが、もう予約満了だそうです。それならサンダーバードで、敦賀まで行き、敦賀から北陸新幹線で東京に戻る方法はどうかと尋ねると、もう18時以降に接続する新幹線はありません。全く打つ手なしです。

 止むを得ません、翌朝の新幹線のチケットに変更するほかはなく、23日朝、8時22分発の東京行きと変えました。いままで新幹線は、雪や、台風による遅れはありましたが、丸々一日全ての車両が止まったことは記憶にありません。それだけに新幹線は必ず動くものだと信じていました。ところがここでトラブル勃発です。

 やむなくまた北野さんの自宅に戻りました。今晩はキタノさんのお宅に停めてもらいます。それでも北野さんのお陰で泊りから送迎から至れり尽くせりのお世話になりました。有難いことです。

 そこで思いがけなくも、北野さんのお宅で、風呂に入り、食事を頂き、アルコールまで面倒を見てもらいました。晩には、まほうの愛華さんまで来て、一緒に飲みました。こんな晩があってもいいのでしょう。

 と言うわけで、23日翌朝、8時少し前に新大阪に到着。キタノさんにお礼を言い、新幹線に乗ったと言うのがここまでのお話です。これから東京に戻ります。戻ってからの話はまた明日致します。岐阜柳ケ瀬の高田八祥から始まった、3日間の関西の指導の旅はこれでお終いです。

続く