手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

バイデンさん撤退

バイデンさん撤退

 

 ようやくバイデンさんが自らの限界を知り、撤退声明を発表しました。大統領選のさ中の撤退だけに異例中の異例です。でもやむを得ないでしょう。アメリカは決して老人に敬意を払わない国ではありません。然し、日本のように過大に既得権を与えることはしません。

 大統領の職は激務です。このところのバイデンさんの言動には無理があります。このままではトランプさんの引き立て役にしかなりません。秋の大統領選結果は大惨敗に陥る可能性が大でしょう。ここは身を引くべきです。

 そこで、副大統領を務めていたカマラ・ハリスさんに出番がやって来ました。彼女はまさにアメリカンドリームを実体験して今日の地位を獲得してきた人です。父親はアフリカ系の経済学者。母親はインド系の研究者で内分泌学を研究しています。

 黒人系の両親を持って、しかも7歳の時に両親は離婚、母親に育てられます。大学卒業後は法曹界に入り、サンフランシスコ地方検事になり、その後カリフォルニア州の司法長官に選出されます。司法長官時代に上院議員に立候補して、政治家になり、その後バイデンさんの片腕として副大統領に選ばれています。

 アメリカ人の中で黒人の地位は極めて厳しく、常に人種差別にさらされ、よほどの努力がない限りここまでの出世はあり得ません。自らの人生が努力の証です。

 更に、ここで大きなツキがやって来ました。副大統領に選ばれると言うことはラッキー中のラッキーではありますが、アメリカの歴史上、ほとんどの副大統領は、副大統領のまま地位で終わっています。ある意味終点のポジションであって、大統領になる人は殆ど副大統領を経ずして大統領になっています。

 但し、バイデンさんは、オバマさんの下で副大統領を経験し、大統領選に出て勝利しています。その点からいうなら、バイデン、ハリスの継承は、順当な道筋なのかもしれません。何にしてもこれほど短期間に大きなチャンスを次々に手に入れ、成功して行くと言うこと自体がアメリカと言う国のなせる業です。

 さて、これまでのアメリカ大統領選は、お爺さん同士の戦いで、銃撃をされてもかすり傷で済んだ強運なトランプさんが一歩も二歩もリードしていましたが、ここで一辺に立場が入れ替わりました。年齢が一気に15年若返りました。そして相手は黒人系の女性です。

 トランプさんは、有色人種を国内に入れないようにして、白人の仕事を確保しようとしていました。然しそれはハリスさんが出てきたことで、全く裏返ってしまいました。有色人種を差別したなら、そもそもハリスさんのような人はアメリカンドリームを手にし得なかったのです。トランプさんの政策を実行すれば、有能な有色人種を排除する結果になります。さてトランプさんはハリスさんに対して、どう持論を正せますか。

 アメリカは面白い国で、こうした戦いを経て、アメリカ人は民主主義を学んで行きます。もし彼女(ハリス)が有能で、トランプさんの白人至上主義をどんどん破って行ったなら、アメリカ人は喝采を持って彼女を受け入れるでしょう。

 それはオバマさんがかつてそうだったように、有能であれば黒人大統領だって可能なのだと言うことを、オバマさん自身が実践して見せれば、アメリカ人は大喝采をするのです。いつまで経っても人種差別の壁は厚いのですが、それでも一転突き抜ければ、その努力をアメリカ人は素直に認めるのです。

 そのことは野球の大谷翔平選手が野球の世界で実践しています。ほんの数年前まで、誰がアメリカ人がこれほど日本人の野球選手に連日熱狂すると予想しましたか。全く想定外であって、その壁を突き破った大谷選手には、アメリカ人の認める大スターなのです。

 優れた才能を有する人には、インド人も日本人もないのです。アメリカのために働いてくれる有能な人には、アメリカ人は熱狂するのです。

 

 但し、大統領選に勝利することはとっても険しい道のりです。言葉一つ、行動一つで、アメリカ人は簡単に離れてしまいます。これから数か月、戦い続けて、勝利を勝ち取らなければなりません。まず第一ラウンドはハリスさんの勝利と言えるでしょう。

 ともかく、これまでの老人同士の戦いだった大統領選が、一気に日が射して、展望が開けて来ました。いい流れになって来ました。この先の大統領選の行方に期待したいと思います。

 

 ところで、日本の総裁選挙は、石破さんが、自衛隊を認め、国防軍に昇格させて、憲法9条を改訂しようと発言しました。随分思い切ったことを発言しました。これはご当人の最後の切り札なのでしょう。いつか誰かが言わなければならないことですから、ここで勝負に出たのでしょう。9条改正は誰かかがやらなければならないことです。

 日本の周りは、北朝鮮は勿論のこと、韓国、中国、ロシアと、なかなか言ってわからない国が多すぎます。こちらから戦わないまでも、このままでは危険過ぎます。アメリカがアジアから撤退を希望している今、国防軍を持つことは必要でしょう。それがなければ尖閣諸島などはなし崩しに中国が入り込んできます。なんせ沖縄までも中国の領土だと言い出しています。理屈が通じる相手ではないのです。

 言ってわかる相手なら何度でも言うべきですが、初めから分かろうとしない相手には日本に攻めてくれば大怪我をすることを知らしめなければなりません。

 それはいいのですが、石破さんは人相が悪すぎます。人を上目遣いに下から恨めしそうに眺める顔は首相の顔ではありません。丸い大きなメガネでもかけて、立川志らくさんみたいに愛嬌のある顔に作り替えない限り、首相は無理ではないかと思います。人は見かけですから。

続く