手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

綱渡りの岸田さん

綱渡りの岸田さん

 

 自民党のパーティー券のキックバック問題を、大甘に済ませてしまった結果、昨日(4月28日)衆議院の補選で、3つの地域の立候補者が、全て立憲民主党に入れ替わってしまいました。

 こうなる結果は誰もが分かっていたことを、実際にやって見たらその通りになったわけです。これは大きく自民党の信頼を落としたことになりますし。この分では岸田さんは総理大臣を続けられる可能性はなくなりそうです。

 つい先日まで、アメリカに行って大歓待を受け、バイデンさんといい関係を維持して、アメリカの国会議事堂でギャグを飛ばして人気者になっていたのに、全く、一寸先は闇の夜ですね。

 それにしても、これほど国民がはっきりと拒否反応を示した選挙も珍しいのではないでしょうか。自民党に不満が溜まっていたことは誰でもわかりましたが、その結果がいきなり立憲民主党に3議席そっくり渡してしまったのは驚きです。

 もう日本の国民は自民党を信用しなくなったのですね。政治に金がかかることはみんな分かっています。だからこそ政党助成金を毎年支払っているのに、結局幾ら金を渡しても、更なる裏金を作ろうとする政治家の卑しさに愛想が尽きたのです。

 パーティー券のキックバックは結果において脱税です。それを何十年にもわたって繰り返してきたのですから、弁護の余地はありません。そんなことを画策して資金集めを繰り返して来た政治家は、永久に代議士になれないように、法律を変えて取り締まるべきです。降格や、自民党からしばらく離れる、などと言う安易な解決法では誰も納得しません。

 と多くの国民は思っているのでしょう。とは言うものの、恐らく今回関与をした政治家さんはみんな、有能な人たちなのでしょう。どんな仕事でもバリバリこなして、人が何を求めているのか、顔色を見れば素早く察知して、どうしていいかわからないような難問も、いとも簡単に答えを出して、官吏をうまく使いこなして解決をしてしまう。日本の政治家の中でも稀有なほどに有能な人ばかりなのでしょう。

 確実に、今回問題を起こした政治家の中からこの先、大臣や、首相になって行く可能性のある人たちなのです。その人たちの経歴に傷がつき、一時的にでも大臣ポストから外されることは自民党にとっては大きな痛手でしょう。

 今、自民党の中は秋の総裁選で浮足立ってしまっています。ひょっとすると衆議院解散になって選挙になるかも知れません。この状況下で誰が自民党をまとめるのでしょうか。ポスト岸田が暗躍しています。先日帽子をかぶってトランプさんを訪ねて行った、麻生さんがどうも怪しい。と思う人は多いようです。なぜあのタイミングで麻生さんがトランプさんのところに?。 

 恐らく麻生さんは次の大統領と仲良くするために、日本の代表者として出掛けたのでしょう。そうなら、麻生さんが再度出て来て首相になるのでしょうか?。よくわかりません。誰か別の人を立てて麻生さんはプロデュースする側に回る可能性もあります。

 いやいや、案外菅さんがもう一度出て来るかも知れません。菅さんは今でも人気がありますから。いや、むしろダークホースで石破さんが出て来るかも知れません。あの地味で陰気臭く、怪談噺でもしそうな石破さんが、この場は流れを変える意味で、色物のような扱いで、短期にピンチヒッターを務めれば、その間に自民党を立て直すことが可能かもしれません。時期も夏場を控えていますので、ここは納涼大会の意味で石破さんの出番かも知れません。

 いずれにしても、次の選挙で自民党は大きく議席を減らすはずですから、公明党の他にもう一つ二つ、どこかの政党とくっつかなければうまく行かないでしょう。立憲民主党が自民の誘いに乗って来るかどうか、あるいは維新の会が乗って来るか。

 立憲民主党が乗ってくれば、自民は連合政権を立てて、とりあえずは泉健太さんを首相に据えて内閣を立てる以外はないでしょう。かつての村山政権と同じ手法です。

 それもこれも昨日三議席全て立憲民主党が取った実績は大きかったのです。恐らくこのまま行けば秋の総裁選で、自民との連立をして、泉さんが首相になる可能性は大でしょう。昨日の選挙は、長らく不遇をかこっていた立憲民主にとっては千載一遇のチャンスで、恐らく今頃は立憲民主党事務所の大広間でみんなで踊るぽんぽこりんを踊って大はしゃぎでしょう。

 

 そうだとすると、先に話した、麻生さんは消えてしまうのかと言えば、そうではなく、結局、実際の運営は自民党がやらなければ政治は動きませんから、影のプロデューサーとして大活躍をするでしょう。菅さんはと言えば、それほど望んで出て行こうとは考えてはいなかったでしょうから、ここはおとなしく元に戻るだけ、石破さんは名前まで出て、期待されつつも今一歩及ばず。やむなく怪談噺をしながら時が来るのを待つしかないでしょう。

 でも、どっちにしても、自民党に取り込まれれば、以前の社会党と同じように、初めは融通に効かない固いことを言っていても、やがてとろとろと溶けだして、終いには党が影も形もなくなってしまいかねません。お気をつけて下さい。特に立憲民主はくれぐれもお気をつけて下さい。以前の民主党の体たらくをお忘れなく。

続く