手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

おひつ御膳

おひつ御膳

 

おひつの飯に感動

 昨日(11月1日)は、月に一回の糖尿病の検査で三軒茶屋の病院に行きました。予想以上に早く済み、玉川通の旧道を歩いて、大通りの玉川通りに出る角で新しい店がオープンするのに出会いました。

 「おひつ御膳田んぼ」、と看板が出ています。表には歌舞伎の芝翫さんからの生花などが飾られていて華やかです。

 時間は朝10時、病院検査のため朝食を抜いていますので、少し早いですがブランチをしました。和風の造りでとてもきれいにできています。ランチ定食は、鮭か鯖味噌におひつ御膳です。鯖味噌を頼んでみました。

 飯はおひつに盛り替えて食べると水分が飛んでうまみが増します。旅館などではおひつのご飯は普通に出て来ますが、家庭では炊飯器のまま食べますので、おひつのうまみに出会うことはありません。

 出てきた膳は、一見普通の定食のよう。鯖味噌は、汁を吸った鯖が皿に乗っていて、さらに鯖の上に味噌だれがオムライスのケチャップの様にかかっていました。

 飯を茶碗に盛って、一口食べて見ます。店の名前の通り、おひつからとった飯は甘く、粒が立ち、味わい深く上出来です。飯を食べてしみじみ旨いと思ったことはそうそうはありませんが、この日は飯だけで満足しました。

 鯖もしっかり脂が乗っていて、文句はありません。付け合わせの玉子焼や、漬物もいい味です。味噌汁はなめこで、出汁もしっかり出ています。

 傍から見たなら単なる鯖味噌定食を食べているだけなのですが、どれもが良く出来ていて満足出来ました。こうした普通のものを食べさせてお客様を旨いと言わせたなら大したものです。

 仕上げに出汁が急須に入っていて、残った飯にかけて漬物と海苔を乗せて、茶漬けにします。日頃、飯を二膳食べてはいけない身としては、このお茶漬けは悪魔のささやきです。

 値段は1100円。定食としては高めの値段ですが、味の良さで文句はありません。次回糖尿病の検査の帰りには鮭定食を食べて見ようと思います。と、こんな風に食べ物のことばかり考えているのですから、血糖値はなかなか下がりません。

 

衆議院選挙。日本が動き始めている

 一昨日は衆議員選挙で、テレビは夜8時からどこも選挙速報になりました。自民党が票を減らすことは当初からわかっていたことでした。コロナで飲食店などに制限を加えましたので、その不満が溜まっているとみられていたのです。むしろ、自民党の票が減ってどこに行くのかが興味でした。

 ところが意外にも、自民党の票は15減にとどまりました。案外国民はコロナ禍を冷静に見ていたようです。岸田さんとしても一安心でしょう。問題は立憲民主党です。

 本来は自民党の票をそっくり立憲民主党がもらって、大飛躍するプランを描いていたはずですが、意外や意外、立憲民主党は国民の支持を得られず議席数が100を切ってしまいました。これは自民党以上の痛手です。

 当初のプランでは、小選挙区制の中で、全ての党が候補者を出していたなら、野党同士が食い合いをして、決して自民党には勝てません。そこで、連合を組んで、統一候補を出そうと言うことになりました。この作戦はまっとうです。実際杉並区などは、石原伸晃さんがこの作戦に嵌って落選しています。甘利さんも落選です。狙いは大当たりだったはずです。

 然し、全体を見ると、自民党の傷は浅く、立憲民主党の傷は自民党以上に深かったのです。なぜか、答えは明白です。国民は社会主義の野党に飽きているのです。社会主義共産主義も、今の日本人の多くは望んでいないのです。

 ほとんどの人は中国や、ロシアや北朝鮮に憧れを抱いてはいません。二つの選択肢があったとして、自由主義がいいか共産主義がいいかと言う選択肢などないのです。

 今の日本人が求めているのは、保守か新保守なのです。両方とも保守であって、その差異はわずかでいいのです。国民がそう思っているなら、自民党と、立憲民主党からかすめ取った票が維新の会になだれ込むのは当然の成り行きです。

 維新の会と自民党との差はほとんどありません。維新の会は改憲にも賛成なのです。今回の選挙は大きく日本の進路を変えることになりそうです。改憲論争は一気に進むでしょう。

 日本はイギリスや、フランスなどの先進国と歩調を揃え、早く普通の国に成長すべきです。日本がやらなければならないことは山ほどあります。しかしここから先は国の運営にリスクが伴います。言葉だけで安全だの平和だのと言っていていても何も前に進まないのです。

 現実に、中国が台湾を攻め込んだなら、日本はただ見ているのですか。彼らを見殺しにできますか。然し、今の法律では何も手出しできないのです。台湾が攻め込まれるとなれば、アメリカもオーストラリアもインドも、イギリスも支援の艦隊を出すでしょう。そんな中で日本はただ見ているのですか。

 仮に、日本が台湾を見捨てたとして、中国が次に、「尖閣諸島は中国のものだ」。「沖縄も、元はと言えば中国だ」。と主張するでしょう。中国が攻めて来た時に、沖縄を見殺しにできますか。

 台湾の問題は、必ず尖閣、沖縄の問題につながるのです。その時にいまの憲法を隠れ蓑にして、平和と安全をお題目の如く唱え続けていることに何の意味がありますか。ようやく国民は気付いてきているのです。これから先は日本は大きく変わって行くでしょう。

続く

 

 11月20日(土)、玉ひで公演。若手出演者、戸崎拓也さん、ザッキーさん、前田将太。12時から、お席あります。詳細は東京イリュージョンまで。