手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

またまた戦争

またまた戦争

 

 ウクライナとロシアが解決しないまま、膠着状態が続き、西側諸国は、そろそろウクライナ支援に疲れて来ている矢先に、今度はイスラエルハマスパレスチナ人)が突然の戦闘に入り、世界を驚かせました。

 元々パレスチナ人とイスラエルとは犬猿の仲で、常に争いが絶えないのですが、イスラエル近辺は、少数民族が山ほどいて、あちこちで、紛争が続いています。その話の発端も紀元前から始まって、「あいつらに土地を奪われた」。「あいつらに追い出された。だから取り返した」。と2000年以上昔の怨恨を今も語っています。

 イスラエル自体も、彼らは、ユダヤ人の土地にユダヤ人の国を建国したい。と宣言をして作られた国です。一見もっともな言いようですが、但し、ユダヤと言う国が滅んだのは、紀元前70年です。ローマ帝国ユダヤを滅ぼし、周辺住民のパレスチナ人に自治を認めたのです。

 その後、世界中に拡散していたユダヤ人が、再び自国を取り戻そうとして、エルサレム一帯の所有を宣言したのが1948年です。2000年以上たって、「ここは元々我々の土地だから出て行ってくれ」。と言われたら、周辺の人たちは怒ります。

 然し、ユダヤ人は、巨大な資金を使ってアメリカを動かし、無理無理イスラエルを建国したのです。初めから無理な論理でひとの土地を奪ったのですから、奪われたパレスチナ人はイスラエルに恨みを抱くのも当然です。

 このことは、例えて言うなら、縄文人の子孫達が突然やって来て、「元々日本は我々の住んでいた土地だから返してほしい」。と言われたら日本人の誰もが困惑するでしょう。しかも、言っただけでなく、アメリカを連れて来て、アメリカに口利きを依頼して、アメリカの大統領が、「縄文人の言うことはもっともだから、日本の土地は縄文人に返すべきだ」。と宣言したらどうしますか。

 多くの人は、「まさか、そんなことをアメリカ人は言うわけがない」。と否定するでしょう。ところが、アメリカはそれと同じことをパレスチナでやってのけたのです。そして実際パレスチナ人を追い出して、イスラエルと言う国を建国したのです。

 しかも、その後の紛争の末、イスラエルの南端のガザ地区と言う、東京都の23区のうちの一区程度の小さな地域にパレスチナ人を押し込め、全面を柵で囲い、彼らがイスラエルに出入りできないようにしました。

 要するにイスラエルとすれば、パレスチナ人がイスラエル国内に出入りすれば、テロ行為をするに決まっていると思い、一切の活動を禁止したわけです。つまりガザ地区は国ではなく強制収容所なのです。イスラエルとすれば、パレスチナ人を根絶したいのでしょう。

 このガザ地区の住人は、食料も、生活用品も滞るようになり、周辺のエジプトや、イランと言った国々の支援によってかろうじて生きています。

 この地域のパレスチナ人を治めているのがハマスと言う団体で、彼らは、この閉塞状態から脱却するために今回思い切ってイスラエルを攻撃したのです。

 話は聞けば聞くほど、どっちが正しいとも言えず、どっちも問題があり、どっちも加害者であり、被害者でもあります。つまり第三者が安易に口出しをする話ではないのです。但し、確実に言えることは、イスラエルと言う国は建国そのものに無理があったのです。

 イスラエル近辺では数年に一度、大きな紛争がありますが、その都度、パレスチナにははアラブ諸国が支援し、イスラエルにはアメリカなどの西側諸国が支援します。然し、西側諸国の中には、根強い反ユダヤ思想もあり、話は簡単ではありません。つまり、イスラエル問題は永遠に解決しない紛争なのです。

 

 世界は、イスラエル問題と、ウクライナ問題を抱え、どちらも簡単には解決しないために頭を抱えています。更に更に、この先、中国が台湾進攻をするようになれば、世界中紛争が起こって収支が付かなくなります。

 但し、今、中国は、国内の経済が悪化して、台湾進攻どころではなくなっています。場合によっては習近平さんが失脚する可能性さえあります。常識的に考えれば台湾進攻は遠のいたと考えるでしょうが、共産国は民意を反映しなくても、リーダーの一存でことが進みますので、習さんの一存で台湾進攻もあり得ます。

 同様に、ロシアも、プーチンさんは徐々に国内の支配力が薄れて来ていますが、窮余の一策で、核爆弾の使用をする可能性すらあります。そうなったときに、アメリカやイギリス、フランスは、ウクライナのためにロシアに対して報復のための核を使用するかどうか。と考えると、案外、腰が引けて、非難声明はしても、他国のために核使用はしないかも知れません。

 そうなると、先手を打って核使用した国が勝利することになり、核は抑止力にはならず、力が世界を制します。結果、ウクライナは消滅します。

 

 今、世界中で紛争の種が蒔かれています。それを放っておけば、芽が出て、弦が伸びて、大きな実がなります。その実が、瓜なら多くの人を幸せにしますが、核が生ったなら、人類の破滅です。

 何とか核が育たないようになりませんか。危険な政治家を押さえ込む方法はありませんか。やはりゴルゴ13に頼むほかないのでしょうか。何なら高円寺の駅前にリイドコミックの本社がありますから、私が西側諸国を代表して、ゴルゴさんに依頼しに行ってもいいんですが、話してみましょうか。

続く