手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

韓国が危ない

韓国が危ない

 

 どうも中国や韓国が30年前の日本のように、バブルが弾けて、大不況が来そうな気配です。

 中国は1980年代から資本主義を取り入れて、自由経済を認めたため、大発展を遂げました。しかしいくら経済発展をしても、根は社会主義国ですから、役人主導の計画経済が国の柱になっています。

 そもそも役人が机上で立案した経済ですから、どうしても計画経済は国を狂わせます。方針が間違っていて、大赤字を出しても役人は間違いを認めません。間違ったまま押し通そうとします。ゆえに社会主義国家は疲弊し、低迷します。それはソ連の崩壊を見れば明らかです。

 20年も前から中国では、あちこちにマンションが立ち、オフィスビルが生まれています。更に、都市計画がされ、大規模な都市が丸ごと建設されました。

 それが国民の求めるもので、需要に応えているならいいのですが、どう見ても役に立ちそうもない都市を作り、人が住んでいないマンションを作り、そこに、中国式新幹線を走らせ、高速道路を作りました。しかし結果はどれも大赤字です。

 全くバブル期の日本の政治と同じで、役に立たない道路や建物を作り、リゾート施設を作り、遊園地を作り、利用者が来ないまま大赤字を抱えて倒産が続出しました。然し、企画を立てた役人は責任逃れして、既に退職し、年金をもらって悠々自適の生活をしています。

 その責任は曖昧で、結局赤字は国が背負う羽目に陥っています。その後、日本はバブルの後始末のため、20年ほど不景気が続き、国は低迷しました。全く今の中国も同じ状況になろうとしています。中国の新幹線も利用者は少なく、ガラガラの状態。高速道路も主要都市を結んでいる高速道路以外はガラガラ。アパートもマンションもスカスカの状態です。この付けが溜まりに溜まっていよいよ国自体が危うくなっています。

 

韓国の場合は、10年くらい前から経済が好調で、それにあわせて国民の所得が上がりました。ところが、経済安定に伴って国民全体が不動産や株の投機に走り、イケイケ状態になって、マンションやビルなどを投資のために買う人が続出し、不動産価格が一気に上昇しました。東京の同じサイズのマンションと比べると、ソウルの方がはるかに価格が高いくらいで、今や韓国のサラリーマンでは買えないような価格になってしまっています。

 然し、韓国は豊かになったとは言え、日本のように戦前から国力があって、生産力のあった国とは違い、資本の蓄積が薄く、元々資源が乏しく、加工貿易で成り立っている国ですから、利益幅が少なく、物や金が動いているわりには資本が蓄積されません。国が小さいために国内需要も少なく、ひとたび国際紛争リーマンショックなどが来るとたちまち経済破綻してしまいます。

 それを知ってか知らずか、韓国国民は不動産投機に走り、見境なく銀行ローンから借金をして不動産を買い漁っています。結果、誰も買えないような価格のマンションを所有して、価格が上がったことに満足しているサラリーマンが続出しました。ところが、ここへ来てゴン公の利息が上昇して、ローンが払いきれない人が続出しています。まさにバブルの始まりです。金利が増えて支払死しきれず、不動産は売り手が増えて買い手がいない状況です。かつての日本の姿よりも異常です。結果として、バブルが弾けて一気に大不況に突入します。

  これまでは、中国も、韓国も、世界をけん引して、好景気を作って来ましたが、この先はいつ破綻するかもしれません。

 

 特に韓国は危ないでしょう。政治の面で日本ともうまく行かず、アメリカともうまく行っていません。韓国が破綻したときに助けてくれる国がありません。中国が助けてくれるならいいのですが、中国は自国が危なくなりつつあり、とても韓国を助けられる状況にはないでしょう。

 中国を発生源にした大不況が来て、そのあおりで韓国が破綻するか。あるいは、韓国が破綻した後、中国が影響を受けて破綻するのか。いずれも危険な状況です。そうなったときに無論日本も無傷ではいられません。

 韓国からマジシャンを呼んでマジックショウをしようなどと考えている我々は、そんな企画はあっという間に吹き飛んでしまうでしょう。

 

 今、中国は台湾に圧力をかけてひょっとして戦争になるかと、周辺国を不安に陥れていますが、実際はそんなことをしている場合ではないはずです。今の状況で台湾進攻を始めたら間違いなく中国の経済は大破綻します。それはちょうどロシアが無理無理ウクライナ侵攻をしたのと同じ結果になります。

 プーチンは自国の経済が思わしくないことをかわすために、派手に戦争を立ち上げ、国民に強いロシアを誇示しようとしたのかも知れませんが、実際には、兵器が古い、武器が足らない、兵士の訓練が行き届かない。士官が怠慢など、国のほころびがあちこちに見えてしまって、返ってロシアの弱体化を露呈してしまいました。

 中国がどこまで屈強な軍隊かは知りません。それでも経済が不安定な状況での戦争ではどこまで戦えるかわかりません。恐らく中国は、ロシアが弱体化した今。次の覇者となるのは中国だと自負しているのでしょう。然し、自国の経済の不安定さを隠すため、台湾との統一を言い出したのでしょう。どうもロシアの轍を踏もうとしています。

 台湾進攻をすれば直ちにアメリカが参戦します。すると同盟国の日本は中国と戦わざるを得なくなります。アメリカはNATOの中心国ですから、アメリカが戦うとなれば。イギリス、フランス、ドイツと言ったNATO諸国も中国に対して参戦します。そうなるとこれは世界戦争になります。世界を相手に台湾島一つ取るために戦いを挑んで中国は勝利するでしょうか。無理でしょう。この戦いに意味がないのです。

 

 それにしても、中国が台湾進攻をすれば、台湾も、香港も中国も、韓国も日本も、戦場になり、マジックのコンベンションどころではなくなるでしょう。どれだけの戦いが続くかはわかりませんが、ウクライナの状況を見ると、台湾戦争も1年や2年続く可能性があります。それだけの戦いをして国が破壊されていいことは何一つありません。コロナで仕事を失い、台湾戦争で不況を長引かせ。マジシャンにとって不況が延々続くことになります。どこまで行っても、国も、マジック界にもいいことはないのです。

続く