手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

レオパルト2 供与

レオパルト2 供与

 

 昨日(25日)、再三ウクライナが執心していた、ドイツの最新戦車、レオパルト2を、ドイツ政府が供与することを決めました。レオパルト2は、現代の戦車の中で最も優れた性能とされる戦車です。

  最新とは言いましたが、コンセプトは1970年代に作られたもので、対ロシア戦のために考えられたものです。ボディの設計はポルシェが行い。そこに120㎜の滑空砲を乗せたものがそれです。然し、あれこれ設計をいじったため、いろいろ不具合が生じ、その後もマイナーチェンジを繰り返し、今も手直しが続いてきます。それでも走行も破壊力も抜群で、最も優れた戦車の一つです。

 ウクライナ軍としては、旧式のロシア製の戦車が主流だったため、戦闘中も、故障が多く、また故障しても部品の調達が思い通りにならず、苦労の種でした。そのため、早くからドイツ政府と交渉をして、レオパルト2を供与を懇願してきました。

 ドイツ政府としては、レオパルト2を供与することは、直接ロシアに脅威を与えることにつながり、ロシアの心証を悪くして、結果、ドイツとロシアとの関係が決定的に悪くなることを懸念していました。場合によっては天然ガスや、石油の輸出を止められ兼ねない可能性もあり、これまで躊躇してきたのです。

 然し、いよいよここで大きな決断をしたことになります。その理由は何なのか、詳しいことは分かりませんが、ひょっとすると、アメリカが既に決断をして、今まで以上に強力な武器を供与することを決めた可能性があります。但しアメリカ一国が一歩踏み込んで、ウクライナ支援をすることには躊躇いがあったらしく、密かにドイツに伝え、アメリカと歩調をそろえてウクライナ支援に回った可能性があります。

 今、ロシアは、ウクライナの東部地区で一進一退の戦いを繰り返していますが、零下20度の中の戦いと言うこともあり、なかなか戦況は好転しません。ここに、アメリカの兵器とドイツのレオパルト2が使用されるのかどうかは不明です。今回のことで、ウクライナ侵攻が一気に解決すると言うものではないと思いますが、まとまって導入されれば硬直した戦局に大きな影響を与えるでしょう。

 ロシアは、旧式な武器を使用するのみで、武器も底をつきつつありますので、ドイツやアメリカの最新兵器は脅威です。来月あたりから使用されることになれば、ウクライナ軍は活気づくでしょう。ロシアは、ドイツの今回の判断をあの手この手で非難するでしょうが、一層ロシアは追い詰められると思います。

 何にしてもウクライナ軍も、ウクライナ市民も、電気が通らない、石油が足らない、ガスも滞っている状況下で、マイナス20度と言う寒さの中で耐乏生活を繰り返しています。これ以上戦いが長引けば、ウクライナ市民にも死者が増えることになるでしょう。一年に及ぶ戦いは、ウクライナにとってもかなり疲弊しています。ここらでウクライナを積極的に支援しなければ、ウクライナも危ないと判断したのでしょう。

 

 さて、フランスのマクロン大統領は、次回のオリンピック、パリ大会に、ロシアとベラルーシなどのロシアの衛星国を招待しないと語りました。伝統的にスポーツで国威発揚を狙っていたロシアにとっては不名誉な措置でしょう。

 この事がロシア市民に伝われば、プーチンさんの評価はかなり下がると思います。これまでもロシアは度々オリンピックからボイコットをされています。その都度、金メダルの取れる選手が大勢いるにもかかわらず、オリンピックに参加できず、涙を呑んでいます。今回のマクロンさんの発言は、ロシア国民には戦いの代償の大きさを知ったことでしょう。同様に、ベラルーシも、ロシアに強要されているだけなのに、オリンピックに招待されないのは不本意でしょう。

 マクロン大統領の発言がロシア国民にどれだけ強い影響を与えるのか、先のことは分かりませんが、心理的な動揺は大きいと思います。

 

 それにしてもこの一年間、ゼレンスキーさんは良く活動をしたと思います。一年前までは全く話題にも上らない人だったものが、ロシアの侵攻以来一躍時の人になりました。とても意志が強く、又自分の置かれている状況を的確に世界中の人に伝える才能を備えています。

 ひたすら言葉を駆使して、世界中の政治家や、他国民を仲間に引き入れてしまったのですから驚きです。アメリカ議会での演説と言い、今回のドイツを説得して、レオパルト2をせしめてしまった手腕と言い。弱い立場にありながら、目いっぱい活動して、成果を上げています。歴史に残る偉大な政治家です。

但し領土の妥協は全くしないようですから、和平交渉には時間がかかりそうです。と言うよりも、ロシアが全面撤退をしない限り交渉に応じないと言っているのですから、和平交渉は出来ないだろうと思います。つまり、プーチンさんが失脚するか、暗殺されない限り終結はないのかも知れません。いずれにしても先の見えない戦いのために、今年は世界中が不況になり、経済活動は停滞することでしょう。

 

浅草公会堂、日本橋アゴラカフェ、マジックセッション 

 今日は、これから浅草公会堂に出かけ、明日(27日)、の公演のためのリハーサルをします。恐らく12時までに公会堂に入り、夜8時30分まで延々リハーサルが続くと思います。舞台が大きく、日ごろの公演とは勝手が違いますので、入念なリハーサルになるでしょう。

 明日(28日)は同じく浅草公会堂で本番です。日本で生活する海外の人たちが大勢見に来るようです。海外の人たちこそ是非とも私の手妻を見て頂きたいと思います。外国人の口コミで手妻の話題が広がれば有り難いと思います。

 

 2月4日の日本橋アゴラカフェに公演も、申し込みが結構あって、活気のあるショウになりそうです。出来ることなら、アゴラカフェを、海外から観光に来る人達のための手妻を見せる場にしたいのです。コロナの余波が続いていて、なかなか今一つ観光が盛り上がっては来ませんが、何とか話題になって、観光客が押し掛けるようになると、私の活動は忙しくになります。その拠点となることを期待して活動しています。

 

 3月1日2日の、座高円寺で開催する、ヤングマジシャンズセッションは、既にチケットを売り出しています。なかなか反応がよくて、売れ行きもいい様です。詳細は東京イリュージョンをご覧ください。

続く