手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

車で移動

車で移動

 

 一昨日(4日)は、用事が多かったため、車で移動をしました。以前は普通に車であちこち移動していたのですが、このところめったに車に乗りません。

 乗らなくなった理由の一つは、駐車場代がバカ高いこと。都内を移動して、三か所ぐらい駐車場を使うと、3千円くらいは軽く出てしまいます。電車で移動すれば千円くらいのものを、駐車場だけで3千円は無駄です。三千円もあればいいランチが食べられます。勿体ない。然し、荷物があるときはやむを得ません。4日の日は、一日中小雨が降っていました。しかも注文していた道具が手に持てないほどありましたので、車で取りに行くことにしました。

 

 まず、朝9時に糖尿病の病院に行きました。毎月一回の検査です。このところ、血糖値の具合もよく、大きな問題はありません。一週間に一回くらいアルコールを飲みますが、その量も抑えています。脂物と甘いものは多少ルーズになっていますが、それでも大きな問題はありません。私は糖尿病の優等生なのです。

 病院は三軒茶屋にあります。そこから指物師のアトリエのある下谷に向かいます。世田谷の三軒茶屋から台東区下谷までは車でたっぷり一時間かかります。本来これは車で移動する距離ではありません。時間の無駄です。

 然し、小雨そぼ降る中、並木の桜も美しく、青山通りも、皇居の内堀通も、すがすがしい景色です。たまのドライブもいいものです。幸い道もさほどに渋滞していませんでした。

 11時に下谷の井上先生のところに付きました。ところが、頼んでいた、引き出しが出来ていません。私が用意した金具が木工のネタ場にうまく嵌らず、何度やっても木工の木が割れてしまうのだそうです。

 今までそんな不都合はなかったのですが、どうしてそんなことになるのか不思議です。とにかく、金具を作り直してみようと思います。結局小さなミスのために、組み立てが止まったままで、道具を受け取ることが出来ません。車を用意して来たのに、役に立ちませんでした。

 今回の道具は、他の部分にもいろいろトラブルが出ました。漆職人が亡くなったり、蒔絵師がえらく値上げをしてきたり、その都度仕事が止まってしまいました。かれこれ一年も待たされています。正直困っています。でも、仕方ありません。

 

 その後、下谷から本駒込まで移動、踊りの稽古に行きました。下谷からは30分で行けます。12時30分から踊りの稽古。1時過ぎに終了。ここで昼食をしたいと思いましたが、どこか店に入ると駐車場代が高くつくので、コンビニでパンと牛乳を買い、車中で食事を済ませました。こんな食事はめったにしないのですが、時間節約のためにやむを得ません。

 2時に新宿、岡田屋に行き生地を買いました。途中銀行に寄り、5時に帰宅。5時から夜8時半までデスクワークが続きましたが、途中、女房から電話がかかって来て、今晩は遅くなるから何か勝手に食べてくれと言われました。

 おやおや、そんなことならもっと早く言ってくれれば、途中でいい店に寄って、しっかりしたものを食べて来るのに、家まで帰って来て、雨の中を再度、駅まで出るのも億劫です。仕方なく又コンビニに行き、弁当を買いました。

 この日はコンビニの食事ばかりです。少しもいいものを食べていません。滅多にコンビニの食事は食べないのですが、たまたま続いてしまいました。まぁ、こんな日があってもいいのでしょう。

 

 翌日。(5日)は、朝から、金具造りをしました。昨日、井上先生に頼まれていた金具です。何とか、引き出しの4セット分の金具を作らなければいけません。いろいろ苦労の末、午前中に何とか金具を作り上げました。

 午後からマジックマイスターの打ち合わせで、三鷹の芸能劇場に出かけました。この日は電車移動です。三鷹には音響の大家さんと舞台監督の小野坂聡さんが来ていました。私が何か言わなくても二人が全ての要領を知っているので、会館の責任者と話し合い、スムーズに打ち合わせは終了。

 そこから電車で再度下谷の井上先生のアトリエに向かいました。金具を渡し、調子を見ると、なかなか具合がいいようです。一安心をしました。幸いに引き出しが一つ出来ていました。まだ注文している引き出しは三つ残っていますが、あと一週間もあれば全部できるでしょう。

 

 さて自宅に戻ってまたデスクワークです。明日にはパーティーの仕事があり、夜にはそのための道具のチェックをしなければなりません。また、新しい公演の会場のために企画書を作らなければなりません。まだ新しい会場の情報はここでお話しできませんが、先日打ち合わせをした感触ではいい会場です。

 何となくいい流れが生まれそうです。

 

 今までは毎月一回、玉ひでで私の公演をしていましたが、6月からは毎週マジックショウが出来そうです。四つのチームを作って毎週、週替わりでマジックショウをします。

 一つは私の手妻、もう一つは藤山大樹の手妻です。三つ目はカズカタヤマさんとその仲間のショウ。四つ目は若手のショウです、ザッキーさんや、早稲田さん、諭吉さんらが中心となって、若手数本でショウをします。つまり一か月のうち4回、スタイルの違うショウが見られます。なかなか東京で毎週マジックショウが見られると言う企画は少ないので、定着したらきっとマジックファンが増えると思います。

 明日は、会場で若手の皆さんと打ち合わせをします。そして合わせて私はパーティーで手妻のショウをします。もう少し企画が煮詰まったら全貌をお知らせします。乞うご期待。

続く