核戦争は起こるのか
ウクライナとロシアとの戦いがなかなか解決の糸口が見えません。今回の戦いは、一方的にロシアが仕掛けてきたものですから、戦うもやめるもロシアの掌（たなごころ）にあります。
世界各国がロシアを非難して、制裁を科しています。しかしそう簡単にロシアは音を上げません。制裁に怯える国ではないのです。一党独裁が染みついていますから、言論統制が徹底しています。国民一人に取りにロシアの間違いを認識させるには長い時間がかかります。
何とかロシアを撤退させたいと、NATOも、アメリカも、いろいろに画策しますが、安易に手出しができません。うかつにウクライナに軍隊を送れば、ロシアとの戦になり、間違いなく第三次世界大戦に発展します。
但し、今回は、第一次、第二次世界大戦と大きく違う点は、NATO側が戦うとなれば、相手はロシア一国です。まさかここに中国や北朝鮮がロシアに味方するとは考えられません。
中国も、他人の喧嘩に首を突っ込んで参戦しても、欧米から非難され、膨大な戦費を浪費するだけで、得るところはありません。ここは中立を保って、軍事物資をロシアに輸出して、貿易で稼いだ方が得策でしょう。
北朝鮮は、他国にまで干渉して闘うだけの経済力がないでしょうから、これもロシアを支援することは不可能でしょう。つまり今のロシアに味方する国は皆無と言えます。わずかにロシア領内の衛星国だけが渋々協力するくらいでしょう。
ロシアは今、経済的に疲弊しています。そうなら、この機会にNATOは軍隊を派遣して、ウクライナ領内からロシア軍を追い払うことはそう難しいことではないと思いますが、NATOもアメリカもロシアとは直接戦うことを考えてはいません。なぜか、それは核戦争になる可能性があるからでしょう。
プーチンさんが起死回生の一手で原子爆弾を使用する可能性がないとは言えません。それで、おいそれと参戦出来ないのでしょう。
然し、本当に、今回のウクライナの侵攻が核戦争にまで発展するでしょうか。これからさき、NATO軍が戦車やミサイルをウクライナに提供し、ウクライナはそれにより、ウクライナ国内に残るロシア軍を掃討して、なおかつロシア領内にまで侵攻して攻め上ったとして、プーチンさんは窮余の一策で原子爆弾を、使用するでしょうか。
無論、原子爆弾を落とされてはウクライナは万事休すです。ウクライナ政府としての戦いは終わります。今の原子爆弾は、かつての広島長崎の時の数十倍の威力があります。500万都市も一瞬で殺戮します。そればかりでなく、キエフの近隣にはチェルノブイリの原子力発電所があります。そこが誘発されれば、福島原発と同じく、被害は一層倍加されます。
そうなれば一国だけの被害には終わらずに、放射能は世界中に拡散します。中立を保っているベラルーシも、隣国のポーランド、ルーマニアも被害は免れないでしょう。無論ロシア本国にも放射能の被害が及びます。
結果として、北半球全体に放射能が及び、農作物は使えなくなり、世界中に飢餓が発生します。そんな戦いをロシアが決断するかどうか。
結局原子爆弾を使って勝利したとしても、その後の被害の処理を考えたなら、福島原発事故の数百倍、数千倍の災害を解決しなければならなくなります。隣国に対する放射能被害の補償もばかにならないでしょう。結果、原爆使用は誰も得をすることはなく、自らの国も多くの被害を被ることになります。つまり核戦争に勝者はないと言うことになります。
ロシアとしても、当然、費用対効果の見合わない原子爆弾使用は、見合わせる以外ないと考えているでしょう。そうなると、戦いは地上戦いかんにかかわって来て、ロシアが今のところ積極策に出られない現状である限り、ウクライナがNATOの支援を受けて、ロシア軍を追いやる以外解決の道はないと思います。
日本の政治家やコメンテーターの中で、「ロシアと戦っても勝てないんだから、早くに降伏したほうがいい」などと言ってる人がありましたが、それはあまりに不見識であり、民主主義を取り違えた見当違いな考えです。
自国が攻められた時に、自国民が自国を守る意識がなければ世界はその国を相手にしてはくれません。先ず自国民が自国を守る意識を持っていればこそ周辺の国は応援をしてくれるわけで、自国を守ってくれる他国と言うのは存在しないのです。
日本の中には、平和平和と唱えていれば他国は攻めてこないと思っている人が少なからずいます。然し、そんなことは寝言と同じで、侵略者から見たならいいカモなのです。
平和を唱えていたから今日まで日本は安全だったわけではありません。アメリカの核があったから周辺国は恐れて日本を攻めなかっただけです。結局のところ、いつの時代でも力がなければ安全も平和も守れないのです。
大国の前で小国は無力です。然し、自国を守ろうと必死になって戦う姿は多くの世界の人に共感を与えます。そして多くの援助が届きます。世の中は第二次世界大戦の時とはかなり変化しています。今行っている戦いを同時に世界中の人が見ています。それに対して素早く援助物資が届きます。こうなるといかな大国も力だけで解決させることは無理になっています。
我々にできることはささやかながらもウクライナを支援して、物資を送ることです。せめてウクライナ柄のマスクを買って、ウクライナ柄のマフラーをして、ウクライナ柄のパンツをはきましょう。
たとえ少々企業の策略に乗っかった行為だと気付いたとしても、そこは目をつむり、売り上げの一割でもウクライナに届くなら幸いだと善意に解釈をしたいと思います。
続く
4月16日、5月21日、12時から、玉ひでの手妻公演。この二回で玉ひでの公演を終えます。4月5月と藤山新太郎が、手妻終演後に日本舞踊をサービスに踊らせていただきます。そんなものはない帆がいいと言うお客様もあるかと存じますが、希少ですのでご覧ください。お席お早めにお求めください。
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