手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

ディアゴスティーニのザマジック

ディアゴスティーニのザマジック

 

 以前にメイガスさんから原稿の依頼を受けていて、資料を送ったままその後仕事に忙殺されていましたが、昨日(11月2日)ザマジック71号が届きました。私は、ディアゴスティーニのザマジックを手にするのは初めてです。

 イリュージョニストのメイガスさんが監修をして、全くの初心者にマジック指導をする、と言う企画をしていることは知っていました。実は、このザマジックを定期購読している人が、私のところにマジックを習いに来ています。

 その人は、ザマジックを購読することでマジックに興味を持ち、欠かさず購読しています。マジック熱が高じて、私のところにまで習いに来ていると言うわけです。毎回指導書と一緒に、指導教材が付いていて、その教材がなかなか優れ物であることは聞いていました。

 メイガスさんが厳密にセレクトして製作した作品が教材についています。先日も私のところで指導を受けている学生さんたちが、メイガスさんの作ったファンカードを持っていました。

 ファンカードをゼロから作ると言うのは簡単ではありません。よくそこまで執念を燃やして一回の作品の付録教材に出せるものだと思います。

 今回の号は、お化けハンカチが付いていて、写真による解説書が丁寧に書かれています。DVDもついていて、演技と種の解説が出ています。親切な解説ではありますが、これを毎回テキストとDVDに起こして指導書を作るのは相当に時間のかかる仕事だろうと思います。

 71号とありますので、この活動を71回繰り返してきたことになります。これは単なる仕事を通り越して、マジックに対する愛情が感じられます。日々の地道な活動に敬意を表します。

 

 指導書の巻末にマジシャン紹介のコーナーがあって、そこに今月号は、私の写真と記事が載っています。私を紹介してくださるのは有り難いのですが、私の経歴を見て、マジック好きの読者の皆さんが、夢と希望を膨らませてくれるのかどうか、そこまで私が世間のお役に立つのかどうか、はなはだ疑問です。

 次号の宣伝を見ると、次回は藤山大樹が出るそうです。そうなら藤山一門が立て続けに紹介されることになります。光栄ではありますが、メイガスさんのご指導している世界と我々とはあまりにかけ離れた世界ですので、これでいいのかなぁ。と心配になります。

 いずれにしましても、マジック普及のために広く読者を増やしているメイガスさんの活動は評価に値します。これからもお続けくださるよう、心より願っています。

 

大樹は元気でした

 昨日(11月2日)、昼に藤山大樹が来ました。道具のことで尋ねて来ましたが、久々に会ったので、事務所でお茶を飲みながらいろいろな話をしました。

 大樹は、海外の仕事の依頼が多かったのですが、このところのコロナ禍の影響で仕事の数を減らしています。仕事が少ないのは芸能人すべてに共通することではありますが、会って話をすると、思っていた以上に元気で、結構テレビの企画など、次の仕事の依頼があって、忙しく動いているようです。

 私自身他人ごとではなく、コロナ禍で仕事が減少し、被害を被っているのですが、私のことよりも、弟子が無事に活動していると聞くとホッとします。

 このところマジック界で、なかなか若いスターが出て来ません。積極的な活動をして、仲間を引っ張って行くような力のある若手が出て来ないのです。

 そうした中で、身びいきでなく大樹は確実にリーダーの一人となって活動しています。私のところに入って来たころは、気が弱く、人前で喋ることも満足にできないような、弱々しい子供でしたが、修行してゆくうちに、演技に自信がついて来て、性格もしっかりしてきました。

 特に昨年、文化庁の芸術祭賞を受賞したことは大きな成果でした。マジシャンの多くは、マジシャンの中で評価されることを喜びますが、実際、芸能活動をして行く上では、マジック界のコンテストの評価が仕事に生かされる機会はほとんどありません。国の評価を得ていることは活動の幅を広げます。30代でこれを手に入れたことは大きな成果です。当人も随分自信につながったことと思います。

 

 本当は大樹レベルの若手マジシャンが5人10人と育っていると、マジック界も活気づいて来るのですが、なかなか望むべくもありません。

 来年1月8日9日に座高円寺で開催される、ヤングマジシャンズセッションに藤山大樹に出演してもらおうと思います。ヤングマジシャンズセッションには何度か大樹は出演していますが、この二年間は出番がありませんでした。その間、大樹がどう進化して来たか、2年のブランクの成果がどんなものなのか、是非ご覧いただきたく思います。

 

コンテストをします

 来年のヤングマジシャンズセッションの二日目(1月9日)、の昼に、マジックコンテストを致します。参加は限定10組まで、制限時間10分以内、内容はステージマジック、ビデオ審査あり、12月15日までに東京イリュージョンまで、ビデオ送付してください。当日は9時から簡単なリハーサルをします。参加費1000円。コンテスト見学者1000円。優秀者は、次回ヤングマジシャンズセッションに出演、プラスギャラ。また、大阪マジックセッションにも出演できるように配慮します。(今のところ確約はできません。多分です)。一位から三位までは賞状を差し上げます。発表は当日のステージ上で行います。

 マジックコンテストは、来年、大阪セッションの二日目にも行います。大阪の優勝者は東京のヤングマジシャンズセッションに出演できます(交通費、宿泊費、わずかなギャラが出ます)。東京と、大阪の二つを拠点として、若手のマジシャンを育てて行きます。来年は少しマジシャンズセッションをバージョンアップして、停滞しているマジック界を活性化します。ご期待ください。

続く