手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

桜咲くも春来たらず

 さて、国立劇場の正面玄関で開催される桜祭りのイベントで、3月25日26日の水芸は、桜祭りとともに中止になりました。皆さんに告知して、お越しください、と申し上げていたにもかかわらず、間際の中止になって、申し訳なく思っております。

 私としても、大きな企画が次々に流れてしまって、この先、果たして私が、今の形を維持して、手妻師として生きて行けるのかどうか、危なくなってきています。無論、資金を借り入れるなどして、当座は生きて行かなければならないのですが。借り入れは結局、今の負担を後世に回すことになります。私の年齢を考えると、果たして70代まで借金を重ねて、返済ができるかどうか、不安になります。

 私は、今までどんな借金も、どんな投資も何も悩まずに思い通りに進めてきました。実際それでうまく行っていたのですが、さすがに、数年先に70を迎えることを思うと、これでいいかどうか考えてしまいます。

 前に昭和天皇のご病気で、半年仕事がなかった時の話をしましたが、むしろあの時は借金することに何の不安もなかったのです1988(昭和63)年(その時私は33歳でした)。今はどうしたものかと考えてしまいます。

 幾つになっても安定と言うことはありません。試練は必ずやってきます。その時その時をどう生きるか、というのは恐らく人生のお終いまでついてくる問題です。

今回の出費も、下らなく消費しているわけではありませんから、必ず何か実りはあると思います。しかし、そうは言っても使わなくて良いお金を使い、それがマイナスを補うために使われるのでは、その実りも微々たるものでしょう。日本全体が、みんな得体の知れない風評被害にあって、自由な活動が妨げられています。国も社会もひょっと振り返って見たなら、信頼できるものは一つもなく、何ともぜい弱で、無責任な世界だなぁ、と思います。

 

 コロナの収束は、おそらく、韓国とイタリアの感染が収束したときに収束宣言をするものと思います。実際日本ではすでに収束していると思います。後になって考えたなら、なぜあれ式のことで、相撲を無観客にしたり、高校野球を中止したのか、首をかしげてしまうでしょう。普通の流行り風邪と何ら違わないコロナウイルスを、みんなで話大きくしています。とりわけ、テレビのニュースの取り上げ方は異常です。

 それでも陽気はどんどん暖かくなってきていますし、雨も降る日が増えています。気温が上がり、湿度が高くなれば、ウイルスは消えて行きます。無駄に騒がないことです。健康体の人にはコロナウイルスはかかりませんし、かかったとしても必ず治ります。大したウイルスではないのです。

 むしろ、この先にやってくる、世界的な大不況のほうが多くの死者を出す可能性があります。韓国の政治危機、中国の経済危機、このあたりが下手をすると、とんでもない世界恐慌につながるかもしれません。

 1914年7月、サラエボで起こった些細な事件が、たちまち第一次世界大戦につながりました。今から100余年前のことです。当初はヨーロッパ各国が平和裏に解決をさせようとしていたものが、解決が遅れ、三か月で終息する予定が、数年に及ぶ大戦になってゆきました。その頃、ヨーロッパの各国の人々は、まさか、ヨーロッパ全体に及ぶ戦争が起こるとは誰も考えてはいなかったのです。それが、アメリカロシア、日本までもが参戦して、世界戦争になりました。

 私は今、この程度の風評被害で大騒ぎして、物の本質を見ようともしない人たちを見るにつけ、大不況や、戦争は必ず起こると思っています。誰も昭和天皇の時のことを学んでいませんし、オイルショックも、リーマンショックも、過去のことと忘れ去って、真剣に考えていません。わずか10年20年前のことを過去として片付けてしまって、忘れてしまったなら。百年前に世界大戦が起こったことはもう全く他人事にしか思っていないでしょう。こんなことをしていてうまく行くはずがないのです。悪いことは言いません、世間の人は手妻師の言うことを聞くことです。私を信じてください。いい加減なテレビのコメンテーターを相手にしてはいけません。