手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

深夜の地震

深夜の地震

 

 昨晩(3月14日)、深夜寝ていると、かなり長い時間の地震がありました。揺れは東西の横揺れでしたから、震源は千葉か、茨城がだろうと思いました。揺れは大したことはなかったので、問題ないだろうと思い、そのまま寝てしまいました。

 このところ地震が多いのが気になります。今現在、日本の景気は株価も最高潮に達していますが、これで首都圏に大きな地震が起きるようなことになると、一辺に経済が破綻してしまいます。

 災害があっていいことなど一つもありません。首都圏での大地震となると、復興に、相当に時間がかかります。10年経っても完全復旧は無理かも知れません。上水、下水を考えても、東京の地中には、60年70年経っている水道管などがざらにあります。そうした配管が地震によって一遍に駄目になってしまいますから、これを完全に修復するだけでもとんでもない費用が掛かります。

 ビルの建設、道路の修理、橋や、陸橋の修理、あらゆるものが破壊されて、建設会社にとっては大儲けのチャンスかもしれませんが、幾ら費用をかけても、元に戻すための費用ですから、日本の発展にはつながりません。被災した人にとっては財産を失い、生活を失い、仕事を失い、不幸以外の何物でもありません。

 

 いま政治の世界では、パーティー資金のバックリベートの問題で国会内は大騒ぎですが、もし大地震が起きたなら、バックリベートの話題など吹っ飛んでしまって、日本中災害復興に集中するでしょう。自民党にとっては、もし今、関東大震災が起これば、天の恵みになるかも知れません。

 パーティー券のバックリベートなどどうでもいい小さな話になってしまい。税金を逃れて、政治資金を作っていた政治家はみんな無罪放免になるでしょう。政治だけでなく、だらだらとゴシップを引き摺っていた、ジャニーズの問題も、松本仁志さんの問題も、うやむやのうちに、噂が消えて、いつの間にか当人がテレビ復帰するかも知れません。ついでに渡部さんなども戻って来るかも知れません。

 地震はすべてのことを忘れさせて、あらゆるものを浄化させる作用があるのかも知れません。大きな問題の前には、小さな問題は消えてしまいます。いいも悪いもありません。それだけ日頃、むきになって大騒ぎしていたことはどれもつまらないことだったのです。いいか悪いかと言えば悪いことではありますが、地震の前には些末な話なのです。そんなことより、この先東京をどう復興させるか、が重要な話題となるのです。

 

 かつて、私の20代のころ、一極集中している日本の首都を遷都しようと言う話があったのですが、あの話はどうなったのでしょう。茨城あたりに新首都を建設しようなどと言っていたものが、その計画がいつの間にか消えてしまいました。首都移転となると巨大な費用が掛かるため、恐らくバブルが弾けた後は、金が無くなって、話は消えてしまったのでしょう。

 然し、大震災があって、破壊されたなら、どのみち新しく、国の機能は建て直さなければなければならないでしょうから、なにも東京にこだわることなく、北関東でも、東北でも、首都を移転すればいいのではないかと思います。

 東京にばかりあらゆる機能が集中していることの弊害は昔から言われていました。地価は値上がりし、電車、車は渋滞し、不動産は高騰し、生活環境も最悪です。何十年もそんな生活に慣れてしまったから、みんな諦めて何も不満を言わなくなりましたが、本来日本人はもっともっと豊かな生活を安価で手に入れて行けるはずなのです。生活するためのシステムが悪いから無駄な金を使って、不便を強要されているのです。

 システムを変えれば今以上に快適な暮らしができるはずです。政治や行政を別の地域に移転することは有効な話です。筑波に移転するもいいですし、いっそ、東日本地震で人が減少した、福島県に首都を移転しては如何でしょう。

 今でも福島県や東北地方では地震の被害から立ち直れない地域がたくさんあります。そこに首都を持って行けば、地域の復興には役立ちますし、東京は人口が少なくなって、地価は下がり、都民は快適に暮らせるようになります。新首都は地震に強い、耐震構造の都市を作って日本全体のモデル都市にしたらどうでしょう。

 それを、東京大震災が来てから行動をするのではなく、今から新首都を福島に移転するべく、用地を買収して、(放射能被害で人が住まなくなった地域を買収すれば格安で手に入るでしょう)青写真を作っておくのです。そして、早期に新首都を建設して、仮に地震が起きたなら、速やかに移転するのです。こうすれば、日本の手回しの良い行動に、世界は称賛するでしょう。

 「もし、地震が来なかったらどうする」。問題ありません。来ても来なくても首都を移転するのです。移転の費用は、今の千代田区にある政府の建物(国会議事堂や、外務省、などの庁舎)、を売却した費用で賄えばよいのです。官庁はどこも交通の便のいいところにありますから高額で売れるでしょう。

 ついでに大学も新首都に移したほうが良いでしょう。東京は、経済と文化の都市と位置付けて、政治学問は新首都に移したらよいのです。そうなれば、東京は今より100万人、人口が少なくなるでしょう。一割人口が減ったなら、山手線のラッシュは確実に改善されるでしょうし、住宅もマンションも、アパートの家賃も確実に10%価格が下がるでしょう。

 地震が来ることは脅威ではありますし、被害を思えば誰も望まないことではありますが、でもどうせ来る災害ならば、その災害をばねに、より住みやすい生活を考えたらよいのです。駄目はいくら繰り返しても駄目です。駄目をどうしたらよく出来るか、それが大震災のきっかけでよりよい生活が出来るなら、地震は大きなチャンスを生むことになります。幸せも不幸も、成功も失敗も、全ては人の思いようです。

続く

 

 明日(16日)明後日(17日)は、香港での仕事のため日本を離れます。2日間ブログはお休みします。今日はこれから出発します。帰ったら香港のお話を書きます。