手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

3月4月は、

3月4月は、

 

 3月はもう早くも半分が終わってしまいました。振り返って見て、一体自分は何をしていたのかと言えば、指導と小道具の製作が多く、ほとんど毎日個人指導をしていました。指導の間に、新しい手順を考えたり、小道具の試作を作ったりしていたわけです。

 弟子の朗磨は毎日、9日のヤングマジシャンズセッションのチケット対応をしていました。あれこれ事務仕事をしているうちにあっという間にセッションの当日になり、そして後片付けをして、今日に至ったわけです。

 9日の舞台では久々植瓜術を出しました。ところが、稽古をしていて気づきましたが、四つ柱になる細竹が割れていました。何とか、接着剤で応急処置をして本番を演じましたが、柱が折れてしまい、全体を支えるだけの力がなく、演じていて倒れそうになります。本番はなんとかうまく行きましたが、公演の翌日、早速竹を取り換えて、新規に作り直しをしました。

 こうした道具は既製品ではありませんので、一から作る以外ありません。作ると言っても元となる資料もありませんので、全ては私の頭の中で想像して考える以外ありません。「多分昔の人はこんな風に作ったのだろう」。と言う想像の元に制作します。

 道具はなるだけ、昔の儘に新しい素材は使いません。如何にも昔の人が使っていたような道具を考えて作ります。まるで1000年も前からこの道具でやっていたかの如くに古風な道具で演じます。すると、お客様も勝手に古い時代をイメージして、ストーリーに入り込んでくれます。これは大人のおとぎ話なのです。修理した道具は収納ケースに収めて、又次の植瓜術の公演に備えます。

 

 私は明後日から香港に行き、公演をします。ジャパンフェアと言う、日本政府と民間企業との合同の日本文化を紹介する催しです。様々な日本の芸能や、伝統工芸などの職人さんを紹介して、数日間、日本文化を披露すると言う企画です。

 3日間、傘出しや引き出しの手順、柱抜き、蝶のたはむれを持って行って公演します。無論朗磨も連れて行きます。朗磨は初の海外公演になります。私の仕事をしていれば、この先も頻繁に海外公演はあります。今から喜んでいます。

 そのため今日はこれから、演技を稽古します。何十年もやっている演技ですが、全く何もせずにいきなり本番と言うのは上手く行きません。必ず本番と同じように通しでやって見ます。すると、思いもよらないところで道具が破損していたり、必要な小道具が足らなかったりします。

 細かな演技を忘れてしまっていたりもします。香港まで行って慌てないように、しっかりチェックします。と言うわけで今日一日は、外出することはなく、アトリエで稽古をすることになります。

 

 16日に峯ゼミの初回がありますが、残念ながら私は香港と重なりますので、参加できません。峯村さんが、再度四つ玉のレッスンをします。前回見逃していた方があれば、是非参加してください。理詰めで精緻な峯村さんの手順構成はとても参考になります。ご連絡は東京イリュージョンまで。

 

 その翌週は、JCMA 主催による、ジャパンカップ。ことしは、ホテルニューオータニの敷地内にある紀尾井町ガーデンテラスで開催されます。ジャパンカップは毎年高級な会場で催されますが、今回も飛び切り高級感のある会場です。私は20年以上に渡ってずっとプレゼンターとして参加して来ました。今回も引き受けています。どなたにお渡しするのかは秘密です。宜しかったらひと時贅沢な世界をみんなで一緒に楽しみませんか。

 

 30日には、浅草公会堂の第二集会室でエンタメライブがあります。これは高橋司さんが年に数回開催している若手育成のための公演で、今回の出演は、藤山大成、和田奈月、TOMOKO、ザッキー、の4人。和洋入り混じっての公演です。15時と18時の二回公演。入場料は前売り3000円。この4本で3000円は割安です。しかも、場所が浅草公会堂の5階にある和室です。お座敷の雰囲気があってとてもいい場所です。

 私もこの日は出掛けて、ショウを拝見しようと思います。50人も入ればいっぱいになってしまう場所ですから、参加ご希望の方はお早めにお申し込みください。090-2217-1102高橋司さんまで。

 

 私の主宰する屋形船の企画は、4月12日(金)もう27人集まっています。30人までは対応できますが、30人を超えた場合は、大きな船に変えなければなりません。お仲間と申し込まれる場合はお早めにお申し込みください。4月12日、昼12時出航。3時解散。

お食事と私の手妻が付きます。東京湾から隅田川にかけての舟遊びです、季節も暑くなく寒くなく、最高にいいコンディションだと思います。参加費は17000円。お一人でも歓迎。11時30分に品川のふ頭にお越しください。詳細は御案内状を送りします。

03-5378-2882 東京イリュージョン

 

 何のかのと毎週毎週催しが続きます。その間に私自身のショウがあり、又指導があって、あっという間に一か月は終わってしまいます。5月からは秋葉原の指導が始まります。6月は福井に出かけ、三国の博物館でショウをします。そんな風にスケジュールをこなしているとあっという間に秋の天一祭、大阪のマジックセッションがやって来ます。一年なんてあっという間です。

 何とか、仕事の隙間に、創作の時間を作って、新しい手順を作らなければなりません。せっかく創作意欲が湧いている時ですので、年末までには形あるものにしたいと考えています。

続く