手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

コメダ珈琲オープン

コメダ珈琲オープン

 

 話題のコメダ珈琲が高円寺にもできました。オープンしたのは5日前で、場所は北口ロータリーから座高円寺に向かって歩いて2分くらいです。場所がいいので流行ることは間違いないとは思いますが、どうしたものか、高円寺の駅から東に向かう道が今一つ繁華にならず、どうも街並みも地味です。このビルの一階もこの間までセブンイレブンがあったのですが撤退しています。

 前の晩、女房が、「コメダ珈琲がオープンしたから行ってみましょう」、と言いました。そう言えば表通りで、コメダ珈琲と言う看板を見ました。コメダ珈琲なら今流行りの喫茶店ですから、高円寺でもきっと当たるでしょう。

 私は名古屋でホテルに泊まるときは、よく朝食をコメダ珈琲で取ります。モーニングにトーストと、あんこが付いていたり、サラダにボリュームがあったり、いろいろ工夫がされていて、それでいてホテルの朝食より安いのでよく利用しています。

 中野の丸井の二階にもコメダ珈琲があり、私は、手芸用品を買うとき(高円寺に手芸店はないのです)。中野の丸井に出かけ、帰り際にパンケーキと珈琲を頼んだりしています。この店は流行っていて、お客様がひっきりなしに来るため、時間によっては30分くらい待たされることもあります。

 混んでいるときはそのまま高円寺に帰ります。これからは高円寺の店を利用できるので私にとっては幸いです。女房曰くは、開店3日間は無料サービスだと言います。それなら二人で出かけてみようと言うことになりました。

 翌朝(25日)8時40分に家を出ました。店の前には数人人が集まっています。並ぶほどではないようです。女房の知人もいます。ほどなく店が開き、中に入ってメニューを見ると、この日はモーニングセットのみです。私は「黒コメダ」と言う珈琲とトースト、ジャムにあんこを頼みました。女房はトーストにバター。卵にカフェオレを頼みました。

 ちなみに黒コメダと言うのは、店で一番香りの高い珈琲だそうです。楽しみです。通常の名古屋のモーニングセットは随分いろいろと食べ物が付いてきます。店によっては焼売が付いたり、焼きそばが付いたり、味噌汁が付いたり、ミニハンバーグが付いたり、プリンが付いたり、とにかくたっぷりのサービスが売りの店が多いのです。

 然し、コメダのモーニングセットはあっさりとしていました。大概の東京の喫茶店のモーニングでも、トーストに茹で卵くらいは付きます。私の頼んだ物は卵の代わりにあんこでしたが、別段過剰なモーニングではありませんでした。

 トーストはパンの香りが良く、サクッと焼けていていい出来です。イチゴジャムはごく普通。あんこは固めに丸まって皿の上に出て来て、スプーンで塗って食べます。黒コメダの珈琲が旨いです。確かに香りがいいですし、味わい深いです。何も入れなくても十分楽しめました。

 さてこうして夫婦して喫茶店で向かい合わせでコーヒーを飲むのは何年ぶりでしょう。無論、一緒に暮らしていて毎朝朝食は食べていますが、ゆっくり珈琲を飲んで語り合うこともありません。たまにはこういう日があってもいいのでしょう。

 帰り際にコーヒー代を支払おうとすると、全て無料だと言われました。それは申し訳ない。また後日出掛けていろいろ頼もうと思いました。

 コメダ珈琲は思いのほか敷地が広く、恐らく高円寺で一番広い喫茶店でしょう。セブンイレブンの時にこんなに広かったとは思いませんでした。裏にJIROKICHI(治郎吉)と言うライブハウスがありましたが、セブンイレブンとライブハウスを同時に閉鎖して、コメダになったのでしょうか。

 いや、いや、JIRIKICHIが店を閉めたと言う話は聞きません。高円寺では老舗のライブハウスです。元々が敷地の広いビルですから、セブンイレブンが思いのほか広かったのでしょう。

 以前向かいの中央線の高架下に古い蕎麦屋があって、この蕎麦屋は夜は大衆酒場のような営業をしていました。あまりきれいな店ではなかったので私は一度も入りませんでしたが、ある日表に「ロックミュージシャンの方入店お断り」、という張り紙がありました。

 恐らく治郎吉でライブをしたアマチュアバンドの連中が、打ち上げに蕎麦屋で酒を呑んで大暴れしたのでしょう。蕎麦屋の親父はよほどミュージシャンに凝りて、ロックミュージシャンを締め出すことにしたのです。

 それにしても業種を限って店の入店を断ると言うのが面白く、ロックミュージシャンはこの小汚い蕎麦屋の出入りすらも出来なくなったのです。随分世間を狭くしたものです。但し、蕎麦屋は、治郎吉の近所で商売をしている関係上。全てのミュージシャンを断ることも出来ず、ロックミュージャンに限って入店を断ることにしたのです。何となくやらかした連中も、やった内容も目に浮かびます。

 そこへ行くとマジシャンはおとなしいですねぇ。そもそも酒を飲む人が少なく、大きな声で話たり、大笑いをしたり、いきなりわけのわからない事を言って、殴り合いになったりもしません。せいぜいカードを出して隣の人に一枚引いてもらう程度です。至って罪はありません。いくらマジックをしても、店から追い出されるようなこともなく、引いたカードが違ったからと言って大喧嘩になったりもしません。

 それでもどこかの飲み屋でイリュージョンマジシャンお断りとか、メンタリストお断りとか、特定のジャンルのマジシャンの入店を断る貼り紙でも出て来ないでしょうか。マジックは狭い世界ですから、誰が、迷惑を掛けたかすぐにわかるでしょう。そんな店があったら是非出かけて詳しく事情を聞いてみたいと思います。きっと面白い話題が手に入るでしょう。

続く