手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

中国バブル韓国バブル

中国バブル韓国バブル

 

 以前にもお話ししましたが、 今から10年ほど前、北京で開催されたマジックの世界大会に出演した際に、仲間とランチを食べに行こうと、タクシーを使って、高速道路に乗って、郊外まで出かけました。その間、高速道路の両側に20階くらいの高層ビルが延々と続きました。

 初めは「中国の発展はすごい」。と、感心しましたが、余りに高層ビルが長く続くので、「おかしいな」と思い、よく見ると、ビルに人が住んでいる気配がありません。一階を見ると、どのビルも人が出入りしていません。ビルは、高速道路に沿って林立していますが、ビルの隙間を見ると、その裏は原っぱで、町などないのです。

 どうやらこれは、中国政府が自国の発展を見せるために、ハッタリでビルを並べたのでしょう。そして同時に、オフィス不足、住宅不足を補う考えだったのでしょう。しかし、実際は、建物は建てても、中国の企業の借り手がなく、ほとんどは人のいないビルになっていたのでしょう。

 日本にもこうした無人のビルはないとは言えませんが、これほど大規模に誰も住んでいないビル群が延々続くことはあり得ません。共産主義国は、一党独裁国家ですから、国の政策を批判する人はいません。企業はあっても、国のすることを先取りしたり、競合したりすることもありません。

 国のすることは絶対です。作るとなったら需要があろうとなかろうと、計画の通りに作ります。そうした結果、計画変更をしないまま、ニーズも考えずに物ばかりがどんどんできて行きます。

 一般の企業なら、計画の実行中に、経済状況が悪くなったり、需要が落ち込んできたりすれば、すぐに規模縮小をしたり、中止をしたりしますが、中国はそれをしません。計画のとおりに実行します。

 その結果が、中国新幹線であり、高速道路であり、新都市開発であり、巨大企業の工場であったりします。乗客のいない新幹線を毎日走らせたり、人のいないオフィスビルが出来たり、稼働しない工場を作ったりします。それでも中国では責任者が罰せられることはありません。批判する勢力を認めないのですから、国はやり放題です。但し、そうした国は経済破綻をします。

 「そうは言っても中国は発展している」。そう言われれば、仰る通りです。しかし問題はこれからです。中国は、この20年間大発展をし、経済力でも日本を抜いて、世界第2位にまでなりました。それは素晴らしいことです。然し、その経済力で何を作り、何を残すのか。中国の歴史の中で二度とないほどの,大きな成功を手に入れたのに、この成功をどういう形で後世に残すかが問われるのです。

 それが、人が乗らない新幹線をこしらえたり、一帯一路政策で、砂漠の道を舗装したり、人の住まない住宅街をこしらえたり、そんなことをしていて本当に大丈夫なのか。と、心配になります。

 日本もかつては、バブルに浮かれて、地方都市で、遊園地を作ったり、リゾートホテルを作ったり、博物館や、図書館を作ったりして、派手に金を使って、破綻した地方都市もありました。すべてが役に立たなかったわけではありませんが、無残な廃墟はいまもたくさんあります。

 それでもまだ、日本の場合は、無駄遣いの規模はわずかです。中国の無駄を見ていると、「このままで大丈夫か」。と奇術師である私ですら心配になります。大して必要でもない公共事業にとんでもない金を使って、建設費やら、鉄鋼生産やらの需要を作って、それによってGDPを引き上げているとしても、いずれ、中国の経済が低下したときに、負の遺産によって大不況が来ます。

 ましてや今の状況で、台湾進攻などすれば、中国は一気に経済破綻します。そうなると世界中が大不況に陥ります。誰か中国の無駄遣いを止めてくれませんか。

 

 同様に韓国です。この20年韓国も中国と同様に経済発展を遂げました。ところが、韓国は、彼ら自身が思っているほど豊かな国にはなっていないように思います。自らG8などと称していますが、いまだかつて、G7の会議で韓国を入れてG8にしようと言い出した国などありません。すべては韓国の願望です。

 国内は相変わらず若い人の失業は多いですし、輸出で生きている割には、自動車も携帯電話も、コンピューターも売り上げが不安定です。

 輸出製品はどれも中国に追い抜かれそうですし、逆にクオリティの高い商品は、日本ほどの安定したブランド力もなく、信頼も高いとは言えません。韓国人のプライドばかりが育って、少しも、国として見て安定感が感じられません。貿易立国と言いながら、今でも輸出の信用状は日本が裏書しなければ何も輸出が出来ません。

 その理由は韓国の金融が弱すぎるのです。国民全体ががもっともっと貯蓄に投資して、韓国を強くしなければならないのに、韓国人は、マンション投資に熱心で、借金してまでマンションを所有して、人に部屋をリースすることをステイタスと考えています。その結果、ソウル中に賃貸マンションが林立して、その価格が東京以上に高騰しています。

 そうして儲けた金は、車を買ったり、ファッションに金をかけたり、整形に金をかけて、身にまとうことにばかり投資しています。見た目は日本人より豊かな生活をしているように見えますが、その実、常にローンに喘いでいて生活は不安定です。

 彼らの姿を私は35年前に経験しています。昭和60年ごろの東京のバブルの姿です。東京の中古マンションの値段が7千万円、8千万円まで高騰して、みんな借金してまで不動産を持とうとしました。ところが、ある日突然、半値以下に下落したのです。バブルで浮かれていた企業や、個人の経営者が破綻し、銀行も証券会社も不動産会社も倒産。大騒ぎになりました。

 あの日と同じことが、もうすぐ韓国で起こります。むしろ、貯蓄を持たずに、派手に金を使っている韓国人の方が、いざ破綻した後は立ち直りが遅いのではないかと思います。財産なんて紙切れ一枚のことです。一億の家土地を持っていると言っても、一瞬で4000万円に価値が下がります。株券も同じです。ところがローンだけは下がらずに残ります。支払いばかりが毎月押しかけて来ます。

 それでも日本人は、貯蓄がありましたから、多くは貯蓄を取り崩して返済をしたのです。それだけ日本の経済は最悪な中でも安定して推移したのです。

 あの時代と同じことが、これから韓国にも、中国にも起こるでしょう。さて中国韓国はこの先大丈夫でしょうか。ひょっとして、中国、韓国の若者が大量に日本に就職先を求めて押しかけて来るのではないでしょうか。

続く