手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

大谷人気に乗って

大谷人気に乗って

 

 どうもアメリカでは、大谷人気が止まらないようです。いろいろなファン投票をすると、どれもダントツに一番人気は大谷翔平選手だそうです。既にアメリカンリーグの試合は後半に入っていますが、ホームランはもう34本も打っています。勿論、アメリカの選手の中ではトップです。

 昨年の同じ時期の大谷選手自身の記録が20本だったことを思えば、今年は快調に進んでいます。単純に言って、このまま打ち続ければ50本越えも夢ではありません。とにかく物凄い選手に成長したわけです。

 しかも、大谷選手はこれだけにとどまらず、同じ試合でピッチャーもやって、投手、打者の両方を演じているわけです。これはもう超人です。野球場でのグッズ販売も、エンジェルスの赤いキャップや、シャツは勿論。そこに大谷と書いてあれば飛ぶように売れます。(漢字で書いてあっても売れます)。対戦相手の応援席ですら、大谷のシャツを着ている子供がたくさんいます。

 もう敵も味方もなく、みんな大谷選手が好きなのです。野球場に来る人のほとんどはとにかく大谷選手が見たいのです。大谷選手と同じ時間を共有した、と言うことが観客の自慢なのです。それは野球に限らず、すべてのスポーツを併せた中でもトップの人気です。長らく低迷していた野球人気が今、急激に盛り上がって来ています。球団全体の観客動員数が上がっているのです。

 無論、大谷選手が所属しているエンジェルスとの試合になると、どこで試合をしても、大谷選手が来ると言うだけで、軽く1万人、2万人は観客動員数が上乗せされます。

但し、エンジェルス自体はそう強い球団ではないのです。どちらかと言えばマイナーな球団だったです。(いや、今もマイナー感は拭い去れません)。この球団が今まで観客を大量に集めたことなどなかったのです。

 全く大谷選手一人の人気が、エンジェルスを支え、全米の野球界を底上げしているのです。実際、大谷選手はそうやって集まって来た観客の期待に応えるべく、連日、投げて、打って、点数を上げ、盗塁して観客を沸かせています。こんなに働いて、体の方は大丈夫なのか、と心配になります。

 実際には相当負担がかかっているはずだと思いますが、当人は一切何食わぬ顔をして、毎日楽しそうに試合をしています。その何食わぬ顔で、野球をする姿がまたファンにとってはたまらない魅力なのでしょう。

 

 その大谷選手が、今年移籍の可能性があります。自身の思いは、エンジェルスから他球団に移る意思があるのか。移るとしたなら、どこに行きたいのか。今のところは秘密裏に話は進行しているようです。勿論、今の大谷選手なら、自身が、「ヤンキースに行きたい」。とか「ドジャースに行きたい」。と言えば、どこの球団でも十分に配慮して、丁重に交渉に応じるはずです。

 然し、全くそのそぶりを見せません。大谷選手は全く大人の駆け引きを見せないのです。そこが何とも野球ファンの心をひきつけます。実際移籍すればとんでもない金額が動くことは明らかなのですが、当人は全く金銭に興味がないのです。

 いろいろ情報を調べると、大谷選手は、自身の収入から、相当多くの寄付をあちこちにしているようです、何に対する寄付かというと、一つは、難病の子供たちに対する寄付金。大谷選手の地元の子供たちへの寄付(野球グッズや、設備費など)。東北地震の際の被害者への支援。等々、あらゆるところに寄付をしているそうです。

 対して、自分自身が使う経費はわずかで、少しも贅沢をしません。スーツも、トレーニングウェアも、スポンサーからの頂き物を着て、ほとんど自前で作ることをしません。自身が生活に身に着けるものにはおよそこだわりがないようなのです。

 つまり、大谷選手はただただ野球がしたいのです。そのために毎日トレーニングをして、あいている時間にライバル選手のビデオを見て、練習法を指導してくれる本を読み、何から何まで野球に関する生活をしています。それ以外のことは全く興味がないのです。

 その結果が連日の試合の成果です。常に全米の過去の野球の記録を塗り替えて、歴史上のトップの野球選手に位置しています。これほどの選手は過去にも、又恐らく将来も出て来ることはないでしょう。恐らく歴史上最高にして比類のない選手です。

 もうベーブルースの再来という言葉は、彼を語る言葉としては不適切です。大谷選手は完全にベーブルースを超えています。全く新しい、他に比べようのない大物選手なのです。明らかにこの人は、歴史に残る野球選手です。いや、21世紀の人類に大きな影響を与える人の一人です。

 

 私は人生の内で何とか大谷選手と会って、私の手妻を見せたいと思っています。彼が私の蝶を見たならどう思うか、そこが興味です。そんなチャンスが来るかどうか、今のところは全く可能性はありません。ただ、私自身は、今まで、およそ会う可能性のない人にマジックを見せて来ました。そうした幸運をたくさん経験しています。

 あの人に見てもらいたい。そう思い続けていれば必ずチャンスが来たのです。きっとその日は来ると思います。その日がいつなのか。分かりませんが、きっと来ると思います。もしそれが実現したら、後日、その時の詳しい状況をまたブログでお話しします。

続く