手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

仲良きことは美しき哉

仲良き子よは美しき哉

 

 昨日は、月に一回の糖尿病の検査がありました。昨日は、通常の血液検査の他に、レントゲンや、心電図の検査もしましたので、随分時間がかかりました。幸いなことは、数値がどれも正常になっていることです。毎日アルコールや、食事制限をしているために、数値が安定したのです。

 私は糖尿病さえ収まれば、他に病気はありません。血管も心臓も、問題がないのです。大腸のポリープも取り去った後は全く問題ないようです。

 CTスキャンは半年に一度見てもらうようになりましたが、月に一度の糖尿病検査と、半年に一度のCTスキャンのみで、他に問題はありません。

 検査のために朝食を抜いていますので、今日は、カロリーの高いものを食べても問題ありません。検査で少し時間がかかったため、もう11時を過ぎています。久々、三軒茶屋の駅近くにある、L'ARTE(ラルテ)に行ってみました。

 11時25分、店の前に着くと、もう10人ほど並んでいます。若い女性に人気です。私が並んですぐに店はオープンしました。店はたちまち満席です。 前菜と飲み物、ピザのセットを頼みました。待つこと5分。前菜と、アイスコーヒーが来ます。ハムや鳥の胸肉が少しずつ小さな皿にまとめて並んでいます。わずかな量ですが、後で大きなピザが来ますのでちょうどいいのです。

 ピザは特大で30㎝くらいあるでしょう。回りに座っている女性も同じサイズのピザを食べます。よく食べられるな、と思いますが、みんな完食します。家に半分持ち帰る人もいるようです。確かにここのピザは期待を外しません。

 竈で焼くために、生地のヘリの焦げから木の香りがします。店の中も少し煙りが回って来ます。生地は薄く広げてあります。思っているよりは軽く食べられます。マルガリータ一枚完食。ちょうどいい量でした。本当はワインを一杯頂きたいところですが、それはやめておきます。ランチは、1900円です。およそ無理のない金額の食事です。

 

 さて、本当は私がどこに行って、何を食べているかを、ブログで詳細に綴りたいのですが、実は、これを読む人の中には、予定を書き込んだりすると、先回りしてその場にやってくる人がいたり、また、私が仲間と食事することに嫉妬する人などがいて、私と一緒に食事をしたことは内緒にしてくれ。と言われる場合が多く、実際には食事のレポートは、ほんの一割程度しかお知らせできません。人間関係は難しいのです。

 特に、この先の予定というものを書くことができません。終わった日程の中で、当たり障りのないものを書いているわけです。

 

 この後買い物をして、6時からマギー司郎さんと、ボナ植木さんと三人でアルコールを飲む会をしました。実はこの催しは約1年ぶりです。コロナがなかなか収まらずに気軽に飲めなくなってしまったのです。

 いつもは両国で集まって飲んでいたのですが、今日は気分を変えようと言うことで、中野に集まることにしました。私の家の近所です。駅で集合して、北口の味わいと言う料理屋に入りました。ここは度々利用する店です。

 私が68歳、ボナさんが70歳、マギーさんは77歳です。3人とも、この年まで現役で舞台に立っていられるのですから幸いです。私とマギーさんとの付き合いは、もう50年になります。私がまだ高校生で、夏休みに大須演芸場に出演していた時に、見に来てくれたのです。

 その時私が何を演じていたかという話になり、私も細かく記憶していなかったのですが、恐らく初めにカードなどのスライハンドを演じて、後半は喋りのマジックをしていたと思います。マギーさんの記憶では、黒板を使った当て物をやっていた。と証言しています。間違いありません。一時期得意にしていた芸です。

 三人でハイボールを呑み、刺身や、揚げ物をつまみ、大きなつくねを食べました。マジックの話はほとんどなく、全くの世間話ばかりです。でもそれが楽しいのです。食事を済ませ、いつもは一軒で収まる所ですが、この晩はもう一軒行こうと言うことになり、駅前のバー、ブリックに行きました。

 ここは中野では老舗のパブです。然し、数年前から、店主が高齢のため店をやめてしまいました。中野でこの店のファンは多く、何とか続けて欲しいと言うお客様の要望により、店は居抜きで新しいオーナーが引き継ぎました。

その結果、料理に焼き鳥が出たり、枝豆が出たりの何でもありの居酒屋になりました。それでも店の外観も内装も昔の通りですので、訪ねる人も多いようです。

 ボナ植木さんは、こうした店にふらりと訪ねて行って、一人酒を呑むのが好きなようです。実は今日、待ち合わせ前にここで呑んでいたそうです。つまり2度目の来店です。そのボナさんが推奨する店です。

 ボナさんは、このところ、レクチュアーを始めたようです。先週大阪でレクチュアーをした時には、定員20名の所を40名集まったと言うことで、大分機嫌よく、たっぷりと指導をしたそうです。いいですね。何でも興味があって、指導でも舞台でも依頼が来るのは幸いです。大概70歳を超えると人とのつながりはどんどん薄れて行きますから。それが維持されていることはいいことです。

 こうして8時過ぎまで話をして、又の再開を誓って別れました。マジックに携わって50年。何はともあれ、3人が健康で、こうしてたまにあって酒が飲めるのは幸せなことです。

続く