ヘルソン南部侵攻
私のブログは、一番多い題材は勿論マジックなのですが、その次が江戸文化物、芸能物、スポーツもの、クラシック音楽物、コロナ物、そしてウクライナや中国台湾と言った政治軍事情勢物です。
私がウクライナについて書くのは、決して私の趣味からしていることではありません。以前に、ウクライナ侵攻を、第一次世界大戦や、第二次世界大戦、古くはクリミア戦争にひっかけて書いたブログがあったように、ロシアによるウクライナ侵攻は、確実に100年に一度起こる世界の大変動だからです。
世界、特にヨーロッパは、100年毎にヨーロッパの国々の形やサイズが大きく変わっています。日本にいると気が付かないことですが、フランスもオーストリアもドイツも、200年前と100年前、そして今とでは全く国の形が違います。ある国は戦争によって全く地上から消えてしまったり、又ある国はとんでもなく大きくなったりします。それが100年に一度起こる大きな戦争によって、世界が変化します。
ウクライナは間違いなく100年に一度起こる大変革の火種です。この問題が、如何にうまく政治が動いて収束したとしても、今年2月のウクライナ侵攻以前の状態に戻ることはないでしょう。間違いなく何らかの大変革を起こして、世界が変わって行くきっかけになります。
なぜそうなると私が言えるのかと言えば、ウクライナは返済不可能になるほどの多くの金を使っていますし、ロシアはむきになって勝算のない戦争をしています。これでは必ず破綻します。そしてその被害は世界に影響します。日本も例外ではなく、必ずや大不況が来るでしょう。それゆえに熱心に書いているのです。
しばらくウクライナについて書きませんでしたが、ウクライナはもうすっかり冬になっていて、連日零下の温度です。ウクライナ軍は冬装備が出来ていますが、攻めるロシア軍は装備が揃わず、武器が揃わず、兵の士気が高まらず、新たな侵攻が出来ない状況のようです。そうならウクライナ軍はこの隙に一気に攻めたら良さそうなものですが、今は寒さが厳しいため、大規模な戦いは行いにくいようです。
それでも、東部地区のドンバス州当たりで小さな戦闘が繰り返されていて、少しずつではありますが、ウクライナ領は拡大しているようです。また、ヘルソン州の南部は、長い間、ドニエプル川をはさんで南北で両軍が対峙していましたが、ここへ来てウクライナ軍がドニエプル川を渡河して南部に侵攻したようです。
ヘルソン州はクリミア半島に接し、水道電気などの生活を維持する機能が全てヘルソン南部にあるため、ここを手放せばクリミア半島は全く機能しなくなります。大きな軍事基地と軍港のあるクリミア半島は、ロシアにとって、何が何でも維持しなければならない土地ですので、当然ヘルソン州南部も手放すことは出来ません。
そのためかなり大規模なロシア軍が配備されていますが、どうも最近になってヘルソン南部の守りが難しくなってきているようです。何にしてもロシア軍は兵器が不足しています。又兵士を増員したのはいいのですが、衣類も食料も武器も不足しており、一説によると兵士の銃が一人1丁行き渡っていないそうなのです。つまり銃を持たない兵士が半分近くいるそうなのです。
そんな状態ではヘルソン南部もクリミア半島も守り切れないだろうと思いますが、何とか大砲やミサイルなどでかろうじて維持しているようです。
さて、アメリカ軍はウクライナに協力的で、兵器、武器を供与しています。然し、NATO軍は、かれこれ10か月に及ぶ戦争で、ウクライナを支援したことで、欧州全体の景気は著しく悪化しています。
それにこの先、ウクライナに武器を供与し続けて、貸した武器代をウクライナが支払えるものかどうか、心配になって来ています。ウクライナとすれば、国全体が戦場になっていますので、麦やトウモロコシの生産も半減しています。
また東部地域の工業地帯をロシアに抑えられていますので、工業製品も満足に作れない状態です。貿易も多くの港をロシアに抑えられているために輸出もうまく行きません。ゼレンスキーさんの演説はいつでも意気軒高ですが、言葉の裏付けとなる生産が上がらない限り、この戦いはじり貧に陥ります。
NATO軍は、そろそろどこかきりのいいところで休戦に入りたいと考えているようです。然し、ウクライナにすれば今年2月に攻め込まれた、東部、南部の4州を奪還しない限りこの戦いを終わらせるわけにはいきません。でも、4州全て奪還するとなるとかなり広大な地域でロシアと戦わなければならず、今のウクライナ軍の力では不可能です。
ゼレンスキーさんとすれば、NATO軍の支援を受け、一気にロシアを追い払ってしまいたいのでしょう。もしそうなるとロシアはしゃにむにミサイルなどを使って抵抗して来て、場合によっては世界大戦に発展しないとも限りません。NATO軍としては欧州大戦にはしたくありませんので、本気になってロシアを攻めることは出来ません。
出来ることなら、ロシア国内でプーチンさんが自滅して、ロシア国内の政変によって、戦いが集結することが望ましいと考えているのでしょう。実際、プーチンさんは徐々に国内での支持者を減らしていますし、衛星国からも批判の声が上がっています。案外この先、そう長くはプーチンさんの政権は持たないかも知れません。
当のプーチンさんは自分が失脚するとは考えてはいません。3月頃の雪解けを待って、大々的な戦略を考えているようですが、肝心のロシア国内では厭戦気分が蔓延しています。衛星国もおいそれとは動かないでしょう。3月になっても戦争の拡大は無理かもしれません。
ゼレンスキーさんは、煮え切らないNATO軍に業を煮やし、ロシア領内を攻略し始めたようです。ロシア国内にある飛行場に留めてあるジェット機をドローンで破壊したと言う情報が入っています。
これまですべての戦いはウクライナ領で行われていたのですが、ロシア国内を侵略されたとあってはプーチンさんの面目はつぶれます。やくざと同じで、他人を攻めることには寛大でも、自分が攻められることは、激怒します。
さてプーチンさんがどう出るか。どうも戦争は大きくなりそうです。
続く