手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

トランプさんとハリスさん

トランプさんとハリスさん

 

 トランプさんはバイデンさんと戦っているときには相当に優勢だったのですが、バイデンさんが撤退して、ハリスさんになった途端。形成が悪くなりました。トランプさんは、バイデンさんの高齢なことや、ボケや、よぼよぼした態度をしきりに揶揄していたのですが、20年も若いハリスさんが出てくると、立場は逆になって、今までバイデンさんに言ったことが全て自分に帰ってくるようになったのです。

 元々トランプさんは攻めには強い人でしたが、自分が攻められると、案外脆いところがありました。強気強気で言いっ放してしまう結果、矛盾が生まれて、終始がつかなくなってしまうのです。それでもアメリカ人には人気のある人ですので、言ったことの大概は許されてしまいます。知己愛すべき人なのです。

 さて、ハリスさんですが、女性でここまで上がってくるような人ですから、相当に努力をした人でしょう。しかし同時に、アメリカ社会で生き残って行くには、相当にタフでないとトップは務まりません。色々噂で聞く限り、気が強すぎて、周囲の人たちには評判が悪く、すぐにやめてしまう秘書などが多いようです。

 周囲の人には「我儘女」。「ヒステリー女」。「理不尽、非常識、思いやりがない」。などと、厳しい意見が続々出て来ます。それゆえに、仮にトランプさんに勝っても、これでアメリカが大丈夫なのかどうか、危ぶむ人がかなりいます。

 トランプさんであれ、ハリスさんであれ、こうした人がアメリカの大統領になって、世界を動かして行って、本当に大丈夫なのか。傍から見ていても今から不安です。

 大統領選の行くえは混沌としていて、この先どうなるのかはわかりません。高齢で、しかも刑事罰に問われている。脛に傷を持つトランプさんが、未だにその立場を維持していると言うことは、アメリカにも本当に強い政治家がいなくなったことの証なのでしょうか。

 それは同様にロシアにも言えます。今のウクライナの現状を見る限り、ロシアに不利なことは明らかです。このまま一年、二年が過ぎて、ロシアがウクライナを制する可能性はもうないでしょう。この先ロシア国内は不景気になり、財政は悪化し、国民は貧困に陥るでしょう。そうなら、さっさとウクライナ侵攻をやめたらいいのにと思いますが、プーチンさんに変わって、ロシア人に明るい展望を描いて見せる政治家が出て来ないのでしょう。

 むしろ第一次世界大戦第二次世界大戦の頃のように、他国から攻め込まれない分だけ、今の方がましだと考えているのでしょう。それゆえに、こわもてで、海外の首脳に対して強気な物言いをするプーチンさんの存在を頼もしく思っているのでしょう。

 然し、ここへ来て、ロシア領内にウクライナ軍が攻め込んで来て、それに対してロシアが断固たる対応が出来ないのは、明らかに国力が弱っていることの証です。

 ウクライナ侵攻の当初には、「もしウクライナに加担する国があれば、ロシアは核爆弾も辞さない」。と脅していました。今、ウクライナの戦線を見ると、欧州とアメリカの武器だらけです。そうなら核爆弾が、パリやロンドンに飛んで行かなければなりません。然し、実際はそうなりません。

 なぜか、核爆弾は最終兵器なのです。一度使えば、互いが核を撃ち合います。そうなれば世界の国々は破壊しつくされてしまいます。結果、誰も勝者はいなくなります。そのことを世界の首脳は知っているのです。つまり核は持っていても使えないのです。

 昔、有識者が、日本はアメリカが核で守っているから、ロシアや中国の核に狙われることがないんだ」。と言っていましたが、それは間違いだったようです。アメリカが守ろうと守るまいと、日本に核爆弾を落とす国は存在しないのです。

 核を落とせば世界中から猛反発を受け、物凄い制裁を食らうのです。ロシアと言えどもそのことは分かっているのです。そうなると、あくまで戦車や迫撃砲が国を守ることが有益であっても、核は役に立たないのです。

 然し、さすがのロシア軍も、二年間の戦いで、かつて威容を誇ったソビエト軍の、戦車や、大砲は、ストックを使い尽くし、ロシアにとってはもう打つ手はないのです。

 実際にはもうロシア軍は敗北をしています。然し、プーチンさんは敗北を認めません。頼みの綱は、トランプさんが、大統領になって、モンロー主義を復活させて、ウクライナ支援をやめると宣言することです。

 その時点でウクライナに動揺が走るでしょう。その際にロシアは和平提案をして、東側4州を現状のままロシア領にすることで、和平協定を結べば、負けたことにはなりません。つまりプーチンさんは、アメリカの選挙を待っているのです。然し、然しです。

 トランプさんは、ウクライナ撤退を本当に提案するでしょうか。他国の戦争に武器を貸したり資金を貸せば、アメリカの企業や、金融業は大儲けが出来るのです。一獲千金のチャンスを、アメリカ企業が簡単に手放すでしょうか。

 ましてや現状では、ロシアが弱り目に立たされているさ中に、安易に和平協定に乗れるでしょうか。常識的には、企業や金融業者に煽られて、きっと支援をし続けることになるでしょう。そうならプーチンさんの目論見は、トランプさんが当選しても、ハリスさんが当選しても、ロシアにとって有利な目はないことになります。

 ここはマジシャンである私の予測であって、およそ信頼に足るものではありませんが、秋の大統領選挙の結果、どちらに転んでも、プーチンさんは和平提案をしてくる以外にないのではないかと考えます。年内いっぱいがウクライナ侵攻の終結です。

 そして、ロシアはウクライナの戦後補償は逃げ続けるでしょう。戦争に勝ってもウクライナは、欧米に巨額の借金を背負い、国内は破壊されつくされます。それを誰が復旧の面倒を見るのでしょう。たぶん日本でしょう。日本が人道支援をすることは正しいのですが、だからと言って、収入の乏しいウクライナを助けることは並大抵なことではありません。貸した金の回収が効かなくなります。

 それでなくても今は、地震や、台風災害に備えなければならないときに、他国の道路や橋を作っている場合ではないはずです。何でも気前良く引き受けて、日本が大不況にならなければよいのですが。

 続く