手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

総裁選のラストスパート

総裁選のラストスパート

 

 8人もの立候補者による自民党総裁選挙も、ここへ来て、石破さん、高市さん、小泉さんの3人が他の候補者を引き離して、先頭に立ちました。どこの新聞社も、この3人の順序に違いはあっても、先ず、3人の中から選ばれると言う予測は変わらないようです。

 私は30代のころ。SAMの組織を起こしたときに、誰か有力な政治家に支援をしてもらおうと、当時若手の代議士で、大分から出て来た、岩屋たけし先生に名誉会長になってもらおうと、手紙を書き、自民党本部まで行って相談に行きました。その時岩屋先生は、気持ちよく承諾してくださって、SAMの名誉会長になっていただきました。

 私と自民党、あるいは岩屋先生のつながりなんてありません。テレビではっきりとした物言いをしていたことに好感を持ち、この人ならと思って相談に行っただけです。今考えると、よくそんなことで役員を頼めたものだと思います。

 ただその後、岩屋先生は随分と支援してくれました。一回目の世界大会の時に、高円宮様にマジックを見てもらおうと、招へいした時にも招聘状の裏書をして下さって、協力してくださいました。マジックの大会の中で唯一皇族が見に来て下さった世界大会だったわけです。

 そんなことを熱心にやってのけたのは、若いから出来たことで、今もう一度それをやって見ろと言われてももうできないでしょう。とにかく、このご縁で岩屋先生とのつながりが出来て、その後、いろいろな政治家を紹介して頂くことになりました。

 そして、岩屋先生が毎月自民党本部内で開催されている、勉強会などにも出席するようになりました。勉強会は、大物政治家にいろいろ話を伺うと言う企画で、政治情勢や、内部の話など、いろいろ聞けて面白いものでした。

 話は長くなりましたが、その勉強会で、石破茂さんが政治を語る会がありました。当時から若手の中では実力者だったのです。ただ、今の石破さんとはかなり違っていて、相当にタカ派の考えを持った人で、憲法改正は無論のこと、中国や、韓国に対しても、もっと強く発言をするべきだ。と言っていました。そのためには、自衛隊国防軍に昇格させるべきだと話していました。

 勉強会の帰り際に、エレベータに乗って下に行こうとすると、私一人乗っているエレベーターに石破さんが乗って来ました。私は一緒に乗っていいものか躊躇しましたが、「別にいいですよ」。とおしゃって下さいました。そうして、勉強会の中で話された、かなり強硬な意見を再度尋ねると、「当然です、日本はもっとはっきり発言をしなければいけません」。と縁もゆかりもない私に丁寧に話してくれました。

 石破さんとのご縁はその時だけでした。然し、私は直感的に「この人は総理になるな」。と思わせる迫力のある人でした。さてその時から32年。ようやく石破さんに総理総裁のチャンスが出て来ました。今のところ、石破さんの支持率は高いようです。

 ただ、あのころ言っていたタカ派の発言は消えています。むしろあの頃の石破さんに最も近いことを言う人は高市さんです。石破さんが本心を隠して、マイルドな雰囲気を作り出して、多くの支持者を得ようとしてるのは戦術なのか、根本的に方向を変えたのか、は分かりません。それが成功しているのかどうかと考えると少し疑問に感じます。

 私のように全く政治に対して素人な者でも、いまの時代はむしろ国防に力を入れて、この閉塞感を抜け出さなければならないのではないか。保守はもっと保守であるべきで、そのことに自信を持って発言したらよい。と思います。

 相変わらずマスコミは憲法改正や、再軍備を毛嫌いしています。然し、ならば国をどう守るのか、と問えば、その答えを示していません。ウクライナがロシアの侵略を受けたときに、「どうせ勝てないのだから降伏したらいい」。と無責任なことを言ったコメンテーターがいました。あまりに無責任。国がどういうものなのかを少しも考えていない人たちです。同時に、それは明らかに時代を見ていません。

 中国は、習近平さんの任期があと数年で終わります。このまま今の中国の大不況を解決できなければ、習さんは、最悪の指導家で終わってしまいます。そうならないために、目先をそらす目的で、台湾併合を任期のうちにやるでしょう。

 その時に日本のリーダーは中国と向き合って、沖縄や、尖閣八重山、石垣を守り剥く覚悟がなければいけません。今ウクライナで起こっている戦いが、沖縄で起こります。その時の日本リーダーが誰かを決める総裁選です。

 石破さんは軍事にも精通していますが、どうも石破さんは、リベラルの仮面をかぶっているうちに、仮面を外せなくなってきているようです。優れた政治家なのに、肝心なところで自身の方向性を示していないように見えます。

 小泉さんは、ミスが目立ちます。夫婦別姓も、雇用問題も、今ここで俎上に乗せる必要もなく、些末な問題に固執し過ぎています。また政治資金規正法で処分云々を言い過ぎています。有能な政治家イコールお金に綺麗な人ではないのです。

 いきなり復職させることは難しくても、この先、生き残る余地を残して置かないと、有能な人材がいなくなります。これまでの政治資金法は間違いとしても、極端な改革は自民党には無理でしょう。自民党保守政党なのです。政治に金はかかるのです。そのことはアメリカの大統領選を見ても同じです。

 私の浅薄な考えからの予測ですが、今回の総裁選挙は、石破さん小泉さんが決選に残ったなら、どっちが総裁になるかは微妙です。僅差で小泉さんに票が集まるかも知れません。もし、高市さんが決選投票に残ったなら、決選投票の末、高市さんが総理の地位を得るだろうと思います。いずれにしても石破さんは難しい立場に立つと思います。

 高市さんに対しては、当然マスコミは反発しますが、それはかつて安倍さんが総理になったときも同じです。自民党の最も右寄りな政治家が政権を握ることはマスコミが最も嫌うことです。然し。その選択をしなければならない時が来ているように思います。マジシャンの勝手な推測ですが、知人の政治家から聞いた話ですので、そうそう間違いではないと思います。

 続く