手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

当たりかはずれか

当たりかはずれか

 

 一昨日(4月13日)午後から峯ゼミの四つ玉指導に出席しました。実は、先月が第一回目だったのですが、その日は香港でのステージがあったので私と朗磨は休みました。私が出席するしないにかかわらず、峯ゼミ自体、大成が全てを担当していますので、ゼミは滞りなく進行しました。

 ところが今月は大成がステージの出演があったため、担当を朗磨が引き受けることになりました。朗磨では少々頼りないのですが、彼が全ての事務作業をしました。私は当日、出かけてゼミを拝見するのみです。

 今期の峯ゼミは、初回の内容、四つ玉を再度指導してもらいたいと言う希望があり、初回の参加を逃した人のために再始動を始めました。そのため参加者は7名でした。

 内容は、前回とほぼ同じでしたが、パスパームを詳しく指導したのは良かったと思います。又、一人ひとり詳細にチェックするのもいい方法でした。また、パームをしたまま長い時間手を腰あたりに置いておくのは危険だ、として、なるべく長い時間パームをしない方法の解説がされました。より実践的な指導になりました。

 又、四つ玉の基本的な姿勢である、右手手先に複数のボールを指に挟み、右手を伸ばしてボールを増やしたり減らしたりする動作、あれが角度的に危険であること、或いはボールやシェルを落としたときにアウトになってしまうことなど、よくある普通の動作が危険であることから、右手を体の前に持ってきて、体や、左手でホロウしながら演技をする方法など、個性的な扱いを見せてくれました。

 日本では四つ玉と言うと、韓国のルーカスを評価する人が多いのですが、基本的な考え方にメスを入れて、問題点を指摘し、更にその解決法を構築して行くと言う点で、峯村さんの考え方は相当によく考えられていると思います。このゼミをもし、ルーカスが見たなら、むしろ彼に大きな影響を与えることになるのではないかと思います。

 但し、飽くまで峯ゼミは、彼のマジックに対する考え方を、ある程度のレベルに到達した人のみに伝え、その人達の知識や技量を伸ばすために催していますので、ビデオ販売もなければ、指導書も作りません。(小さなテキストは毎回配っていますが、忘備録と言う程度の内容です)。

 何にしても、種仕掛けで商売することが目的なわけではないのです。むしろこのゼミの授業を受けた人の中から、将来の四つ玉のオーソリティが出てきてくれることを期待して催しているわけです。

 

 さて指導が終わって、駅前の居酒屋に入り、峯村さんと私で一杯やりました。朗磨はまだ飲めません。時刻は5時、まだ日があって暖かな季節です。この時間にアルコールがいただけるのは幸せです。この数か月峯村さんともなかなか会って話も出来ませんでしたので、久々楽しい時間を過ごすことができました。

 四つ玉はまだ二回のレッスンが済んだだけで、この先5回のレッスンがあります。

峯村さんのスライハンドに対する考えを知るにはいいチャンスです。四つ玉に興味のある方は参加されてはいかがでしょう。詳細は東京イリュージョンまでメール、電話などください。

 

 さて、世界では中国がひょっとすると大破産をしそうな話が伝わって来ています。不動産バブルの反動で、焦げ付いた物件が山積みで、地方自治体が建てた建物がそっくり赤字となっていて、その赤字額が、兆の桁を超えて、京の桁になっていると言う話を聞きます。

 本当かどうかはわかりませんが、私がかつて見た中国でも、人の住んでいないマンション群があちこちで見られましたので、このままでは危ないと言うことは私でもわかりました。更に産業の頼みの綱であるEV車が売れなくなり、半導体や携帯電話が売れなくなり、経済に大きな影響が出ています。

 中国は打つ手なしで一気に経済がしぼんで来ています。日米欧の企業がどんどん中国国内から撤退して行き、中国は国力を落としています。世界の経済を引っ張ってきた中国がこのような状況ではこの先が不安です。

 同様に韓国も、中国を相手に商売をしていたものが、中国の景気に陰りが出て来たために、それに連れて、韓国も失業者が増えて来ています。どうもこの二つの国は、かつての日本のバブルの時と同じように、これまでが景気が良すぎたために、生活を切り詰めることが出来ずに、いきなり大不況に突っ込むことになりそうです。

 そうなって日本だけが安泰でいられるわけはありません。かなりの不景気をかぶる結果になるでしょう。かつて親ガチャと言う言葉が流行りましたが、今は国ガチャと言う人があって、どこの国で生活しているかによって将来の生活が決まってしまう。と言う人がいます。

 確かに、いま中国の周辺で生きている、韓国、北朝鮮は勿論のこと、台湾や、香港も、中国が大不況になれば、いつ自国に危険が起こるかも知れません。そうした国で生活していては国ガチャのはずれを引いたことになるのでしょうか。

 ロシアも、今、いきなりウクライナに敗れることはないにしても、せっかくの石油や天然ガスの収入を、国民の幸福に生かせず、ウクライナで武器、弾薬にして浪費していて、このままで大丈夫なのかと不安になります。

 そのロシアの無謀に対して、NATOは欧州地域を守るために恐々としています。ロシアの征服欲が、ポーランドバルト三国に飛び火したなら一大事です。その欧州も、アメリカも、EV自動車の失敗が尾を引いていて想像以上に経済が乱れています。

 一帯この先世界はどうなるのか予測が付きません。それでも今、日本に生まれて生活していると言うことは、大きな歴史で見て見ると、幸せなことなのだと思います。日本だけは国ガチャが成功しているようです。大当たりではないまでも、何とかしのいで行けるのは幸せなことです。但し、うたかたの平和です。

続く