手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

解決しない問題

解決しない問題

 

 2023年が終わろうとしています。2024年はどんな年になるだろうと、ネットを見ると、大津波が来る。南海地震が来る。地域的な戦争が起こる。イスラエルパレスチナの戦いは長引く。台湾有事が起こりそう。地域紛争が第三次世界大戦につながる。どうも、あまりいい話が出て来ません。

 第三次世界大戦が私らが生きている間に本当に起こるでしょうか。もし起こると仮定して、その中心地はどこになるでしょうか。今世界で紛争が起こっている地域を見てみると、例えば、ロシアによるウクライナ侵攻か、あるいは中国による台湾進攻でしょうか。はたまた、イスラエルパレスチナ紛争でしょうか。

 この三つの地域について私の知る所をお話しします。

 ロシアによるウクライナ侵攻は来年2月で2年になります。ウクライナは健闘していますが、なかなか解決には至っていません。そうこうするうちに、アメリカもEUも支援に疲れが見えています。然し、同時にロシア自体も疲弊しています。

 但し、ロシアはどれほど負けても、ウクライナから撤退する意思はないようですから、結局この戦いは終わりません。一方ウクライナはロシアに抵抗はしますが、ロシアを完全に打ち負かすほどには力がありませんから、このままずるずると戦いを続ける以外にないようです。となると、まだまだ戦争は続きそうです。

 然し、今の戦いが世界大戦に発展するでしょうか。世界大戦になるとしたら、ウクライナが正式にEUに加盟してもなおかつ、ロシアが戦いをやめない時でしょう。恐らくウクライナは、5年のうちに正式にEUに承認されるでしょう。そうなるとロシアは対ウクライナではなく、EUと戦うことになります。

 ロシアはそれを望むかと言えば、そこまではしたくないはずです。当然、ロシアはウクライナに手を出せなくなります。その時が戦争のやめ時で、ウクライナにすればロシアから逃げ切ったことになります。それなら、ウクライナ侵攻はあと5年のうちに何らかの収束を見るでしょう。

 

 台湾はどうでしょう。今、中国は国内問題で国がひっくり返るほどの難問を抱え込んでいて、台湾進攻どころではなくなりました。中国は、EV自動車が売れ行き不振であることと、半導体産業が不振であること、それに中国全体の不動産業が2000兆円も焦げ付いて、身動きが取れなくなっています。

 今、中国の地方財政は、公務員の給料が支払えないほどに困窮しています。どう解決させるのかは知りませんが、少なくとも戦争をしている場合ではありません。

 そんな状況であるにもかかわらず、習近平さんは、何やら、毛沢東時代にノスタルジーを感じているようで、毛沢東思想を再認識しよう。などと躍起になっています。如何に何でも、今の中国人に、毛沢東時代を再認識しようと言っても、余りに時代が違いすぎます。今の中国は、ほぼ資本主義の考え方が浸透して、かつての農村国家とは違います。

 毛沢東の統治していた1950年60年代とは情報量もけた違いですから、中国国民も、単純に国の言うことを素直に聞くような時代ではありません。余りに時代とかけ離れた考えを推し進めようとする習さんは、案外政権は長くないかも知れません。習さんが不安定であれば、台湾は、安全でしょう。

 台湾有事ともなれば、確実に、八重山諸島尖閣諸島沖縄諸島に災害が及びます。そこには米軍の基地もありますので、日本に災害が及べば、アメリカも被害を被ります。そうなると、中国の台湾進攻は、日本とアメリカが戦争に巻き込まれることになります。そんなことを本当に中国は望んでいるのかどうか、わかりません。要は、中国が台湾に触手を伸ばさない限り、この地域で戦いは怒らないのです。今の中国を見る限り、中国経済の回復には時間がかかるでしょう。その間台湾進攻は据え置かれるでしょう。

 

 よくわからないのは、イスラエルパレスチナの紛争です。元々、この地域に突然ユダヤ人が入り込んできて、イスラエルと言う国を建国したことが無謀の始まりです。既にパレスチナ人が何千年も生活をしていた土地に、この土地はユダヤ人の土地だと言って、国を作ったのですから、初めから紛争の種を蒔いてしまったことになります。

 問題の元凶はイスラエルにあります。然し、そのイスラエルアメリカが後押ししていることが話を複雑にしています。ユダヤ人は世界中の金融機関や大企業を持っている人が多いため、影響力が大きいのです。そのユダヤ人が、第二次世界大戦を避けるために大量にアメリカに移住したため、アメリカ政府はイスラエルを支持しなければならないのです。

 始めから矛盾をはらんだ国際問題ですから、日本などは中に分け入って紛争解決を語るすべはありません。数千年来のしがらみが渦巻いています。元々、ユダヤ教と、キリスト教、そしてイスラム教は同根の宗教です。同じルーツの中から、時代を経てそれぞれの神が生まれています。そうした中でどの宗教が正しいとは言えないのです。信じる者にとっては自分の宗教こそが唯一無二のものですから。

 その人たちが、聖地も同じ場所にある領土を争うわけですから、まとまるわけはないのです。恐らく第三次世界大戦が起こるとするなら、イスラム教対キリスト教国、更にはユダヤ教の国々が、絡み合っての戦いになるでしょう。そしてその戦いに答えは、ありません。初めから分り合う気などないのです。互いに相いれない人たちが戦うのであれば、全く解決の道はないのです。

 日本人はこれを傍観する以外ありません。いかに大きな戦になろうとも、どちらにも力を貸してはいけません。これは欧米の国家が今までやってきたことの付けを支払っているのです。日本人が関与することではないのです。

 と言うわけで、第三次世界大戦が起こるとするなら、イスラエルパレスチナ問題が、禍根になりそうです。何とか小さな紛争のうちに、収まればよいと思います。

続く