手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

プーチンさん癌悪化

プーチンさん癌悪化

 

 去年暮れあたりから、プーチンさんが癌だと言う噂がウクライナ側から流れています。確かにこの1年を見ると、プーチンさんの表情は、徐々に悪くなっているように見えます。癌のせいでしょうか、分かりません。これほど大きな戦いをすれば、誰でも顔色ぐらいは悪くなると思います。元々、そう人相のいい人ではなかったのですから、こんなものかも知れません。

 政治の世界では、指導家の生命が失われれば、大きく政局が動くことは多々あります。死んでも世の中に何ら影響を与えない政治家なら、いないも同じです。人に影響力を与える人の死は、国も時代も動かします。どんな重要な人でも寿命が来ればこの世を去らなければなりません。それは自らが望むと望まぬとにかかわらずです。人の寿命は当人の自由にはならないのです。自身の寿命を変える方法は自殺か、暗殺しかないのです。

 今プーチンさんは、自らの病気に怯え、周囲からの暗殺を恐れ、幾重にも人間不信に陥っているでしょう。こうした毎日を送ることは精神的に、重い刑罰を受けているのと同じことです。それでも、「だから戦争をやめよう」。とは思わないでしょう。

 飽くまで自分のしていることは正しいのです。実際、こんな状況に至っても、ロシア国民の多くはプーチンさんを支持しています。大多数の指示がある限り、プーチンさんは、自分こそは歴史に残る帝王だと信じ続けるのです。

 

 一方ゼレンスキーさんは、昨年末にアメリカに行って、アメリカ議会で一層の支援を呼びかけました。アメリカは支援をする考えです。今の状況で、ウクライナに武器や、生活物資を支援することは、アメリカにとっては好機なのです。

 いつの時代でも、欧州の戦乱はアメリカに巨万の富をもたらします。対岸の火事は、アメリカの繁栄につながるのです。そのことをアメリカは承知していますから、表向きは戦争不拡大、早期終結を唱えますが、その実、欧州が、だらだらと解決の当てのない戦争をすることを密かに望んでいます。

 いつの時代でも、ひとたび欧州が不穏になれば、アメリカ企業と、ユダヤ系金融業者は大儲けをするのです。ゼレンスキーさんはその本拠地に乗り込んで、金や武器を貸してくれと言いに行っているのです。

 まさに株や競馬でぼろ負けをして、サラ金に借金しに行くサラリーマンと同じ、と言っては言い過ぎですが、武器も金もなくて戦うとなれば、アメリカへの借金はやむを得ないと言うことでしょうか。アメリカにとっても、ユダヤ商人にとってもウクライナは有り難い顧客と言うことになります。

 それでもウクライナが返済能力のあるうちの借金なら問題はないのですが、この先返済できなくなって行ったらどうなるのでしょうか。そのことは同時にロシアにも言えます。今回の侵攻はもう泥沼の状態です。東部ウクライナの4州は手に入れましたが、今も戦いは続き、一進一退を繰り返しています。ロシアとすれば、今の現状をウクライナが認めさえすればすぐにでも休戦して和平協定を結びたいでしょう。

 然し、ゼレンスキーさんは決してここで和平は結べません。この状況での休戦では一方的に攻め取られて領土をかすめ取られることにしかならないからです。然し、そうは言っても、この先自力でロシアを追い払うことは不可能です。アメリカや欧州から借金をして、或いは武器を貸してもらって戦っている状況で、何でも自分の思う通りに事が進むものではありません。

 先週、ゼレンスキーさんは、欧州、アメリカを歴訪している、岸田総理に、「ウクライナに寄って話をしませんか」。と持ち掛けて来ました。なぜウクライナに来てほしいかは明白で、借金の申し出でしょう。荒廃した国土の再建を日本に依頼しようと言うのです。

 然し、わざわざウクライナまで出かけて行って、金を貸すほど岸田総理は人がいいわけではありません。貸すなら貸すで、「金を貸すのはいいけども、ここでひとまず休戦したらどうか」。と休戦を持ちかけることが大切でしょう。当てもなく戦っていても問題の解決はないはずです。互いが、資金が枯渇し始めて、疲労困憊してきたのでは勝者はいなくなります。そこでここらで仲裁するのが、仲間として正しい判断なはずです。

 

 ロシアは躍起になって、いよいよ衛星国を参戦させようと、ベラルーシに派兵の要請をしています。ベラルーシは決してウクライナとの戦いは望んではいないでしょうが、ロシアに逆らって、石油やガスを止められたら生活は立ち行かなくなりますので、消極的ながら参戦するしかないのでしょう。

 そうなると、ベラルーシと国境を接するポーランドや、更に隣に位置するドイツは身構えます。ドイツもポーランドウクライナに戦車を提供することを決めていますので、ベラルーシがいつ攻めて来るかも知れません。結局このままでは、戦いは一層拡大してしまいます。

 

 この戦いは世界不況を招くと以前書きましたが、実際、欧州では、石油ガスの燃料費が数倍に高騰しています。日本も石油の値段が上がってはいますが、日本は中東から石油を買っていますので、値上がりはさほどではありません。欧州はどこもロシアから買っていますので、これを他国の石油で間に合わせようとすると、コストがかかり過ぎて値上げ幅が大きいのです。各家庭で月に10万円の燃料費が出ている国もあると聞きます。そうなると、ウクライナを手放しで支援することも出来なくなります。

 ロシアとしても、欧州の経済制裁のために石油やガスが売れず、仕方なく、中国に格安で買い取ってもらっています。儲けているのは中国で、ウクライナ侵攻は、中国には追い風になっています。逆に、ロシアは経済が冷え込んでいます。

 この先のことは分かりませんが、仲裁国が現れて、とりあえずでも和平がなるのでしょうか。あるいは、この先戦争が拡大して、NATO軍とロシアとの戦いになるのでしょうか。どうなるのかは分かりませんが、今、仲裁が入れば、少なくとも世界不況はある程度は押さえられます。どうにかするなら今だと思います。

続く