手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

MVPなるか大谷選手

MVPなるか大谷選手

 

 今月18日に発表されるMVP(アメリカ野球の最優秀選手)に、大谷選手が二度目の受賞になるかどうかが注目されています。その注目度は、野球ファンに限ったことではなく、アメリカの多くの国民の話題になっています。

 実はこれまで、アメリカで野球が一般の話題に上ることは少なく、どちらかと言えば斜陽なスポーツだったものが、この数年、大谷選手が現れてからはファンが激増し、ニュース番組などにも頻繁に野球が取り上げられるようになり、アメリカ中で大きな現象となっていました。

 そうした中で昨年、大谷選手がMVPに選ばれたことは、野球人気と大谷選手人気の両方に火がついて、一気に野球ブームが起きました。どこの野球場でもエンジェルスと絡む試合は満席です。それは大谷選手見たさで、野球に興味のない人までもが野球場に集まって来るようになったからです。

 エンジェルスの赤い帽子と赤いTシャツは、ライバル球団を応援していた子供たちまでもが争って買い求めます。それも決まって背番号17番のTシャツです。ヤンキースファンでもカーディナルスファンでも、大谷選手だけは別格に愛されているのです。

 

 さてその大谷選手が今年のMVPに選出されるかどうか。実はここが微妙です。データーでは、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が、本塁打などで上回っており。多くの野球関係者の間ではジャッジ選手を推す声が高いのです。また、カーディナルスのポール・ゴールドシュミット選手(内野手)を推す声もあり、対する大谷選手はジャッジ選手に対して、少し分が悪いようです。

 但し、大谷選手は、ホームラン数ではジャッジ選手に負けてはいますが、投手としての成績は素晴らしく、打者と投手のデーターでは、この100年間に大谷選手を超えた成績を残した選手はいないのです。つまり、今選手をやめたとしても、すぐにでも大谷選手は殿堂入りできる実力を備えています。

 大谷選手はベーブルースの再来と、よく比較されますが、実際の実力ではベーブルースをしのいでおり、もうすでに、過去の選手と比べてどうこう言う人ではなくなっています。

 さらにすさまじいのはファン投票です。データーや実績を考えずに、一般の野球ファンに、「誰がMVPにふさわしいか」。と尋ねると、70%の野球ファンが、大谷翔平と答えるのです。 その人気は圧倒的で、文句なく一番人気なのです。

 こうした選手をMVPに選出すべきかどうか。審査員は今まさに苦慮していることと思います。単純にホームラン数だけでアーロン・ジャッジを選んでしまったら、多くの野球ファンは失望するでしょう。歴史的な価値と人気投票を兼ねて大谷選手を選んだなら、逆にジャッジ選手の偉業に対してお気の毒です。

 ここは何か二人が並び立つような特例を考え出してもいいのかも知れません。何にしても今や、大谷選手は別格なのです。彼を生かすためにはルールを変えてでもファンを納得させなければならないでしょう。全米の野球人気を一人で背負っているのです。それだけの実績が彼にはあるのです。何にしても18日の結果が楽しみです。

 

 普段の大谷選手は相変わらず、トレーニングと素振りを繰り返しているようです。野球以外には何の興味もなく、ほとんど外出せず、毎日トレーニングを繰り返しているようです。洋服にも、車にも凝らずに、家も買わず、別荘も持たず、彼ならどんなものでも何でも手に入るはずですが、ほとんどのことには興味がなく、無駄な金を使わないようです。

 そもそも気の置けない仲間が集まって、飲んで騒いで、遊びまくると言うようなことは大谷選手はしていないようです。余り社交的ではないのでしょう。とぎれとぎれの情報を見ている限り、およそ大谷選手は派手な生活はしておらず、人とべったりとした交際もしていないようです、贅沢とは無縁の生活をしているようです。典型的な日本人と言いますか、典型的な東北人で、ストイックで、堅実な生き方をしているようです。

 

 こういう人にこそ何とかマジックを見せてあげたいと思います。せっかくロスアンゼルスに住んでいるなら、マジックキャッスルに連れて行ってあげたいと思います。そもそも、人の集まる所はあまり好まないのかも知れません。そうなら、プライベートパーティーを開いて、少人数でマジックを楽しむ夕べを企画して差し上げたいと思います。

 こんな晩があったら、きっと随分気分転換になるはずです。案外当人は、同じ生活の繰り返しに、いい加減ストレスが溜まって来ているのかも知れません。そんな時に、全く違う世界を見せたら、随分考え方も変わって来るでしょう。野球の発想も変わるかも知れないのです。

 大谷選手の今後の生き方を変えるキーパーソンとして、私が一役買うことになれば、アメリカ野球界に私も貢献することになるでしょう。と言うのは大げさですが、何とか大谷選手に違った世界を見せたいと思います。何とか大谷選手とうまいつながりは作れないものでしょうか。

続く