手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

BTSの闇

BTSの闇

 

 韓国の人気タレント、BTSが突然の解散。一体何が原因なんでしょうか。私はこの人たちを時々テレビで見たことがある程度で、何ら深い知識はありません。全く一般的な理解しか持ち合わせておりません。

 解散する理由は、「自分の時間が全く持てない」。「自分たちのやりたいことが出来ない」。と言うことのようです。それはその通りなのでしょう。でも、世界中で有名なタレントならみな、自分の時間が持てないし、自分のやりたいことが出来ないものです。

 それでも、なお、有名になりたい、芸能で生きて行きたいと言う人が、自らの人生を犠牲にしてタレントを続けているわけです。何をいまさらと言う話です。 彼らが全員、同じ不満を持って解散したいと言うなら、それは、「自分の時間が持てない」のではなくて、「昼も夜も関係なく、休みなく働かされている」ことへの不満であったり、その活動そのものが自分のしたいことではなく、「法に触れるようなこと、人道に反することを常々強要されている」。からなのではないでしょうか。

 更には例えば、「強要されてファンと関係を結ぶような行為をして、それに見合うだけの収入が得られていない」。とか、或いは、「収入は得ていても、自身が納得できずに、日々の生活が苦痛になっている」。等々が理由なのではないでしょうか。

 どうも彼らに限らず、韓国の芸能界の噂を聞くたび、色事がらみの裏事情が垣間見えます。実際有名タレントの原因不明の突然死や、人気絶頂のタレントがある日突然テレビから姿を消してしまう不可解を見ることは多々あります。

 彼らスターは日本以上にストレスのたまる仕事を強要され、外に言えない事情を抱えて死に至ったのではないかと思います。

 それは韓国に限りません。日本の芸能事務所でも似たことはあります。芸能とセックスは時に陰で結びついて、人気のタレントは陰で金で取引されることがあります。そんな噂は楽屋にいると、マネージャーや、タレント本人からも時々聞きます。

 およそマジシャンにはそうした噂はありませんが、マジシャンが「影の取引」がないのは、品行方正だからというわけでもなく、むしろタレントとして小さいからです。カリスマと呼ばれるほど大きくなれば、その裏では必ずと言っていいほど闇の事情が動き出します。無論みんながみんなそんな話に手を出すわけではありません。

 然し、有名になればなるほど一層出世するためにお金が必要になります。自分を高みに引き上げてくれる支援者を求めて活動するようになります。

 マジシャンの中で裏事情が忙しかった人は、初代引田天功さんでした。この人の場合は極端で、収入のためなら金持ちの女性を次々に相手をしていました。

 私は平成22年。「タネも仕掛けもございません」。と言うタイトルで、引田天功さんの人生を角川選書から出しました。そのための取材も随分しましたが、聞けば聞くほど、文章に出せない話ばかりが出て来て、正直これを本にすべきかどうか随分悩みました。

 結局、面白い話がたくさんあったにもかかわらず、みんなボツです。天功さんの行為は、それが裏事情なのか、表の仕事なのか、わけがわからなくなるほど乱れた私生活を送っていました。それは天功さんだけでなく、同じ時期に活動していた、俳優や、女優、歌手など、みんな乱れていました。もし今の時代にそんなことをしたら、文春に書かれてあっという間に消え去ったでしょう。昭和の時代だから許されたのです。

 

 そもそも、韓国の芸能人は男も女もかなりの数のタレントが、整形美人になっています。とてもきれいな顔をしていますが、どうも画一的で、「これぞ美人、美男」。と、どなたも整形のお手本のような顔をしています。顏が整い過ぎて、どこかアニメやアンドロイドのような顔になっています。純粋な美少年と言うよりも、ホストや水商売に見えます。そもそも芸能が虚構だと言うなら、どんな顔になってもいいのでしょう。とにかく人気を作り上げて、短期間に稼げたならそれで満足だ、と言うなら有効な方法なのでしょう。

 然し、毎日が虚構の中で生きて、しかも殺人的なスケジュール。仕事を終えれば毎晩のような闇営業、その金に群がる事務所やスタッフ。忙しい割に増えない収入。と、私は全く見てきたような推測をしていますが、これが事実なら、いつしか自分が見えなくなり、空しくなって行ったのではないかと思います。

 始めは有名になりたい、有名になるためなら何でもする。と心に誓っても、実際活動して見ればそれが如何に愚かな行為かはすぐにわかります。

 

 しかも、彼らの行動にはもう一つの闇があります。これは彼らが望んでしているのか、事務所が強要した行為なのかはわかりませんが、かつて、彼らの着ていたシャツに、広島、長崎の原子爆弾被爆写真がプリントされていたことがありました。これは当時随分マスコミに批判されて、彼らの番組が急遽取りやめになったりしました。日本に来て仕事をするのに、広島、長崎の惨状をシャツにする理由がどこにあるのかがわかりません。

 また、東日本大震災の際に、彼らのプロモーションビデオの中に、水中で血を流しなららもがき苦しむ人の映像が突如映されていました。これも非難の対象になって大騒ぎでした。又、ナチスの格好をして、左手を上げてポーズをとる映像も流しています。当然ドイツから猛抗議が起こりました。

 歌を歌って、踊りを踊るタレントが、なぜこんなことをするのか、さっぱり意味がわかりません。彼らが望んでしているのか、所属する事務所の意向でやっていたのか、はっきりしたことは分かりませんが、彼らが日本に、或いはドイツに対して友好な姿勢を持っていないことは明らかです。

 未だに韓国人の中には、東日本大震災を揶揄したり、先年のオリンピックの際のように、福島の原発を過大に煽って非難する人がいますが、被害を被った人たちの気持ちを考えずにからかう行為をすれば、日本人全体が敵になることが理解できないのでしょうか。

 誰が何を考えようと勝手ですが、心の奥に、被害者をあざ笑う行為が見えるようでは、いかにきれいな顔をしていても、人はそれを美しいとは認めないでしょう。それが虚構だといくら言い張っても、シャツに長崎や広島の惨劇をプリントして、平気で着る行為は事実です。そんな人たちを日本人は許さないのです。

続く