手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

指導するということ

 前日にお話ししたとおり、今日から三日間、関西に指導に行きます。

この活動はもう十年続いています。

私は、指導をかなり古くから続けていまして、

 生徒さんの中にはすでにプロになっている人、あるいは、アマチュアで、もう20年以上続けている人など、様々いらっしゃいます。

 そうなると、既に生徒さんの人生のかなりの部分に関係してくるわけで、

演技そのものも、初めは単発の簡単なマジックの指導だったものが、二十年も続くと、その人、独自の手順を考えてほしいと言う話になります。

 

 これはなかなか大変なことで、一人一人の技量、目的に合った手順を考えると言うのは、洋服のオーダーメイド以上の技術を求められます。それが、場合によっては年間五、六人もの手順を作らなければならないこともあります。

簡単ではありません。 大変は大変ですが、仕上がった時に、生徒さんが喜ぶ姿を見ると、この仕事はいい仕事だと思います。

 今回も、アマチュアとプロの手順を別のもの2作作り上げました。

前々から構想を温めていましたが、細かな部分まで突っ込んで考えるのは、ついつい間際までやらずにいます。それが今日、持参してゆかなければならないとなると、徹夜が続きます。

 私は年齢的に徹夜ができなくなってきています。しかしそんなことは言ってられません。何とか仕上げなければなりません。ようやく満足なものになったのが朝の6時です。10時には家を出て、新幹線に乗らなければなりません。今慌ただしく身なりを整えて、出かけようとしています。でもご安心、こんな仕事はいつものことです。

 それでは行ってきます。