手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

都知事は踏み台か

都知事は踏み台か

 

 都知事選はお約束の通り、小池さんさんが再再選されました。全ては予定の通りでおめでとうございます。私の予測、小池さん270万票。石丸さん、蓮舫さん100数十万票。はほぼ当たり、小池さん290万票。石丸さん165万票。蓮舫さん128万票でした。 

 ところでカイロ大学の卒業証書はどうなりましたか?。うやむやに終わりますか?。そうはいかないでしょう。公職選挙法違反でしょう。もし罪に問われたならどうなりますか?。都知事を降りることになりますか?。

 そうなると、その後の都知事は石丸さんですか?。石丸さんは随分うまい役を手に入れましたね。然し、石丸さんは、選挙の敗戦の弁で、「都知事の次は広島1区(岸田首相の選挙区)に出ようかな」。と言っていましたよ。もう脳裏には東京都のことはなく、自分の将来のために国会議員を目指しているようですよ。そう言う人が都知事選に出て欲しくありませんでした。結局東京都のことなんか毛ほども考えていなかったんじゃないですか。

 石丸さんは頭のいい人であることはよくわかります。然し、この人が何がしたいのか、東京にどんなビジョンを持って都知事選に挑んだのかが少しも見えません。言葉遊びでは勝ったとしても、相手を言葉で打ち負かして、相手の頭の悪いところを見つけ出すのはうまくても、それだけでは少しも世の中の役に立ちません。

 一生かけて東京都をどうするのか、東京都のために知恵を絞って、体を動かして、人の気持ちをまとめ上げて活動してくれる人でなければ都知事になってほしくはありません。国会議員になりたければどうぞ国会議員選挙に出て下さい。その代わり、まかり間違っても棚ぼた式の都知事ポストには就かないでください。

 蓮舫さんも同じです。以前、事業仕分けをして予算をバッサリ削る担当をした時に、「なぜ一位になろうとするのですか。二位では駄目ですか」。と言って話題になりましたが、ご当人は三位になってしまいました。二位や三位では都知事にはなれません。

 そもそも中国籍を持ったまま都知事になるのは駄目です。そんな人が都知事になったら、中国に東京都の内情が筒抜けになってしまいます。東京都の事業を先読みして、不動産を漁る中国人が横行します。そんな人を都知事にしてはいけないのです。

 

 その三人以外では、票は三人には及びませんが、他の五十人よりは多くの支持者を集めています。毎回都知事選に出て来て、演説をぶっています。この人はそんじょそこいらの右翼とは違います。元幕僚長長官ですから、その昔の参謀総長でしょうか。昔の帝国陸軍だったら最高権力者です。

 然し、今の時代に、市民に強い影響力を持つまでにはなり得ません。田母神さん自身。手法なんて言うものもなく、ただただ国の安全を思う一心で語っています。そして自虐史観を批判して、日本は本来優れた国だと主張しています。

 演説を聞いていると、言っていることはまともですし、何十年もずっと同じ主張を繰り返しています。考え方は変わらない人なのです。ネットで30分の街頭演説を聞きましたが、日本では右翼扱いをされる人ですが、アメリカでも、ドイツでもフランスでもイギリスでも、こうしたことを言う政治家は普通にいますし、それが良識としてに認められています。

 ことさら右寄りな人ではないし、極端な考えの人ではありません。但し、国政で語るべきことを、都知事選で語ってしまうのが不思議です。この人は国会議員選挙に出るべきです。

 

 それでも私は、今回、四人の立候補者の街頭演説をそれぞれネットで聞いて、一番納得のできる人は田母神さんだと思いました。田母神さんの言っていることは間違ってはいません。恐らくご当人は、自分の考えを伝えるには、都知事選が一番マスコミで伝えやすく、時間も取れるために都知事選にお出になっているのでしょうが。それにしては一向に支持者が増えません。政治家としてのセンスを身に着けていないのでしょうか。お一人だけ別の世界の人に見えます。

 田母神さんを見ていると、私が若いころ、いつも有楽町の交差点で、演説をしていた、赤尾敏さんを思い出します。右翼の宣伝カーで軍歌を流し、旭日旗をたなびかせて、戦前の軍国主義を美化していました。言っていることはいつも同じでしたが、毎日喋っているとネタがなくなったのか、演説に疲れると、宣伝カーの上で座り込んで、聴衆を相手に世間話をしていました。

 その時の世間話が面白くて、有楽町に行くたびに聞いていました。まるでアダチ龍光の喋りのようにとぼけていて面白かったのです。アメリカに追従するな。だとか、ソ連何かまともに話し合うな。などと声を張り上げて威勢よく演説をぶった後で、しゃがみこんで、しみじみ「俺ももう疲れたよ」。とへたり込んでいる姿は、イデオロギーとか主張とかそんなものは関係なく、赤尾敏と言う人の人柄がよく出ていて、「あぁ、この人は素直な、いい爺さん何だな」。と思いました。

 田母神さんも、出来ることなら、赤尾敏さんのように、喋りで一皮むけて、若者に対して、心の奥から語りかけて行くような人になったなら、貴重な人物として脚光を浴びるのではないかと思います。全てのことを諦めて、本当に語りたいことを切々と語って行ったなら、新たな支持者が生まれる可能性があります。と、私がとやかく言えるような立場ではありませんが、このままでは独りよがりの右翼のお爺さん、と言う扱いで消えてしまうのは勿体ない人です。

 何にしても、都知事選は都民の将来を決める選挙です。都知事を踏み台にして国会に進むような場ではないのです。かつては小池さんも、都知事を一期やって、国政に出ようと考えていた節がありました。それが見えると、小池さんに対しての応援の気持ちは急激にしぼんでしまいます。そんな人たちが踏み台にする都知事と言う地位は、そんな軽いポストでしょうか。もっと本気で都政を考える政治家は現れないものでしょうか。投票に行っても、少しも晴れない後味の悪い選挙でした。

続く