手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

台湾海峡

台湾海峡

 

 習近平さんは、「2027年までに中国による台湾統一を目指す」。と宣言しています。2027年と言うのは、習さんの任期が満了するときです。自分の人気が終わるまでには台湾統一を果たしたい。これが習さんの政治家としての最終目的なのです。

 それは毛沢東周恩来も果たせなかった、共産党と、国民党の統一を意味することで、中国にとって歴史的な偉業になるわけです。然し、肝心の台湾はどう考えているかと言えば、多くの台湾人は統一を望んではいません。自由主義を捨てて共産国になりたいとは、ほとんどの台湾人は望んではいないのです。

 今の台湾は、世界中で最も高所得な国の一つです。経済もうまく行っています。彼らにとって今、国の体制を変えたいと言う希望がないのは当然なのです。中国に組み入れられれば、言論の自由は封殺されますし、国家批判は許されません。今より良いことは一つもないのです。

 そのことは数年前の香港のデモを見れば明らかです。香港が中国と一体化したことは、香港市民から自由を奪ったことと同じなのです。ああした行為を対岸で台湾が眺めていて、中国の言う国家統一を望むか、と問われても台湾は共鳴できないのです。中国の思いは一方的であり、常に自分にとって都合のいい世界観しか持ち合わせていないのです。

 台湾が望まない統一を中国が推し進めるとすれば、それは戦って台湾を占領する以外ありません。ここに台湾戦争が始まります。

 

 一体中国はどうやって台湾を占領する気でしょうか。恐らく初めはミサイルをガンガン打ち込んで、飛行場や、軍の施設を破壊するでしょう。そうなれば台湾も、黙って攻撃されることはありませんから、対岸の福建省にある中国軍の基地を攻撃するはずです。つまり台湾海峡をはさんでミサイルが行き交うことになります。

 こうなると、中国と台湾だけが戦うことではなく、日本韓国も大被害を受けます。その戦いの間、日本は、多くのタンカーが、台湾海峡を行き来します。石油タンカーや天然ガスのタンカー、鉄、銅、アルミ、麦、トウモロコシの穀類を運ぶタンカーなど。

 また、日本とアジア各国を結ぶ旅客機なども同様に台湾海峡を飛んでいます。それらが、「日本の船だから、飛行機だから攻撃をしないでほしい」。と言って、無傷で通れるわけはなく、台湾海峡は完全に通行不能になるでしょう。

 やむを得ず、日本のタンカーは太平洋を大きく迂回して日本に向かうことになりますが、その時、全く船だけで航海することは危険ですから、自衛隊の戦闘機が護衛して進むようになるでしょう。

 

 台湾で戦争が起これば沖縄や佐世保、岩国、韓国にいるアメリカ軍は直ちに出動して、台湾を守ることになります。然し、通常、日本にいるアメリカ軍には限りがあります。中国軍に対抗するためには、中東や、グアム、ハワイにいるアメリカ軍を集めなければなりません。それを終結するためには一か月を要します。

 この一か月間を日本と台湾軍が守り切れば、アメリカ軍の支援が到着して台湾の安全は守れます。無論台湾は必死に戦うでしょう。沖縄にいるアメリカ軍も戦います。この状況を見て、中国軍は、日本にある基地を攻撃するかも知れません。攻撃を受ければ日本も戦います。そうなると戦場は、台湾だけでなく、沖縄、岩国にまで広がります。あるいは、うっかり中国軍は日本のタンカーを攻撃する可能性もあります。

 石油タンカーや、小麦など、あらゆる素材を運ぶタンカーが破壊されれば、たちまち日本は経済危機、食糧危機に陥り、大パニックになります。台湾戦争は、沖縄、を巻き込む、日本全体を経済危機に陥ります。

 中国の台湾進攻は、中国と台湾だけの戦いではないのです。必ず日本を巻き込んで大きな戦争に発展します。その戦いが2017年までに起こると言うのです。我々はウクライナの戦いを毎日テレビで見ています。「大変だなぁ」。とは思っても、ウクライナ侵攻で直接の被害は起こりません。

 然し、台湾戦争となると話は別です。必ず被害は日本にまで広がり、大きな戦争になります。いま中国は底の知れない経済危機を迎えています。国内の不動産投資が一気に不況になって、少しも前に進めなくなっています。常識的に考えれば、こんな時に台湾に戦争を仕掛ける時ではありません。

 然し、共産国は全く予想不能な行為に出ることがあります。自国の不況を覆い隠すために、台湾戦争に目を向けさせることも考えられます。でも、そんなことをして、不況も、戦争も上手く行くでしょうか。恐らく大失敗に陥るでしょう。

 戦争は金のあるものが勝利します。なけなしの金をはたいても、大きな戦いには勝てません。不況の国が戦いを起こしても長い戦争は出来ないのです。そのことはロシアが証明しています。国内の政策の失敗を隠すために戦争をしても、結果、国力を弱めることにしかなりません。

 2027年までは少し時間があります。習さんも早く戦うことの無意味に気づいて、プーチンさんの轍を踏まないことを願います。

続く