手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

なぜ子供が増えない 1

なぜ子供が増えない 1

 

 なぜ子供が増えないかと言うことを自民党の麻生さんが、「若者結婚時期が高齢化しているからだ」。と言っていましたが、そうかも知れません。でも、そうなら、なぜ若者の結婚時期が遅れるのか、と言うことに答えて頂きたいのです。

 答えは簡単で、結婚するにも、子供を作るにも金がかかるからです。子供が生まれたら生まれたで、保育園や幼稚園に行かさなければならず、その間家を買って毎月ローンを支払ったりします。

 その後、子供を小学校に入れ、中学校に入れれば、今度は塾に入れなければならず。更に、高校、大学と、一旦子供が出来れば際限なく費用が掛かります。東京の大学に入れれば、子供のアパート代を支払わなければならず。自分の家のローンと、二重の年貢を支払い続けることになります。そんな人生を考えると、若い夫婦は子供を作ることを諦めてしまうのです。

 東京、大阪などの都市に住む人は、わずか6畳のアパートですら、6万円も7万円も支払わなければなりません。若いサラリーマンが仮に20万円の給料をもらっていたとしても、家賃で既に35%の支出をしなければなりません。そこへ光熱費、電話代、保険、貯金、等々支払いをしていると、60%70%の年貢を支払いことになります。そこへ食費、衣類、その他もろもろ、支払っていると、子供に回す費用なんてできないのです。

 僅かでも遊びや、旅行などに費用を作ろうとすれば、もう子供を育てることは無理です。20代で子供を作って、それから20年子供のために費用を支払い続けると考えたときに、子供を作ることが自分自身の人生にとって幸せかどうか。いろいろ考えてしまうでしょう。そうしたなら、子供のことは諦めると言う夫婦が現れても自然なことです。 

 私の祖父母の時代は、子供が5人も6人もいて、どこの家も賑やかだったようですが、その時代は、子供は義務教育だけ出して、あとは働かせていたのです。そうであるなら、子供は即戦力になりますから、子供が多い方が、家は豊かになったのです。昔の子供は働いて、家に稼ぎを入れてくれますから、親は楽になります。

 ところが、今の子供は、いくら育てて、学校まで出しても、家から出て行ってしまい、送金するものはわずかです。幾ら子供を育てても見返りがありません。そうなると1人くらいは育てても、3人4人は絶対無理と言うことになります。これでは日本の人口は減るばかりです。

 

 実際、日本の人口は減り続けています。それを多くの経済学者は、このままでは経済がしぼんでしまう。企業が成り立たなくなる。と悲観する人がいます。そうでしょうか、人が減ることがそんなに悪いことでしょうか。確かに、いきなり1000万人も2000万人も人が減ってしまっては大変な問題になるでしょうが、ゆるく静かに減少して行くことはむしろいいことだと思います。

 と言うのも、人が多すぎてストレスを感じるような国がいい国かどうか。何より、先ず朝の通勤電車は異常です。毎日あんな電車に乗って会社に行く先進国の国民が他にいるでしょうか。先進国に暮らす日本人がいつまでもあんな暮らしを繰り返していることが異常です。もう少し適性の人口に戻していいはずです。

 人が少なくなれば、当然家賃も下がります。今7万円も支払わなければならない6畳のアパートが、同じ料金で二部屋になれば、子供を育てようかと考える人も増えるはずです。学生も、6万円の家賃が4万円になれば、余った仕送りで、もっともっといろいろなものが買えるでしょう。そうなら、人口が減少は経済の打撃ではなくて、経済効果を上げることになるでしょう。もっと人は豊に暮らせて、充実した生活が送れるでしょう。

それなら悪いことではないはずです。

 人が減った、すぐに物が売れなくなると考えるのは間違いです。ある程度収入を取っていても、狭い部屋、せせこましい電車に乗って生活しなければならないことは少しも人生を幸せにしてはいません。表高ばかり見せかけて、その実高額な年貢を取られたなら、豊かな生活とは言えないのです。

 価値観を変えようとするなら、まず人口を減らすことです。先ず日本に人口を減らして、暮らしを豊かにして、その上で子育てを考えるのです。目先の金をちらつかせて、子供が二人になったら、毎月1万円を国から、都から支払われる、なんていう考え方は根本が間違っています。

 一万円もらっても子育ての大変さは少しも変わりません。少しでも生活がしやすくなりにはどうしたらいいかを真っ先に考えないとこの国の人口は増えません。満員電車の門田も同様です。なぜ満員電車尾に乗らなければならないか、例えば、群馬や栃木や千葉の房総半島に引っ越せば、満員電車はないのです。然しそこに名仕事も少ないのです。そうなら、家賃を下げる方法で最も有効なのは、今東京に集中している仕事を地方に持って行くことです。何でも中央が権限を握っているから、地方に仕事がこないのです。仕事を地方に譲れば、自然に人口は地方に流れます。大学ももっと大胆に移動しなければいけません。お茶の水にあった大学の校舎が八王子に移ると言うのは、人口減につながりません。生徒はどちらにも行ける中野や高円寺にアパートを借りて中央線を利用するだけで、東京の人口は減らないのです。黙っていて廼人の集まる一流大学なら、率先して、ゲン海舟楽に後者を移すべきです。それによって生徒が集まらないなら、それは三流大学なのです。まず東京大学あたりが、群馬県の猿ヶ京あたりにに移ってはどうでしょう。大きな大学が5つも地方に移れば、東京都の人口は覿面に減りますし、電車はすいて来るでしょう。東京都も毎月1万円子育てに支払わなくて済みます。一挙両得ではありませんか。

続く