手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

中国どうなる?

中国どうなる?

 

 つい半年前までは、中国は強大な経済力を背景に、宿願の台湾に侵攻して、統一を果たすのではないか。そうなると、日本や、アメリカが直ちに台湾を支援をして、東アジアで四カ国による大戦争になるのではないか、と心配していましたが、それがあっという間に、全く違う方向に展開して行って、今では、中国そのものが経済の危機に瀕していて、近いうちに国が破綻するのではないか。と言う話にまで広がっています。

 それがどういうことかと言うと、中国国内で不動産バブルが完全に破綻して、地方都市や国や、企業の負債が合わせて2000兆円になっていると言うのです。日本の国家予算が約100兆円ですから、日本の国家予算の20年分のお金が焦げついて、中国の財政を圧迫しているそうなのです。

 何でそんなに赤字が出てしまったのかと言うなら、以前中国の話をした時に申し上げたことですが、共産主義の国は一党独裁ですから、国の政策を批判する人がいません。政策がうまく行っていようが居まいが、政府の命令とあれば役人は、言われた建物や、高速道路は作らなければなりません。

 作った結果、マンションが全く売れなくても、高速道路に車が走っていなくても、そんなことは企画した役人には関係ないのです。言われるがままに建物を作ったなら役人に罪はありません。マーケティングリサーチなどはなく、政策が最優先されます。

 然し、中国の国民は、マンションに住みたい人は多くても、所得がそこまでない人がたくさんいて、目の前にマンションが建っていても買えないのです。

 結果として誰も住まないマンション、計画都市が次々に出来て行きます。通常こうした建物は、銀行が土地や建物を担保に金を貸して、ローンを建てて国民が買いやすくするものですが、先月習近平さんは「土地は国の物であるから、それを担保に商行為をするのは間違いだ」と言ってしまったのです。

 共産主義の国では土地は国の物です。それはその通りなのですが、然し、これまで経済開放を積極的にしてきた中国は、共産主義であって共産主義ではなく、十分に資本主義を取り入れた政策をしてきているのです。ゆえに多くの金融関係者や不動産業者は、土地を担保に金を借りて来て、大きく発展してきたのです。それがいきなり原則論を持ち出して来て、土地を担保に金は借りられないとなると、企業は再投資が出来なくなりますし、今まで作った家、建物を、国民がローンで買えなくなりますから、大問題です。結果、2000兆円の焦げ付きです。

 更には、新幹線を作り過ぎて、中国国内の路線はどれも赤字です。唯一北京、上海間のみが黒字ですが、他の路線にはほとんど人が乗っていないのです。常識で考えたなら、どう考えても採算の取れなそうな路線に新幹線は作らないはずですが、国の政策とあれば乗り手の需要など考えずにどんどん作ったのです。結果毎年の大赤字です。

 一帯一路政策などと言って、道路や新幹線を作り続けたことが積もり積もってどうにもならないところにまで来たのです。全ては経済を知らない政治家が、政治権力だけでことを行った末路です。

 そうなると、これまで絶大な権力を握っていた習近平さんも、今ではいつ政変が起こって、失脚してもおかしくない状態にまで来ています。半年前までは毛沢東以来最も権力を掴んだ政治家として讃えられていた人が、今は見る影もなく批判にさらされています。心なしかこのところの習さんは元気がありません。

 

 先日(11月15日)、サンフランシスコで、米中首脳会談があったのですが、ウクライナロシアの問題、イスラエルの問題、南沙諸島の問題など、いろいろ話し合いがされたようですが、その際習近平さんは、バイデンさんに125兆円の借金を申し込んだと言う噂が出ています。飽くまで噂ですが、そんな噂が出るくらい習近平さんは、経済の失敗で追い込まれているのでしょう。対するバイデンさんは冷ややかな目で習さんを見て、支援を断ったと言います。

 アメリカと言えどもそうそうゆとりがあるわけでもないでしょうし、唐突に借金を申し込まれてもどうにもならないのでしょう。学生同士の金の貸し借りとは違います。中国の代表の習さんが125兆円の借金をしようと言うのですから、簡単な話ではありません。

 然し、これはアメリカにとってはチャンスかもしれません。資金貸しの担保に土地を押さえるとか、いろいろな条件を呑む等と言うのであれば、結果として貸金は安いものになるかも知れません。

 例えば、台湾の独立を認めて、国連に加盟することを認める。などと言う条件を中国が呑んだなら、いらぬ戦争をしなくても済みますから、結果資金貸は安上がりな投資と言えます。

 習さんも長く政権にしがみついていたことが結果として人生を悪くしたようです。二期でやめておけば大政治家として終われたのに、今となってはもうどうしようもないところに来ています。

 

 習さんは身から出た錆と言えますが、中国のお陰で韓国の経済が悪化しています。それまで中国に頼って経済発展をしてきた韓国が、今急激に冷え込んでいます。一時期国民所得が日本を超えたとか、越えないとか、言っていたものが、ここへ来て大きく落ち込んでいます。

 そうなると、中国も駄目、韓国も駄目、北朝鮮は始めから駄目、東アジアはいいところがなくなります。唯一、日本と台湾が気を吐いていますが、中国韓国の経済がうまく行かなくなると、やはり日本も先々影響を受けるでしょう。

 更には、欧州も、ウクライナ支援とイスラエル支援に費用が掛かり、厳しい冬を迎えることになります。アメリカはと言えば、これまでは景気が良すぎたために、いつその反動が来るか分かりません。

 それでなくても経済の起爆剤となるはずだったEV自動車が、ドイツも北欧も、中国もアメリカも、どこも売れずに山積みになっています。EV車は世界的に予測を誤っています。このまま行くと、唯一、EV車にはまり込まなかったトヨタが独り勝ちする可能性が出ています。来年は世界のあちこちが不景気になるかも知れません。但し日本だけは災難を逃れて繫栄する可能性があります。

 でもこういう形の勝利は危ないです。逆恨みされます。トヨタは、ハイブリッド車が持っている、たくさんの特許を破棄して、どこの国の自動車メーカーでも真似して作れるように、技術を開放したそうです。

 トヨタの行為はまさに大人の対応として賞賛すべきです、日本メーカーでなければできない英断です。が然し、欧米の、プライドの高い自動車メーカーはすぐには尻尾を振ってハイブリットカーを作ろうとはしていません。でもご安心、背に腹は代えられず、必ず愛想笑いをして豊田に近づいて来るでしょう。どこの国ももうそこまで不況が押し寄せいて来ているのですから。

続く