何も起こらない諒
当然のことですが、7月5日は何も起こりませんでした。トカラ列島の悪石島近辺は、今も連日震度3から5くらいの地震が起こっていますが、漫画家のたつき諒さんが夢に見たような、フイリピン沖で、地割れが起きて、地殻が大変動を起こし、40m級の津波が日本にやって来るような大地震は起きませんでした。
当然です。たつき諒さんが漫画に描いたことは、「私は夢を見た」。と言う話をしただけです。予言をすると言ったわけでもなく、神のお告を述べたわけでもありません。ただ「夢を見た」と言うだけの話なのです。話は全く架空で、全く無根拠で、全く無責任な漫画なのです。漫画とはそんなものです。それをマスコミや、SNSがなぜ大騒ぎをしたのか、意味が分かりません。
そもそも、日時指定で地震が起こると言うことなどあり得ません。その時点で話は嘘です。「然し、そうは言っても、新たな本まで出して、夢を具体的に説明する作者は、きっと何か根拠があると思いますよ。作者が意図的に地震を煽っているのでしょう。それは社会に大きな迷惑をかけていますよ。そのことの社会的な責任は大きいでしょう」。
いえいえ、そうした無責任な話は昔からいくらでも繰り返してきました。無責任に話題を作って、金儲けする人はたくさんいました。ノストラダムスの予言がいい例です。過去の予言者が書いた謎めいた文章を勝手に解釈し、地球が壊滅すると本に書いて、世間の人々の生活を脅かしたのです。
著者はノストラダムスの大予言と言う得体の知れない話を、本にして出し、一大ブームを作り出しました。これにマスコミが乗って、社会的に大きな話題になりました。著者と出版社は、数百万部の売り上げを作り、記録的な大儲けを果たしました。著者は連日テレビ出演をし、世間を騒がせました。そして、1999年。みんな地球最後の日と称するその日を待ちました。
あの日も何も起こりませんでした。何も起こらないから我々は今日生きています。ノストラダムスの予言は外れました。でも、それがいけないことだったのでしょうか。明らかにデマでした。みんな外れてがっかりして、著者を攻撃しました。「外れて幸いだったね」。と言う人はありませんでした。
それよりさらに前、今から50年近く前に「富士山が○○日に大爆発する」。と予言した人がいました。これも連日テレビが大騒ぎをして、コメンテーターと称する人が、噴火が来るの来ないのと言って、議論にならない議論を連日繰り返して世間を煽りました。結果は何も起こりませんでした。
SNSでは、7月5日以降、たつき諒さんを非難する人がたくさん現れました。「これほど無責任に世間を騒がせたのは問題だ。裁判で訴えて責任を問う」。と言います。一体何の責任を問うのでしょう。地震の夢を見たと言う人に「夢なんか見るな」と言うのですか。勝手にそれを信じて、騒いだ人にこそ問題があるのではないですか。
著者の作戦に丸々乗っかって、人の金もうけに片棒を担いだだけのお調子者が、どうして漫画家を訴えることができますか。
しかも著者は幸運です。偶然とはいえ、この予言のさ中、一か月前から、トカラ列島で群発地震が起こったのは、何か予言の裏付けを感じさせるものがありました。たつき諒さんにとっては物凄い援護射撃でした。
「7月5日になったら、悪石島が大噴火をして、島自体が大きな陸地になるのではないか」。などと勝手な想像をした人もありました。
でも何も起こりませんでした。いや、それにもかかわらず、未だに「7月5日は何も来なかったけど、今月いっぱいは何が起きるかわからないから、もう少し様子を見よう」。などと言って、トカラ列島の地震を毎日見ている人があります。
いいですねぇ、平和で。今回の騒動の特徴は、地震を期日指定して、時刻まで予言したことにあったはずでしょう。その日時が外れたのですから。予知は外れです。初めから嘘です。未練たらたら追い続けることは、馬鹿のすることです。「馬鹿だね、馬鹿だね、ほんとに馬鹿だね」。と歌で笑われます。
「でも、人には何か不思議な力と繋がって、予言をすることがある」。と言う人があります。それは否定できません。私自身も小さな虫の知らせを何度か経験したことがあります。実際、そんなことで当たったりすると、「自分には予言能力が備わっているのではないか」。と信じてしまいます。然し、それならばと、身構えて予言をすると、どれもこれも外れます。
「あぁ、あれはたまたま当たったんだな」。と得心します。私の予知能力はそんなことの繰り返しでした。同じ思いの人も多いかと思います。
人には全く予知能力はない。とは断言できません。数日前にお話ししたように、飼っている犬が、地震の数日前から騒ぎだしたり、逃げてしまったなどと言う話を聞くことがあります。してみると、犬は、数日前から天変地異の変化などを感じ取るのかも知れません。そうだとするなら、それは知識や科学とは違うなにかで予知をしていることになります。
そう思って、私の家にいる銀鳩の様子を毎日見ていますが、今のところ何も変化は起こりません。ヒナはすくすく育っています。もう卵が産み落とされてから40日は経っています。羽はようやく生えそろい、頼りなかったくちばしも、普通の鳩並みにしっかりしてきました。姿は全く銀鳩です。但し、まだ自由に歩き回ることが出来ません。
自ら餌箱には行けないのです。親は食べたものをお粥にしてヒナに与えています。ヒナは親の口の中に頭を突っ込んで、親の食べたものを貰っています。このところ餌の減り具合も物凄く早くなりました。
巣箱はもうヒナが独占していて、親は殆どヒナを温めません。40日で、二羽の鳩が三羽になったことになります。全くそれまでいなかったものが、いつの間には既得権を手に入れて堂々と収まっています。不思議なことだと思います。まるでマジックです。
鳩の予知能力は確認できませんが、何事もなく、平和に子育てをしている姿は見ていて安心します。ヒナも大分大きくなりましたので、ひょっとしたら、蕨のくるるの出演には、3羽の鳩を出してみようかな、と考えています。いきなり小鳩のデビューです。
続く