手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

寿司等

寿司等

 

 私の日程を先々書くことは、いろいろな意味で危険だそうですので、ブログではすべて済んだ後の体験を書いています。この三日間は、名古屋の指導、富士の指導、そして奈良の指導をして、その後東京に戻っています。

 18日は、朝東京を立ちまして、日中は名古屋で指導をしまして、夜6時半に岐阜で、辻井さんと峯村さんと待ち合わせ。この晩は、辻井さんご推薦の「ともなり」と言う寿司屋さんに向かいました。ここは5年くらい前にも一度伺っている店ですが、辻井さん曰く、「最近特に評判がいいんですよ」。と仰って、それならば、と、ご相伴に預かった次第。

  岐阜からは少し離れたところにあり、席数も限られているため、予約が必要ですが、お店は評判で、このコロナの3年間ですら。連日ほぼ満席と言う状況だそうです。

 内装も外装もささほど変わってはいません。店の料理人が少し太ったのが変化と言えば変化です。顏が上口龍生に似ているともっぱらの噂です。誰に似ていようと結構です。いいものを食べさせてもらえば私は幸せです。

 料理の出し方に工夫が加わり、初めに小鉢物や、焼き物、煮物が何品か出て来ました。流れは懐石の順に行くのかと思いました。アワビの分厚い身を醤油で煮て、ざっくりと切って、肝で作ったソースを上からかけた煮物は、身の柔らかさと言い、うまみと言い、いきなりメインディッシュかと思うほどいい味でした。のどぐろの焼き物もよかったですし、いくらとタラバガニのなますも素晴らしい味でした。

 そのあと寿司が出て来ました。寿司は一巻ずつ出て来て、飯はわずかですから、これで足りるかなぁ、と心配になりましたが、どうしてどうして、一通り食べた後は十分満足出来ました。車海老の握りなどは、身が厚くて、海老の甘みが堪能できました。ウニが二種類握りで出て来ました。根室沖で取れたウニと、釧路沖で取れたウニでした。味が違うことは分かりましたが、根室と釧路ではあまりに距離が近く、どっちがどう違うか判別は出来ません。それでも、身がふっくらと分厚く、いいウニでした。

 「仕上げに巻き物を出しましょう」。と言われ、希望を尋ねられたのですが、私は干瓢(かんぴょう)を頼みました。考えてみれば長いこと干瓢巻きを食べていません。子供のころは、遠足や運動会と言えば母親が巻きずしを作ってくれました。巻物の中身は干瓢と相場が決まっていました。懐かしい味です。

 辻井さんは合羽、峯村さんはあん肝を頼みました。これを三等分して、三人でいただきました。私に取っては干瓢の味が何とも懐かしく、少し濃いめに味付けした甘辛い干瓢に満足しました。

 その後は、柳ケ瀬のグレイスへ、グレイスは毎年の事ですが、満開の桜の木の枝が店一杯に飾られていました。誰よりも早いお花見です。ママさんは桜柄の黒のお召しです。いい着物を着ています。柳ケ瀬はすっかりお客様も戻っています。いい流れです。

 

 その晩は名古屋に泊まり、翌朝は、富士で指導。富士では、7月24日のロゼシアター(市民会館)でのチラシが出来上がり、みんな張り切っていました。私と、マギー司郎、藤山大成、早稲田康平、川上一樹と言ったメンバーで致します。無論、クローバーズの皆さん総出で出演いたします。チケットはほぼ完売の状況だそうです。

 さて、5時まで指導をして、その後、新幹線で大阪へ行きました。本当は富士の後に東京に戻る予定だったのですが、翌日、奈良での指導が急遽入ったため、行ったり来たりのスケジュールになりました。これがためにいささか疲れが発生しました。大阪について、太巻き寿司とビールを買い、ホテルで食べながら事務作業をしているうちに、睡魔が襲い、事務仕事が半分で、うっかり寝てしまいました。

 朝は9時までに奈良に行かなければなりません。6時に起きて、食事を済ませ、近鉄電車に乗って奈良へ、朝9時に奈良の指導開始、3時間の集中個人レッスンを済ませ、近鉄電車の特急に乗り、13時40分に京都着。

 15時に予約してある新幹線迄は時間があるため、ここで食事をしようと思い、京都駅の上にあるレストラン街のデリーモと言う店に入りました。店はお菓子屋さんのようですが、ランチの白みそのカレーうどんが評判がいいようです。けっこう店は混雑しています。待たされること20分。

 カレーうどんは、ランチタイムには飲み物が付きます。更に300円足せばケーキが付きます。それならばとみんな頼んでみました。アイスコーヒーを飲んでいるうちに、件(くだん)のカレーうどんが来ました。白みその甘みとカレーの辛味が混ざり合い、これはなかなかの味です。

 うどんはかなりしっかりとした細身のうどんで、上に乾燥した湯葉が彩に散らしてあります。白味噌湯葉と言うのはいかにも京都を感じさせますが、このべたな発想に騙されまいと、淡々と食べて行きましたが、最後まで飽きることはありませんでした。

 アイスコーヒーもしっかりとした香りがしていい味でしたし、さくらと言うタイトルのピンクのケーキもこれはこれで満足出来ました。1530円は、お値打ち品です。

 それを食して、3時の新幹線に乗り、東京に向かいます。実は6時30分からもう一つ、予定が入っているのですが、その件は明日お伝えします。今は新幹線の中、東京に向かっている途中です。日々多忙ではありますが幸い元気です。

続く