手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

パソコン不調

パソコン不調

 

 朝からパソコンが不調のため、ブログが書けませんでした。今、夜の6時ですが、自宅に戻ってブログを書いています。

 今日は朝から事務的な仕事が続きました。その後、銀行に行き、あちこち送金をしました。私に取っては煩わしい用事ばかりです。

 その後、駒込へ、いつもの中華屋さんに寄って食事をし、この日はホイコーローを食べました。味はまぁまぁ、いつも食べている中華屋さんです。その後、日本舞踊に出かけました。一週間ぶりの稽古です。

 それから銀座の伊東屋へ行くことにしました。目的は不織紙(ふしょくし)を買うことです。不織紙とは、紙の一種ですが、薄く丈夫な紙です。紙片を丸めて、センスの上でポンポン弾ませていると鶴になると言う手妻の種になります。幾つか作り置きがあったのですが、もう無くなりかけていますので紙を買いに行ったわけです。特殊な紙ですので、銀座まで行かないと手に入りません。

 それから、5枚カードを懐に吊っておくクリップを買おうと画材売り場に出かけました。実は、以前日向大祐さんに、大きめのクリップがなくなったと言う話をしたところ、「銀座の伊東屋に行けばありますよ」。と情報を得ましたので、早速出かけたのですが、ありませんでした。随分しつこく探してもらったのですが、ありません。仕方ありません。まぁ、不織紙を買ったことで目的達成です。

 帰りがてらに銀座を少し歩いてみました。銀座は随分と変わってしまいました。どこもかしこも有名ブランドショップばかりです。昔は国内の有名店がひしめいていたのですが、今や国際的な店ばかりです。

 山野楽器も久しぶりです。のぞいてみようかと思いましたが、以前は一階にレコード売り場が広々とあったのですが、今は全くありません。レコードは売れないのでしょうか。二階に譜面売り場、10代の頃は交響曲のスコアなどを買って、レコードを聴きながらスコアを読むのが趣味でした。降格とものすごく音楽に知識があるように聞こえますが、よくわからないくせに、妙に通ぶっていただけでした。

 三階から上は楽器売り場だったのですが、10代の頃は、ピアノ売り場に行くとハープシコードが置いてあったり、ハープが置いてあったりして、珍しい楽器を真近くら見られるので楽しみだったのですが、今も楽器は置いてあるようですから、久々上がってみようかなと思いましたが、然し、余りに一階の様子が変わってしまったので中に入ることは躊躇しました。

 木村屋に寄ってアンパンを買うことにしました。桜の花びらの付いたアンパンがありましたので5つ買いました。子供のころから食べていたアンパンですから勝手知ったるものです。相変わらず木製の板敷に上にアンパンを乗せて売っています。

 アンパンも、チーズ味だの鶯あんだのと色々出ていますが、矢張り、芥子の実の付いたアンパンか、桜の花びらの乗ったものが一番です。桜の花びらは塩漬けしてあって、噛むとほのかに塩味がして、アンの甘さとうまくマッチします。一つ200円でした。

 コンビニなどで売っているものよりずっと小さくて、200円は高価ですが、やはりここは金額ではなく味を求めます。それにしても木村屋はいつも賑わっています。

 

 数寄屋橋交差点に出て、丸ノ内線に乗り、新宿に向かいました。東急ハンズによって素材を買い求めました。ハンズは買収騒ぎがあって、ニトリだかどこかに買収されたとかどうとか、聞きましたが、どうなったのでしょうか。品数がどんどん少なくなっています。そのためかどうかは分かりませんが、かつての賑わいはありません。昔の東急ハンズを思うと、こうまで寂しくなるとは想像もできませんでした。

 今から35年くらい前、バブルのさ中に東急ハンズがオープンして、あらゆる素材を揃えて、店員にその道のエキスパートを集めて、商売を始めたときには驚きました。この店があれば何でも工夫して作れる。と胸を膨らませました。

 まさにマジシャンのためにあるような店でした。実際これまでどれほど素材を買ったか知れません。ダニリンや、マックス・メイビンを連れて来た時には、彼らは一日中東急ハンズから離れませんでした。ダニリンは両手に目いっぱいの荷物、背中に壁紙をロールごと背負って、ホテルに戻って行きました。抱えきれないほどの素材を持ちながらも喜びに満ちた顔をしていたのが忘れられません。

 かく言う私も今でも、毎月何回かは東急ハンズに出かけています。いまだに素材を買うには便利な店です。

 

 それにしても、今日は全く雑用ばかりです。ハンズで買い物をしているさ中に、銀行から電話がありました。送金違いがあったようです。仕方ありません。帰りに銀行に寄って用事を済ませ、帰宅をしたのがかれこれ6時でした。

 さて、こうして朝から雑用をしているうちにあっという間に一日は終わってしまいました。一体一日何をしたのかと考えてもたいしたこともありません。東京をうろうろしていただけの一日でした。こんな日もあってもいいのでしょう。晩飯を済ませたらアンパンを食べようと思います。小さな喜びです。

続く