手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

アゴラカフェの変更

アゴラカフェの変更

 

 実は今月の初め、毎月アゴラカフェで催されているマジック公演のスケジュールを変更したいと言う意向を御店側から伺いました。コロナが長引き、なかなかお客様が戻ってこないのが大きな理由です。

 実際、5月以降、お客様の流れが良くなるかと思われた矢先に、新たなコロナの感染が広がり、アゴラカフェだけでなく、日本中の飲食業は呆気なく勢いを失っています。まったく先の見えない状況でどこも青息吐息です。

 そこで出演メンバーの中で、ザッキーさん、早稲田さん、藤山大成、Daiさん、カズカタヤマさん、などが集まって、度々話し合いをしました。こうした現状の中で、マジックの催しが安定して人を集められるなら、いい顔が出来るのですが、現実にはそううまくは行きません。

 むしろマジックの専門劇場と言う考え方自体、この3か月前から始まったばかりのことですので、支援者の少ない活動の中で始めた活動ですので簡単ではありません。

 しかし、せっかく始まったばかりのマジックショウですから、少しばかり集客が少ないからと言って、やめてしまうのは勿体ない話です。この先どうやったら維持できるかについてマジシャンが集まって何度か話し合いをしてきました。

 

 元々、アゴラカフェで公演する前は、人形町玉ひでで毎月一回私の演じる手妻の公演をしていました。その公演に、他のメンバーもゲストで出演していたわけです。

 それをアゴラカフェに持ってくるときに、アゴラカフェ側の考えとして、毎週一回マジックの公演をしたい言うことになり、現状のメンバーを4つのチームに分けてそれぞれ独立させて公演を始めました。

 第一週が、私と私の一門による手妻の公演、第二週が、ザッキー、早稲田、大成などによる若手の公演。第三週が、カズカタヤマとその仲間による公演。第四週が、Daiと演劇集団による公演。全く違った4つのパターンのマジックショウが見られるように工夫したわけですが、元々が私のところで一緒に公演していた仲間が単独公演を任されることになったわけですから、毎月続けて行くうちに集客に苦労することは見えています。

 しかし、私自身はそれが大変だと言うふうには考えていません。大変は大変ですが、ショウを生業として生きて行くものは演劇であれ、漫才であれ、歌手であれ、舞踊であれ、常に集客に苦労します。むしろ、マジシャンはこれまで企業などに呼ばれてパーティーなどで仕事をする場合がほとんどで、集客を真剣に考えなくてもすでに観客がいる所で生活が出来たことに問題があるのです。

 マジックは例えばアルコールを出す店のサービスとしてショウを見せたり、レストランの食事の合間にショウを見せたり、企業の顧客に対するサービスでショウを見せていたわけです。それらは何らかのサービスで演じていたわけで、マジックショウが主役となって、観客を動員してきたわけではなかったのです。

 それが今になって、コロナで仕事を失い、気付いてみればお客様を持たずに今日まで来てしまったことで、公演場所がないと言う現状に至っているわけです。

 

 私は若いころから自主公演を続けて来ました。ある時は座敷であったり、小さな劇場であったり、毎月何らかの自主公演をしてきました。、更に年間数本の大きな公演をしてきました。本来なら劇場公演だけをしていれば良さそうなものですが、実は、玉ひでや江戸っ子ホールのような小さな場所で公演をすることは大切なのです。そんなところで10人20人とお客様を相手にしてショウをすることが、長くお客様とつながって行くことにつながって行きます。

 毎月の小さな催しがあるから、年に一二度、300人400人と言うステージショウをしたときにお客様を集めることが出来るのです。何もかもいきなり始めると言うのは簡単ではありません。一回限り、たくさんの人を集めることは可能でも、毎年何百人もの公演を何十年も続けて行くことは並大抵のことでは出来ません。

 そうした催しを安定的にやって行くには、目の前の10人20人と言う催しをおろそかにしていては出来ないのです。結局、この事は自分自身が芸能で生きて行く限り、一生続けて行かなければならないことで、自主公演はライフワークなのです。

 そうは言っても多くのマジシャンは自主公演などやりません。とても面倒なことですし、結果が出るまでに随分時間がかかりますので、あえてやろうとはしないのです。

 ただ、自主公演はいろいろな意味で鍛えられます。演じる作品も、いつも同じものではだめですし、必ず新作も作らなければいけません。喋りも古くならないように細かく変えて行かなければなりません。時として芝居がかったことも考えなければいけません。ありとあらゆることをしなければ毎月の公演に対応できないのです。

 そうした勉強をするためにもアゴラカフェの企画は大切なものだと思って、仲間に勧めました。然し、アゴラカフェのようないい会場を維持するためには、もっと集客を考えなければいけません。そこで、いったん企画を練り直して、マジックの公演を毎月一回に変更することにしました。

 今現状は、9月は、カズカタヤマ公演と、Daiの演劇集団の公演。10月以降は月に一回の公演とし、10月、Daiの演劇集団の公演、11月は藤山新太郎と一門による手妻公演。12月はザッキー。早稲田、大成の若手マジシャン公演。1月はカズカタヤマ公演。2月はDaiの演劇集団の公演。3月は藤山一門の手妻公演。と、4つの公演を順に毎月一回に分けて公演することにいたしました。こうすると、例えば私の公演は4か月に一回の公演になります。

 このため、9月10月の私の公演と、若手の公演は休みになります。又、月一回の公演も日時が移動することがしばしばあります。そうした点でお客様の混乱もあろうかと思いますが、なるべく私のブログやザッキーのブログ、カズカタヤマのブログなどをご参照の上、日程をご確認くださってアゴラカフェにお越しください。電話確認などもよろしくお願いします。何にしてもマジックの活動を長く続けて行くための最善の策として工夫した結論ですので、よろしくご了解ください。

 

 と言うわけで、第一週の手妻の公演と、第二週の若手マジシャンの公演は9月10月共にお休みいたします。また今後の催しも、アゴラカフェ、または東京イリュージョンにお問い合わせ下さい。

続く