裏と表
安倍元総理の死後、直ちに国葬にすると言う話がまとまり、その後で、安倍元総理と統一教会との関係がいろいろ出て来て、その後に出るわ出るわ、安倍元総理個人の問題と言うよりも自民党全体の問題に広がり、組閣にまで影響するありさまです。
先ず安倍さんと言う人は、優れたリーダーシップをもち、率先して外交、経済の難問を解決してゆく、有能な政治家である反面、どこか納得の行かない裏取引をする人で、それが、加計問題であるとか、森友学園であるとか、桜の花見であるとか、いろいろと疑問の残る人でした。
どうも安倍さんの家系はお爺さんの代から、怪しい活動が続いていて、お爺さんの岸信介さんは生前、妖怪とあだ名され、表向きは柔和な顔のその裏で、怪しい人との付き合いがあり、権謀術数に長けた一筋縄では行かない政治家と思われていました。
無論、政治には裏もあれば表もある。あの手この手があって政治です。それをそっくり受け継いだのが安倍さんのようです。
然しこれほど露骨に統一教会との結びつきが表に出ては、自民党そのものの信頼が危ぶまれます。統一教会は、バブル期に、印鑑やつぼなどを法外な値段で信者に売りつけ、霊感商法と呼ばれて批判にさらされて、一時期信者の数を減らして、表立った活動はしなくなったようなのですが、その実、依然として統一教会の活動は続いていて、名称を変えて活動は続きました。
その名称変更に政府はずっと反対していたそうなのですが、安倍さんが総理大臣になって、名称変更が認められました。この辺りが安倍さんの怪しい部分なのでしょう。そして、新教会と安倍さんの関係はつい最近まで続き、新教会と自民党は互いに助け合って？、議員を国会に送り続けました。
方や宗教に嵌って抜け出せず、生活破綻をして、苦しむ信者が続出しているにもかかわらず、名称を変えて新教会は生き残り、今も活動を続けています。そして、その勢力を政治に利用しようとして議員が群がります。怪しい教会であるにもかかわらず、教会の大会に出向いて挨拶をする政治家、パーティー券を買う政治家、結局政治はいいも悪くもなく、票をくれる人は神様であり、資金をくれる人はいい人なのでしょう。
長年教会を助けていた安倍さんは内心どんな心境だったのでしょう。「あまり話が表に出ないで、目立たなければいいが」。とか、「まずいなぁ、何とかばれない方法はないものか」。などと心配していたのではないでしょうか。そうして目立たぬように支援していたものが、最後の最後に信者の息子に銃で撃たれたのです。
この息子さんは当初、変質者の扱われ方をしていましたが、調べが進むに及んで、そうではないことが分かりました。母親が統一協会に加入していて、全財産を失い、家族崩壊をする状況を打破するために、当初、協会会長の狙撃を考えていたそうです。それが狙撃が難しいことを知り、協会を支援し続けていた安倍総理に急遽矛先が向いたと言うことです。
結果として、安倍さんを狙撃したことは、統一協会の問題を表に出したことで、統一教会を消し去りたいと言う犯人の目的は達せたと言えます。こうした形で命を落とした安倍さんは不本意だったと思いますが、裏の活動ばかり続けてきた安倍さんはいつかこうした日が来るのではないかと内心、感じていたのではないでしょうか。
その安倍さんを国葬にするかしないかは、安倍さんのプラス面とマイナス面を比較して、プラスが多いと思うなら、国葬にすればよく、マイナスだとみるなら国葬をやめるのも致し方ないでしょう。いずれにしても、政治家が全く清廉潔白であることはあり得ず、清濁併せ呑むうちのプラスが勝っているなら良しとすべきだと思います。
話は変わりますが、私の母親には姉がいて、姉は世田谷に住んでいました。姉は親の財産のほとんどを相続して、何件もの家をもって人に貸して暮らしていました。この人が晩年新興宗教に凝って、自分の生活するわずかな費用を残して、収入の全てを毎月新興宗教に寄付をしていました。
当時母親は生活に苦労していて、仕事を毎日掛け持ちして働いていました。「お姉さんが毎月、神様に寄付をするお金の内、一割でも私を助けるために使ってくれたなら、どれほど助かるか」。と言っていました。全てを神様に捧げるのも大事ですが、身内の苦労に何ら関心を示さない姉のすることを残念に思っていたのです。
そこで私は「じゃは、うちの親父を教祖にして、新興宗教を起こしたらどう？。親父なら体が小さいし、ころっと太っているし、頭デカいし、ちょっとそこらにいないような体形の人だから、教祖の要素充分だよ。親父を教祖にしてお姉さんを信者にすれば互いが幸せになれるじゃないか」。「そんなの無理だよ、宗教だなんて」。「いや、できるよ、たくさん信者を集めようとするなら大変なんで、要はお姉さん一人が信者になってくれさえすれば、うちが助かるんだから、お姉さん一人にターゲットを絞って宗教活動すればいいんだよ。親父も仕事がなくて毎日パチンコしているくらいなら、教祖になって少しは家計を助ければ世の中のためだよ。これはいい話だよ。一つやってみようよ」。
と私一人乗り気になって、親父に話をしましたが、親父は逃げ回ってついに教祖にはなりませんでした。今考えても返す返すも残念なことだと思います。
私の家にはマジックの道具がたくさんあるのですから、お姉さんの前で不思議を見せることはいくらでもできます。親父を浮揚させることも出来ます。親父の特異体質、私の技を駆使すれば立派な新興宗教が出来ると思います。
こんなことを考えているときに、マジック研究家の高木重朗先生が、「藤山さんね、こないだ新興宗教の教祖さんが訪ねて来て、マジックを教えてほしいって言うんですよ。どうも信者に見せて信用を高めたいと思っているようなんです。目の前に札束を積まれましたよ」。「引き受けたんですか」。「断りましたよ。危ないでしょう」。「もらっておいたらどうです」。「あとがいろいろ面倒でしょう、私は国家公務員ですから、おかしな組織とつながりを持つことは出来ないんですよ」。なるほど、理性のある人は金では動かないんですね。さて、高木先生には理性があって、宗教とのつながりは断ちましたが、この度の政治家さんには理性が働いているのでしょうか。
続く
