手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

安倍晋三さん狙撃される

安倍晋三さん狙撃される

 

 今日は朝から車で外出。と言っても特別なところに行くのではなく、浅草近辺で買い物をしました。私の良く行く場所は、徒歩ではかなり不便であるうえに、買い物をすると荷物が多いので、浅草近辺には車で出ることが多いのです。

 と、早速出ようとすると、私の駐車場の前で水道工事がされていて、ショベルカーが入って、溝が彫り込んであります。私が「車を出します」、と言うと、工事関係者は、トラックを移動し、ショベルカーを移動し、掘っていた溝に鉄板を張り、車が出せるようにしてくれました。親切は有り難いのですが、この間約10分間、工事に付き合わされて、無駄な時間を使いました。

 さて、浅草方面に向かう途中、珍しく道が混んでいます。なぜ混んでいるのかはわかりません。町全体の景気が良くなってきたのでしょうか。そうなら、少々の混雑も我慢します。今迄の景気の状況が続いていい訳がありません。

 約一時間かかって下谷の井上先生のアトリエへ行きました。お願いしていた引き出しがようやく完成しました。仕事を依頼してからもう一年以上です。いろいろ理由はあるでしょうが、それにしても時間がかかり過ぎです。まぁ、出来たことは良かったと思います。お道具を受け取り、そのあと合羽橋漆器屋さんへ。合羽橋も心なしか不景気が少し抜けて来て、よき方向に進んでいるように見えます。

 この後、本駒込に出て、踊りの稽古。このところ三日に一回踊りを稽古しています。来週は発表会です。私は少しも上手くなりませんが、何十年も続けているため、師匠に言われるがまま、発表会に出ます。

 

 さて一度帰ります。途中どこかで食事をしようと思います。なんせ車ですから、どこかに車を駐車できなければいけません。運転をしていると、本郷通り不忍通りの交差点に小さなイタリアンレストランがあります。普段なら特に興味も持たないのですが、この間の三軒茶屋のピザレストランの思いが残っていて、やけにイタリアンに目が行きます。急に入って見たくなりました。

 路上に駐車しても、車が少なくて問題なさそうです。店の前に停めて、中に入ります。入れ違いに女性二人が店から出て行きました。店は若い夫婦で経営しているのでしょう。亭主は厨房で忙しく働いています。奥さんと思しき女性は不慣れながらもけなげにお客様の応対をしています。客席は、一人定食を食べているマダム。そして私だけ。ランチ時間が過ぎたので、こんな状態です。サービスランチ1000円を頼みます。

 初めにサラダ、葉野菜の脇に、ポテトサラダが付きます。わずかに炒めた野菜が脇にあしらってあります。饅頭のようなパンが付いていて、これが餅のように粘りがあります。これらを食べて、少し空腹を満たしました、そしてメインがマカロニ。マカロニはガスのホース状のものを、4㎝くらいに斜めに切ってあります。煮込んだ上で、ホワイトクリームに絡めてあります。マカロニはかなり硬めに茹でてあります。

 ホワイトクリームが濃厚で、この甘みと塩気で食べてしまいます。マカロニはもう少し柔らかいものを期待して居たのですが、ここまで硬く煮るのが、本場の作り方なのでしょうか。そうだというなら、これはいい料理なのでしょう。なんせイタリア料理は素人ですから判断が付きません。

 確かに固ゆでのマカロニを皿一杯食べると、かなり満足します。然し、腹の中の感想は、名古屋のあの固ゆでの味噌煮込みうどんをそっくり腹に収めたような、あの生っぽいうどんの感触に似ていました。仕上げにアイスティーが出て来て、税込みの1100円。まずまず満足しました。店の名前はトラットリア・デ・コビーノです。駒込駅から六義園に行く道の大きな交差点です。

 

 安倍晋三さん狙撃される

 途中で銀行に寄り、その後車で帰宅、帰ると、安倍晋三さんが狙撃されたニュースが飛び込んできました。安倍晋三さんは私よりも一つ年下。8年に及ぶ総理大臣を経験して、精力的に海外の首脳と関わり、ずば抜けた政治力を見せました。おかしな癒着もありましたが、功罪を天秤にかければ、大きな成果を上げた人です。

 この人のお爺さんは岸信介さん、お父さんは安倍晋三さん、岸信介さんの弟さんが佐藤栄作さんです。保守政治の中でもサラブレッドの血筋です。しかも、その保守の姿勢を素直に受け継ぎ、憲法改正を唱え、9条を訂正し、自衛隊を日本国防軍に昇格させようと躍起になった人です。一部の人はこれを軍国主義者などとレッテルを張りますが、

これだけ経済の発展した国が、国防軍も待たずして、誰が日本を守ってくれるのか。と考えれば、安倍さんは軍国主義者ではなく、普通に先進国の政治家と同じ物の考え方をしている政治家に過ぎないことは明白です。

 そのことはロシアのウクライナ侵攻を見れば明らかで、戦争はよそう、平和を唱えようと言っても、戦車や大砲を持って攻めてきた人に、いかに平和を唱えても全く無力なことは明らかです。ウクライナが何か間違ったことをしてきたかと言えば何も間違ってはいません。ただ単に弱いから攻め込まれたのです。

 彼らは、この4か月で、ロシアに攻め込まれ、国全体がめちゃくちゃに破壊されました。「戦争はしたくない、やめてくれ」、そう言ってロシアは戦争をやめますか。こんな理不尽なことが繰り返されているのを毎日テレビで見ているのに、相変わらず日本では、相手に平和を求めて、「話し合いをしよう」。と言って、軍備拡張に反対する日本人がいることの方が不思議です。

 テレビで、評論家が、「話し合うことだ。戦争反対を訴え続けることだ」。と言い続けている人がいますが、そんな評論家は、是非ともウクライナに出かけて、直接、ロシアに向かってそのセリフを言ってみて下さい。それがどれほど空しい叫びか、ものの3分で理解できるはずです。

 ようやく安倍さんの言い続けてきたことが正論として、世間に通るようになった矢先に、命を落としてしまいました。さぞやご当人は無念なことでしょう。私とほぼ同じ年月人生を送り、やるべきことをすべてやって、人生を全うしたのですから、その姿勢は立派です。苦しいことの連続の日々だったでしょうし、悩みも多かったと思います。

 私のように、マカロニが固い方がいいのか、柔らかい方がいいのか、などと言う問題にこだわっているのとは、次元が違います。優れた政治家を失ったことは日本としても、私個人としても残念です。黙祷。

続く