手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

ウクライナは勝利するのか

ウクライナは勝利するのか

 

 ロシアによるウクライナ侵攻は、当初の予想とは大きく違って、ロシアはぼろ負けをし、ウクライナが国土を守り抜いて勝利しそうな気配です。世界に冠たるロシア軍を相手に、正面から戦いを挑むと言うのは、全く無謀な話で、恐らく二週間の内には、首都を包囲されて、ウクライナ軍は敗北し、そこから先は地下組織が散発的に戦いを続けるだけの消極的な戦いになるのではないかと思われていました。

 然し、実際には、ウクライナ軍は粘り強くロシア軍と戦い、各所で対戦車砲や、ドローンを使って戦車やヘリコプターを撃退し、あれよあれよという間にロシアを叩き、ロシア軍を慌てさせました。

 そうなると、当初傍観していたNATO軍が、支援を申し出て、ポーランド、オランダ、イギリス、フランスなどが武器を供与するようになり、更にはドイツ、アメリカまでもが積極的に武器や資金、更には陰で兵を派遣して支援するようになって、ウクライナ軍は俄然強力な軍隊になって行きました。

 それもこれも、当初侵攻された時にすぐに降伏せずに、不完全な装備ながらも敢然と ロシア軍に立ち向かったウクライナの姿を見て、世界中が共鳴したからでしょう。ドイツは憲法まで改正して、ウクライナを支援するようになりました。

 こうした欧州の全体の姿勢に対して、日本は明らかに出遅れています。「我が国は、憲法9条のために、他国への軍隊の派遣はしない、武器を他国に譲れない、日本の軍隊は軍隊でなく自衛隊だ」。と言って、全くの支援をしていません。「いや支援はしている。日常品や、医薬品は送っている。相手の気持ちも考えて千羽鶴も送っている」。こんなことを言って言てウクライナは納得するでしょうか。

 「彼らが今欲しいのは武器であり、弾薬です。自衛隊が、とりあえず今、差し当たって弾薬や、対戦車砲を使用していないなら、貸し与えてもいいのではないか」。と言えば、「いや、国の憲法が許さない」。「いえいえ、ドイツは憲法を改正してまでウクライナに武器を供与していますよ。戦車まで貸し出ししていますよ」。

 「日本は平和を守るために、自衛隊の派遣も武器の貸与も出来ないのです」。「誰の平和ですか、近所で不幸を被っている人がいて、連日戦って、多くの死者を出して困窮している人々がいるのに、現実を見ずして、日本だけが関与せずに、それで自国の平和が維持できますか?」。

 

 今回のウクライナの戦いは、大きく世界を動かしました。反応が鈍いのは日本くらいです。ポーランドや、チェコと言った、軍事力の小さな国でさえ、積極的にウクライナに軍事支援をしているのに、日本の姿勢はあまりに消極的に過ぎます。こんなことをしていて、この先、朝鮮半島や、台湾に紛争が起こったときに、世界は日本を助けてくれるでしょうか。いや、日本自身、朝鮮半島の戦いに関与できるでしょうか。台湾を助けることが出来るでしょうか。

朝鮮半島や台湾は日本の領土ではないから、日本は関与しない」。と言えますか。現実にそこで紛争が起きれば、とんでもない数の難民が日本に避難して来ますよ。仮に九州に百万人単位で避難民が来た時に、「うちは難民を受け入れないから」。と言って見殺しにできますか。

 目の前に困っている人たちが船に乗ってやって来たなら、無条件で助けてあげるのは当然のはずです。それが百万人であろうと、二百万人であろうと、困っているならすべて助けなければなりません。北朝鮮や、中国軍の軍艦が日本の近所まで迫害された人を追いかけて来たなら、「知らない」。とは言えないでしょう。自衛隊は戦って彼らを助けなければならないでしょう。普通の国ならそうします。日本はそうしませんか?。

 自分だけが平和を願っていれば、日本は平和であり続けると思いますか。それはエゴで、余りに世界に対して無神経です。それは平和主義ではなく、事なかれ主義です。

 

 今回のウクライナは、多くのことを世界の国々に教えてくれました。この三か月で、欧州は、ロシアに対して積極的にNOと言い、ウクライナを支援しています。そればかりか、フィンランドやスゥエーデンはNATOに加盟申請をしました。これまで中立を保っていた国が、大転換をしたわけです。

 ロシアにすれば、オセロゲームのように、次々と駒の色が変わって行きます。この先、ウクライナも、べラルーシュもNATOに加盟しないとは言えません。

 そうなれば、それに連れて、中央アジアのロシアの衛星国もこぞってロシアから離れて行くでしょう。それがすぐに離反するとは限りませんが、ロシアと言う巨大船が沈むとなったら、みんな我先に逃げだすはずです。

 そうなればロシアは瓦解します。ウクライナで使い果たした大きな戦費が負債となって、ロシアは賠償金を支払わなければならず、にっちもさっちも行かなくなるでしょう。結局社会主義はシステムの脆弱さによって、崩壊するのです。

 いざ経済が破綻したときに、ロシアはどうやって負債を支払うのでしょうか。一つは、油田やガスの権利を他国に売り渡すことです。そしてもう一つは領土を切り売りすることです。どちらもロシアの望まない行為ですが、借金の返済のためには致し方のないことです。

 

 周辺の土地や島を売りに出して借金の返済に充てるとなったら、日本は絶好のチャンスです。千島列島や、樺太(サハリン)くらいは買い取ってもいいのではないかと思います。そうなれば何十年も交渉しても全く埒の空かなかった、北方四島も、四島だけでなく、カムチャッカ半島以南の千島全島がそっくり帰って来ますし、樺太も、油田付きで全島丸々日本のものになるでしょう。

 これは日本が新たな開発のできる土地を手に入れることになり、大きな雇用を生みます。少なくとも、カニやたらがたくさん取れて、海産物は安くなります。回転寿司は、明太子やカズノコカニやサンマが全品百円で回転してお客様は大喜びです。千島や樺太に日本人がたくさん住むようになり、新しい都市が出来てどんどん繁華街が出来るでしょう。

 そうなると我々の様な芸能人は、スケジュールが広がって行きます。ミュージシャンが千島列島を飛び飛びにコンサートをして回ったり。樺太の都市の市民会館でマジックショウが開催されたり、ちょっと寒いのを我慢すれば仕事は増えて、日本のタレントは活動の幅が増えるでしょう。ロシアの崩壊は日本のチャンスなのです。

続く

 

 玉ひで満員御礼

 玉ひで公演は明日の最終日はめでたく満員御礼になりました。長らくご支援有難うございました。また三年後に再開します。その際にはまたお越し下さい。

 6月からは日本橋マンダリンホテルの二階、アゴラカフェで、毎週マジック公演があります。私は6月5日、一回目の公演に出演します。12時から、食事付きで5000円。詳細は、東京イリュージョンの掲示板をご覧ください。

 12日は、若手マジックショウ、ザッキー、早稲田康平、前田将太、諭吉ほかが出演。

 26日はカズカタヤマとその仲間の公演。どうぞお仲間お誘いの上お越しください。