手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

ロシアの砦

ロシアの砦

 

 ウクライナとロシアの戦いは、徐々にロシア軍に押されつつありますが、ロシアも一気に攻め込むのは難しいらしく、ここしばらくは膠着状態が続いています。

 先週お話しした通り、ロシアにとって、ベラルーシウクライナは、最後の土嚢です。かつては西側諸国とロシアの間には、ポーランド東ドイツユーゴスラビアハンガリーも、たくさんの土嚢が構築され、ロシアと西側諸国との間に砦を築いていたのです。それが、ベルリンの壁の崩壊以後、それらの国はロシアから離れ、ベルリンの壁の崩壊以後、それらの国はロシアから離れ、EUに加盟して西側諸国に行ってしまいました。

 ロシアとすれば最後の砦がウクライナベラルーシです。ロシアはこの二国にEUが手を出せば戦争になると、以前から警告していました。西側諸国としても、ロシアと戦争することにメリットはありませんから、何とかロシアとは争いたくありません。そのため、ウクライナEUに加盟したい希望はあっても婉曲に断ってきました。

 それがこの数年EUアメリカがウクライナの支援を決めたことで、プーチンさんの怒りが頂点に達しました。EUウクライナから手を引き、ウクライナEU加盟を諦めない限りロシア軍の侵攻はやめないと言うことになりました。

 ウクライナとすれば、ロシアの影響下にあったこの200年は圧制に苦しめられた歴史しかありません。ポーランドハンガリーが西側に付き、バルト三国までもがロシアから離れたのなら、ウクライナがロシアに義理を果たす理由がないと考えたのです。そこでEUへの接近を図ります。

 ところが、EUアメリカも、おいそれとはウクライナEUに加盟させることが出来ません。加盟させたならNATO軍とロシアとの戦いになります。プーチンさんは本気で核使用まで考えています。世界大戦は避けなければなりません。かくして、ウクライナの動向が世界大戦への導火線につながるために、三つ巴、四つ巴の睨み合いのまま、解決のつかない問題に世界中が頭を抱えています。

 

 単純に考えたなら、問題の解決は二つあります。一つはプーチンさんが狙撃されるか、失脚するかしてロシア側が手を引くことです。このまま行けば膨大な戦費と、西側諸国の囲い込みで、ロシア経済は大混乱になります。そのことを理解しているロシア人が先回りしてプーチンさんを失脚させたならひとまず解決します。

 二つ目は、ウクライナが占領されることです。とにかく、首都キエフが占領されて、ゼレンスキーさんが亡命すれば、ひとまず侵攻が完了になり、ロシアも名分が立ちます。但しこれですべてが終了するわけではありません。

 ゼレンスキーさんたちは地下に潜って、その後も戦いを続けることになります。結局は、ウクライナとロシアの闘争はその後も長く続くことになります。

 ロシアとすれば、仮に今回の侵攻でロシアが勝利したとしても、その後にロシア軍をウクライナ各地に駐留させなければならず、その維持費は膨大なものになります。今のロシアがそうした出費を維持できるかどうか。結局ウクライナ侵攻は、ロシアが勝っても負けても社会主義政府の寿命を縮めるだけなのではないかと思います。

 

 この先がどうなるかはだれも予想は出来ません。プーチンさんが狙撃されるか、ゼレンスキーさんが狙撃されるか、どちらの命が失われるかは神のみぞ知ると言うことです。

 安定感を言えば、プーチンさんの方がより厚く守られていて、狙撃しにくいとは思いますが、政治センスのなさを思うとプーチンさんに将来の目はないように思えます。

 政治家でも、芸能人でも、ある時、ある役目を終えるとあっさり寿命を終えていなくなってしまう人がたくさんいます。あれほど勢いのあった人が、あれほど人気のあった人が、一瞬にしてすべてを失って、歴史から名前が消えて行くときがあるのです。坂本龍馬然り、高杉晋作西郷隆盛大久保利通、みんなある役目を終えるとお約束のように命を失ってゆきます。

 どうも、私はプーチンさんがそんな人のように思えます。このところの時代錯誤な言動や、むちゃな行動は、既に時代を終えた人の様に思います。そろそろお迎えが来るような気がします。

続く。

 

 玉ひで盛況

 このところお休みをしている玉ひで公演ですが、今月19日はお客様の集まりもよく、無事に開催出来そうです。当初手妻とマジックの公演を東京で根付かせようと、毎月一回開催して、お客様と親密な関係を作って行こうと始めました。

 ところが、コロナの影響で、人集めがままならず、二年開催して続けて来ましたが、蔓延防止条例が出ると、たちまち、予約のお客様が一気に減って、開催もままならなくなっていました。芸能はまったく弱い立場です。雨が降っても、地震が起きても、不景気になっても、コロナが蔓延しても、人集めはうまく行きません。

 それでも来て下さるお客様はまさに神様です。有難いと思います。どうぞ残り座席はわずかですが、ご希望がございましたらご一報ください。

 19日12時から、出演、藤山新太郎、前田将太、カズカタヤマ、諭吉、お食事付き5500円、ショウのみ、2500円。