手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

一時代の終わり

一時代の終わり

 

 ロシアによるウクライナの侵攻は、恐らく10年20年後に今の時代を眺めてみたなら、社会主義の終焉の転機であろうと思います。もうこの先、このやり方は通用しないのです。

 北斗の拳で、「お前は既に死んでいる」と言うセリフがありますが、まさに今のプーチンさんに言える言葉です。1989年に既に社会主義は終わっています。そのことの認識のないまま、ロシアの周辺国を戦車とミサイルで威圧しても、もう周辺国民は従わないのです。

 今回、仮にウクライナが制圧されたとしても、それでロシアがこの先安泰とはならないでしょう。社会主義の矛盾は結局解消されませんし、独裁が維持される限り、反対勢力は、地下に潜って、テロ活動をするようになるでしょう。いづれにしてもロシアが今の体制を維持することは不可能です。

 

 同様に、アジアの中での社会主義国も、そう遠からず終焉を迎えることになるでしょう。中国の習近平さんも断末摩のあがきが見えます。チベットウイグル自治区での中国の弾圧はナチスユダヤ人の迫害と同じく、少数民族の人権を無視しています。

 圧政の度合いはウイグル自治区の方がウクライナよりも過酷だと思います。また中国国内の言論の封殺も目に余ります。かつての天安門事件は何一つ解決されないまま今に続いています。その結果が香港の民主主義弾圧につながっています。

 更には、この状態で、中国が台湾を併合しようと考えても、台湾は喜んで中国との統一を望むことはあり得ません。今回、ウクライナがロシアと同化することを拒むように、台湾も中国との同化は決して望まないでしょう。無理強いすれば自国を守るために戦うことになるでしょう。

 香港、ウイグル自治区は、力業で制圧しましたが、それは少数民族であるから成し得たことで、台湾となると簡単ではありません。中国よりもはるかに豊かな生活水準を維持し、高度な工業製品を作り、大きく世界に貢献しています。そんな国を戦車とミサイルで攻めとることは出来ません。

 常識で考えるなら、中国が台湾を攻めることはあり得ないのです。然し、断末摩の社会主義国が何をするのかは予断を許しません。ロシア、中国、北朝鮮はともに危険です。

 なんせ一党独裁の国家ですから、指導者の一存で、国民の了解なしに何でも決められるのです。全く怒らないとは言えないのです。

 但し、もし、中国が台湾を攻めたなら、確実にアメリカとの戦いになりますし、アメリカのミサイルや戦闘機は沖縄から発信しますので、中国とアメリカの戦いは、必然的に、日本が加わらざるを得なくなります。

 今の日本人が台湾のために戦うことになるとは多くの人は考えてはいないと思います。然し、これは台湾だけのために戦うことではなく、自国の防衛のための戦いなのです。少なくとも沖縄は日本の領土ですし、場合によっては岩国や、横田まで中国のミサイルが飛んでくるかもしれないのです。

 中国だけではなく、中国と日本が戦えば、北朝鮮も加勢して、いつも日本海に飛ばしているミサイルを本土に撃ち込んでくる可能性もあります。油断のならない連中なのです。

 まさかそんなことはあり得ない、と誰もが思いますが、初めに書いたように、社会主義は断末摩の最期を迎えています。何をするかわからないところがあります。北朝鮮などは特にこのままでは国を維持することも、自らの立場を維持することも難しくなってきています。ここらで起死回生の一発を考えないとも限らないのです。更に、北朝鮮に憧れている文在寅さんがいることもおかしな状況です。

 

 私は、ウクライナが完全勝利する戦略はないかと考えました。一つあります。ベラルーシが寝返って、ロシアを背後から攻めるのです。ロシアはベラルーシに関しては万全の信頼を置いています。そこで、裏をかいて、ベラルーシが徹底的にロシア軍を攻めるのです。

 それはちょうど、関ヶ原の戦いのときに、豊臣方の小早川秀秋が戦いの途中で寝返って、徳川方についたようなもので、豊臣から絶対の信頼を得ていた小早川が寝返ったことで、大坂方は総崩れになりました。

 あれと同じく、もし今ベラルーシが寝返れば、油断しているロシア軍は総崩れになるでしょうし、盟友と頼んでいたベラルーシウクライナ側に就けば、プーチンさんの精神的なショックも大きいでしょう。

 更には、今回の戦いを、傍観していた、ドイツ、フランス、イギリスも、衛星国がそこまで本気ならば、と本格的に軍事介入してくる可能性もあります。

 今まさにこの時に寝返ったなら、10万のロシア兵を殲滅させることは十分可能です。ロシア軍は国内に総勢30万人います。その三分の一が壊滅したなら、ロシア軍は完敗です。

 その上で、ベラルーシウクライナEUに加盟すれば、プーチンさんは退陣を余儀なくされるか、もしくは、ロシア国内で革命が起き、社会主義は崩れ去るでしょう。

 私の言っていることは荒唐無稽と思われるかもしれません。然し、全くない話ではないと思います。そんな作戦が成り立つほどに、ロシアは危ういのです。そして同様に中国、北朝鮮も危ういのです。

 第一次世界大戦が終わって約100年。もう二度と世界大戦は怒らないだろう、とみんなが思っていたにもかかわらず、わずか20数年で第二次大戦がはじまりました。そして75年が経ちました。もう世界大戦はない。と誰もが信じています。

 このままおとなしく社会主義が終焉を迎えるか、はたまた、最後のひと騒動を起こすか、予断の許さないところです。

 でも何となく今回の戦いを見ているとロシア、中国が怪しい動きをしています。怪しいことには敏感なのがマジシャンです。マジシャンの勘として今回の戦いは世界大戦につながるように思えます。

一時代の終わり