手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

マジックマイスターなど

マジックマイスターなど

 

 9月4日(土)16時30分から、座・高円寺でマジックマイスターの公演を致します。第18回目の開催です。このところ大きな催しはずっとザ・高円寺で開催しています。

 実は、コロナの影響で、借り手が少し減ったらしく、申し込めばかなりの確率で借りられるので、私にとっては好都合です。しかも、私の家から歩いて3分ですので、これ以上便利な劇場はありません。

 ゲストはカズカタヤマさん。いつものマニュピレーションとは違ったものを演じるそうです。田代茂さん。バーノンの5本リングを大きなリングで演じます。それにお椀と玉。これは私が舞台で演じているものをそのままお稽古しました。祐介君がお手伝いします。

 いつも玉ひでで出演している、戸崎拓也さん、ザッキーさん、早稲田康平さん、せとなさん、全員が出演します。もう一年以上玉ひでに出演しているため、みんな結構舞台慣れして来て、上手くなってきました。座敷ではなくちゃんとした舞台で見ると、どんな風に見えるか。楽しみです。

 総勢18組の出演で、賑やかな舞台になると思います。お申し込みは120名で締め切りますので、お早めにお申し込みください。詳細は東京イリュージョンまで。

 

 10月2日(土)田源さんのイベント。日本橋にある呉服卸の会社、田源さんの本社でのイベントです。二階に広い座敷がありまして、そこに舞台を作って、お客様を集めて公演します。

 呉服の展示会がメインですので、入場は無料です。私と前田将太。早稲田康平さん、せとなさんが出演します。11時と2時の二回公演をいたします。好評なようなら、来年には、若手だけでもできるような企画を組みたいと思います。

 

 10月3日(日)。マジッククローバス発表会。芝川公民館。佐野玉枝さんが主宰する4つのマジッククラブの合同発表会。

 芝川は富士宮市にあって、富士市からは少し山奥になります。車で行くと、民家が少なく、運転していて不安になる道ですが、芝川駅のすぐ近くにある公民館。今年はここで致します。公民館はとてもきれいな劇場です。

 ゲストは前田将太とザッキーさん。私は出演しません。私から離れて、二人がメインゲストです。のびのびやってもらいたいと思います。ご近所で公演をご覧になりたい方はマジッククローバスで検索してお越しになって下さい。入場無料。

 

 10月25日(月)18時30分から、座・高円寺

 藤山新太郎リサイタル公演「摩訶不思議」。

 前売り4000円、学生3500円、当日4500円。

 久々に文化庁芸術祭参加公演です。今回は日頃出さない作品をいろいろ出してみます。

 一里四方取寄術(いちりしほうとりよせのじつ)。これは明治15年亜細亜萬次(あじあまんじ)さんが発表してセンセーショナルになった作品です。萬次さんはこの一作でその後20年日本中を回って当たり続けます。

 内容は、お客様に何でも出してもらいたい品物を紙に書いてもらい。それを順に読み上げて出して行くと言うもの。実際に明治時代は、一つ出すたびに客席がどよめき、騒然となったそうです。明治の新作手妻で、まったく当時の人から見たなら超能力だったわけです。

 私は40年近く前にこの装置をお持ちの山本慶一さんを訪ね。岡山の下津井まで行き、道具を見せていただきました。それは三代目帰天斎正一師が使用していた道具で、かなり古い装置でした。

 そのとき、山本先生から、「藤山さん良かったらあなたに差し上げましょうか」。と言われたのですが、箱を持ちあげたら、とても担げる重さではなく、その場で辞退しました。

 今考えると何が何でももらっておくべきだったと思います。とにかく、東京に戻って、装置を復活させました。その後、時々自身の公演で演じています。

 実際に演じるとなると、生演奏であるとか、手伝いなど、人手がかかるためめったに演じることが出来ません。それでも5年に一度くらい演じています。珍しい作品ですので、ご興味ございましたら、是非ご覧ください。

 

 峰の桜。昭和10年の松旭斎天勝引退公演で発表されたもの。考案者は石田天海、天海師のミリオンウォッチを改案して桜の花びらにして、舞台一面に飾ると言う作品です。

 天勝師は踊りの名人で、弟子と一緒に吉原雀の振りで踊りながら桜を出しました。私はそこまでの舞踊はできませんが、今回、吉原雀を取り入れようかと思います。但し役は花咲か爺さんのストーリーで、犬と一緒に踊りながら花を咲かせて行こうと考えています。

 お爺さんの衣装や、犬の衣装も新規に拵えています。好評ならあちこちで演じます。乞うご期待。

 

 また久々に洋風マジックも演じて見ます。実際人生の半分までは洋風マジックを演じていたのですが、このところ全くタキシードや燕尾服を着ることがなくなりました。別に嫌いなわけではありません。こんな機会ですから、依然やっていたものをいくつかお見せしようと思います。

 

 ゲストは漫才のナイツさん。よく仕事で一緒になります。それから、私とは40数年来の仲間、ボナ植木さん。私の公演にはたびたび出演していただいている峯村健二さん。峯村健二さんは、毎月一回峯ゼミを開催して、若手に基礎から高等なマジックまで指導しています。今回は峯村さんのメイン手順、ボトルとスプーンを演じてもらいます。

 と言うわけで、ゲストも豪華版です。充分ショウの面白さをご堪能いただけると思います。

 座・高円寺はコロナの影響で、座席数を減らして、120席しかありません。既に申し込みは始まっていますので、ご興味ございましたらお早めにお申し込みください。

続く