手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

今日は玉ひでの公演

今日は玉ひでの公演

 

 今日は玉ひでの公演です。毎月一回、人形町玉ひでの座敷で公演をして、今回で14回目です。今回は早々に満員だったのですが、コロナによってキャンセルが発生しました。残念。

 と、思っていると、「まだ空いていますか」と、間際の予約が入りました。人間万事塞翁が馬で、一喜一憂してもなるようにしかなりません。いいことも悪いこともあって人生です。

 私にとって玉ひで公演はライフワークです。この先10年経って過去を眺めたなら、「始めたころはコロナでお客様が入らずに苦労したなぁ」。などと懐かしんでいるでしょう。私を待ってくれているお客様がある限り、私は公演を続けます。

 私自身コロナのワクチン接種を済ませていますので、私から感染することはありません。安心してご覧いただけます。

 と、言うわけで、来月、再来月も半分ほど予約が入っていますが、まだ空いておりますので、ご興味ございましたら、東京イリュージョンまでお申し込みください。

 

カズカタヤマさん退院

 

 18日。予想以上早くにカタヤマさんが退院しました。後遺症もさほどのこともなく帰ってきたことを電話で教えてもらいました。良かったです。

 然し、復帰したなら仕事を再開しなければいけません。相変わらず舞台のチャンスはわずかです。いや、これはカタヤマさんに限ったことではなく、マジシャン、芸能人すべてが苦労しています。カタヤマさんも何とか前向きに生きて行ってください。

 

パラリンピック

 来週からパラリンピックが始まります。日頃見ることのない競技をまた二週間見ることになります。この日のために努力をしてきた障害を持つ選手に精一杯拍手を送りたいと思います。

 たまたまこの一週間は、差別やいじめについて書いてきました。いわれなき差別を受けながらも、ひたすら前向きに生きて来た人たちの努力を見せてもらうことは、我々にも学ぶことはたくさんあると思います。またパラリンピックを見て、いろいろ考えたことを来週お話しします。

 

 大谷翔平選手は偉大です

 度々大谷翔平さんのことを書いていますが、3日前には40号のホームランを放ってアメリカの記録を塗り替えています。今アメリカでは、野球に全く興味のない人でも、大谷選手の活躍をネットやテレビで必ずチェックしているそうです。

 今や大谷選手は国民的な大スターだそうです。そもそもアメリカではこの10年、野球が不人気になってきて、観客動員を減らし続けていたのですが、ここへ来て、大谷選手がらみの野球中継はそれだけで大人気で、球場の熱気も復活しました。

 何しろ大谷選手は、たった一人で、エンジェルスの観客動員を引き上げ、同時に野球界の人気を引き上げています。まさに球界の神様です。

 エンジェルスの野球中継には必ず、全体画像とともに、大谷選手専用の小さな画面がついていて、他の選手がプレイしているときでも、小さな画面は、ベンチに座って試合を眺めているだけの大谷選手をひたすら映し出したり、バッティングの練習をしている大谷選手を映しているそうです。

 つまりファンは野球がどうなろうとも、大谷選手が見たいのです。こんなことはいまだかつてアメリカのスポーツ界にはなかったことです。

 依然として根強い人種差別があるアメリカで、東洋人の選手をここまで注目して、アメリカ全体が大騒ぎをしたことなど一度もなかったのです。大谷選手の活動が、人種差別の撤廃に大きく寄与しています。すごいですね。

 明るくのびのびプレイをする大谷選手は、アメリカ人の憧れなのです。日本でも、毎朝、エンジェルスの試合が気になって、必ず野球をチェックする人が増えています。すごいことです。世界中がコロナ禍で憂鬱な気持ちになっているのに、大谷選手がたった一人で希望を与えてくれます。つくづくすごい人だと思います。

 

 文化庁ヒアリング

 昨日20日、毎年この時期、補助金を頂いて公演した私の舞台の感想を、意見を伺うヒアリングの場が設けられ昨日、国立劇場に伺いました。今回はかなり細かにショウの内容の感想が伝えられました。総体好意的に見ていただき、中には、「こういうふうにマジックを見るのか」。と、いまさらながら芸能としてみたマジックの感想が面白く伝わってきます。

 幸い私は毎年支援を頂いていますが、安定したレベルを維持していないと、すぐにチェックが入ります。私だけでなく、一緒に出演している若手のマジシャンに対しても容赦のない批評が出ます。幸い今年も支援がいただけました。何にしても国が評価してくださることは有り難いことだと思います。

 ヒアリングが国立劇場の会議室であったため、車で神田に出て、砂場の蕎麦屋に入りました。ここは浅草の並木の藪。神田の松屋同様に私の好きな店で、並木ほど辛めの汁ではないもの、しっかりと出汁の味の出た、まさに神田を代表する蕎麦屋です。

 このところ出汁の味が分かってきた前田を連れて、卵焼きと天ざるを頼みました。卵焼きは、胡麻油で、しっかり焼き上げた江戸前の味です。魚の出汁が効いていて、総体味が濃く、甘く、京都の塩味の卵焼きとは対極に味です。然し、私はこれが大好きです。これと冷酒があれば30分は楽しめます。

 然し、昨日は、コロナのため酒が出ませんでした。「あぁ、コロナは私の貴重な楽しみを奪った」。悲しいです。

 天ざるは、小海老のかき揚げが平たい小皿に、熱い汁と一緒に入っています。そばは細めですがしっかりとしています。これを三筋ほど汁につけてすすると、ふわっと胡麻の香りとともに辛めの汁が香ってきます。幸せです。時折かき揚げを崩して、小海老と共にすする蕎麦の味は至福です。あぁ、この汁を肴に、酒が飲みたい。早くコロナが退散することを願っています。

 そのあとマジックランドに行き、色変わりのナイフはないかと聞くと、残念ながらありませんでした。このところ私は妙に色変わりナイフがしたいのです。

 そして、3時に歌舞伎の衣装屋さんに行き、爺さんの衣装と、犬の衣装を頼みました。いよいよ峰の桜も形になりつつあります。

 

 5時、一度車で自宅に帰って、6時には電車で田代さん個人指導のために埼玉に行きます。一日中忙しいことは忙しいのですが、砂場で憩えたことが幸せです。

 

マジックマイスター

 9月4日はマジックマイスターを開催いたします。もう18年続いたマジックショウです。場所は座高円寺、16時30分からスタートします。今回はいつもの生徒さんと、若手のマジシャンが10本出演します。全体で18本ものショウになります。相当熱が入っています。熱演をぜひ生の舞台でご覧ください。半日マジックに浸かったら夢心地、楽しいですよ。

 

明日はブログを休みます